武士の休日 部屋着にこそ和服がオススメの理由

ピンポ〜ン!


「来ちゃった♡」


その瞬間、部屋着がビロンビロンのスウェットだったとしたら……!?

現代社会を戦う皆さん、お疲れ様です。
お疲れですから部屋着くらいは楽ちんなやつを着たいですよね。


腹がゴムのズボン。(そう、ズボン)
毛玉の浮いてきたトレーナー。(そう、トレーナー)


部屋着、最高。ビロンビロンで何が悪い。
おっしゃる通り何も悪くないんですが、ただいまあなたがご覧のメディアは「ライフブースター」。モテる男を目指す人のためのWEBマガジン、です。


モテたいんだ。でも、ビロンビロンもしたいんだ!!


二つの望みを一挙に叶える、「来ちゃった♡」されても安心な部屋着があるんですよ。
それが……

「でも、和服ってお高いんでしょう?」
「着るの難しいんでしょう?」
「洗えないでしょう?」


そんなあなたへ、和服を部屋着にして2年になる文筆家の牧村朝子が、「部屋着にこそ和服がオススメの理由」を全力でプレゼンします。

部屋着和装のメリットとは?

やってみて感じることですが、部屋着を和服にすると、こんなメリットが得られます。


・蒸れないので清潔かつ快適
・下半身の開放感ハンパない
・乳首が浮かない(夏は重要)
・冬場はハンテンとも合わせやすい
・着方を調整できるので体温調節しやすい
・温泉旅館にいるみたいでリゾート感がある
・武士かな?文人かな?みたいな気分になれる
・洋服部屋着の「首ビロビロ問題」とか「毛玉ボコボコ問題」から解放される
・エシカル!地元伝統の織物・染物を応援したり、先人から継いだ服を着たりできる


和服は、この日本列島で千年単位の長い歴史を経て発達した服。
それに対し、日本列島の人々が洋服を着始めたのはここ百数十年のことです。


もちろん、日本列島の気候や社会に合わせて発達した洋服もいろいろあるわけですが(吸水速乾の機能性アンダーウェアとか、“クールビズ”とか)、しかし、和服を着てみるとわかります。


「和服って、ここの気候にめちゃくちゃ合うな……」と。

和服は実はリラックスウェア

洋服が「風を防ぐ服」だとすれば、和服は「風をはらむ服」です。
脇汗、生地の張り付き感、腹のゴムあと……洋服を部屋着にしていた頃の気になるポイントが全部吹っ飛びます。


そして、気づくのです。
「湿度の高いアジアの島で、快適に過ごすための知恵が和服には全て詰まっている……」と。


しかし、和服を日常着として着る人が減った現代では、ほとんどの人が和服について「趣味の高級おしゃれファッション」というイメージを持っていると思います。


人生において、あなたが和服を着た経験を思い出してください。
夏祭りの浴衣?
成人式の振袖や羽織袴?
あなたがもともと和服好きでない限り、ほとんどがイベントごとの時だったのではないでしょうか。


けれどもちろん、昔の人が毎日イベントだったわけではありませんよね。
「日常を生きる和服」があったわけです。
それこそが、気軽に水でじゃぶじゃぶ洗える、着付けのルールをうるさく言われない、庶民の木綿の野良着だったりしました。身だしなみに厳しい武士たちであっても、休日は袴をはかない、帯で締めるだけの、いわゆる「着流し」でゆったり過ごしていたわけです。


そんな「日常を生きる和服」が今、消えかかっています。
令和の世では、地元商店街の呉服屋さんがどんどんなくなっていき、日本各地で特色を生かして続いてきた織物もどんどん織られなくなり、古くからの知恵と技術が危機に瀕しているのです。


こんなにもいいものを、なんとか継いでいくためには?
わたしは考えました。


家でダラダラするときにこそ着よう、と。

ということで、


・決してよそゆきのおしゃれにはならない
・なんかこう着付けの先生とかにピシッとやってもらう感じでもない
・でも、安い、簡単、自分でできる、何よりくつろげる、令和人の部屋着和装


っていうのは、どうすればいいのか。考えました。

何を揃えればいい?いくらかかるの?

必要なのは次のものです。

・柔らかい生地の着物(古着 約¥500〜/ほか、既製品もオーダーメイドも)
・ガーゼ寝巻き(約¥2000)
・腰紐(約¥500〜)
・兵児帯(へこおび、約¥1000〜 高級品もある)
・きもの洗濯ネット(約¥1500)


安くて数千円で揃えられて、毎年着られます。


やってみて気に入って毎日着るにしても、まあ、寝巻き2着と着物1着くらい買い足せば全然足ります。


着物は脇の下や股間といった部位に直接布がつくことのないデザインですし、汗は肌を伝ってたもとから湿気として抜けてくれるので、直接汗を吸う洋服と違い、そこまで頻繁に洗濯する必要がないのです。


オプションとして次のようなものも加えるといいでしょう。


・冬場のはんてん
・布ぞうり
・(あぐらをよくかくなどで、下半身の着崩れを気にしたくない方には)ステテコ
・広げて干せる、着物ハンガー


さて、これらをどこで買うか。続いてご案内します。

入手は?

もちろん、リッチなあなたは専門店でイチから仕立ててもいいですし、ついついポチりがちなあなたは全部ネットでポチってもいいんですが……


お試しで安く入手したい場合にオススメなのは、「昔からの商店街の衣料店とリサイクルショップ」です。
地元で骨董市があるなら、そこでも良いでしょう。
昭和時代の着物が、1000円くらい、掘り出すと300円とかでも見つかることがあります。


また、穴場なのが、各地のゴミ処理場に併設されたようなリサイクルプラザ。
もともと処分品ですから、激安なのはもちろんのこと、地元の地名や昔の人の名前が入った着物が見つかることがあります。
それが偶然自分と同じ苗字だったり、地元の友達と同じ苗字だったりしたら、ちょっと楽しくなりませんか?


わたしは普段、「四番 ワダ」って書かれた着物を愛用しています。ありがとう、ワダさん。

お手入れは?

部屋着のみならず、バッリバリのおしゃれ着と正装を除いた和服に言えることですが、「正絹(しょうけん)」という生地でさえなければ自宅で洗濯できます。


中に着る「ガーゼ寝巻き」はもう、ミシン縫いの工業製品ですから、Tシャツ感覚で洗濯機にぶち込んでザブザブ洗って全然オッケーです。乾燥機もいける。やっちゃう。


外に着るきものは、正直、あんまり洗わなくても大丈夫です。
ジャケットやコートみたいなものです。


汗や皮脂汚れは、下に着るガーゼ寝巻きが吸い込んでくれますので。
ちょっとカップ麺のつゆ飛んじゃったな〜とかなったら、そこだけ硬く絞った濡れタオルでトントンしましょう。


で、これは本格的に洗いたいな〜ってなったら、専用のきもの洗濯ネットに入れて、「手洗い」などの水流が激しくないモードで洗い、短時間低速で脱水して干しましょう。


そでに物干し竿を通すか、着物ハンガーで干すときれいに仕上がりますが、まあ部屋着なので、普通のハンガーで干しちゃっても別にいいと思います。


保管も、わたしは部屋着に関しては、普通のハンガーでクローゼットにかけてしまっています。
畳んで引き出しに入れる、でもオッケーだと思います(ワイシャツを畳んだよりちょっと大きいかな、くらいのサイズ感におさまります)。

で、どうやって着るの?

パンツもしくは全裸から(夏場のノーパンまじ快適)、


(1)ガーゼ寝巻きを羽織り、腰紐で締める。
https://www.instagram.com/p/B6S8YR2n3Y7/


(2)着物を羽織り、兵児帯で締める。
https://www.instagram.com/p/B6S9BEJHWBp/


これだけのツーステップです。(動画ではワイシャツとズボンの上から着ています)


兵児帯は、その「へこおび」という名前の通り、柔らか、フワフワ。
ゴロゴロするときも椅子に座る時も快適です。


お手洗いに行く時も、バスローブ感覚で下からペロンとめくればオッケー。


皿洗いなど腕まくりしたいときは、面倒だったら、袖を脇の下にはさんじゃいます。


ガッツリ動くときは、「タスキがけ」をしましょう。
もしくは和服の上に割烹着を着るのも、なんかカッコいいと思います。
「七輪で火ぃ起こすのめっちゃうまそうな人」みたいな空気が出ます。


和服で、武士の休日気分。
最初は「スースーする」と思うでしょうが、慣れれば慣れるほどどんどん快適になってきます。
夏は窓を開けて、冬はこたつにみかんで。
ぜひ、和服で四季折々の暮らしを楽しんでくださいね。

[adrotate group=”1″]

牧村朝子(まきむら・あさこ)

文筆家。1987年神奈川県生まれ。著書「百合のリアル」「ハッピーエンドに殺されない」他。
メディア出演「NHKハートネットTV」「5時に夢中!」他。twitter:https://twitter.com/makimuuuuuu

Photo by Mitchell Luo on Unsplash