初デートにサイゼリヤありなし論争で見落とされた「デート」の本質

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「初デートにサイゼリヤはありかなしか」。

こんなテーマがネット上で話題になったのをご存知でしょうか。多くの人がこの議論に参加し、一時期白熱していました。

しかしわたしは、「デートでこれはありかなしか」と議論すること自体がムダだと思うのです。だって、そういう価値観を確認しあう過程こそが『デート』でしょう?

自分がサイゼOKでも、相手がそうとは限らない

まず、わたしのサイゼリヤに対する思いをお伝えします。

わたしはサイゼリヤが大好きです。最高です。デートで行けるなら「こいつわかってる……!」と思ってなおさら好きになる自信があります。

というのも、高校を卒業してから足が遠のいていましたが、先日免許の書き換えで神奈川県の二俣川に行ったときに偶然見つけ、久しぶりにサイゼリヤでランチをしたんですね。

コスパ最高、味もよし、量もいい感じ。パルマ風スパゲッティとフォッカチオ、チョコレートケーキのトリプルコンボでも、なんと1000円以下!

「やっぱりサイゼって最高じゃん」と再確認しました。

わたしにとってサイゼリヤは「安くておいしくてのんびりできる」の三拍子が揃った優秀なファミレスなので、デートでもOKです。

一方、「初デートでサイゼリヤはちょっと」という意見も理解できます。

初デートのために美容院に行ってはやりのワンピースを新調し、ヴィトンの鞄を持っている女性からすれば、「えっファミレスなの?」となるでしょう。だから、サイゼリヤがありかなしかは、そりゃもう「人による」としか言えません。

ですがここで、ちょっとお聞きしたいことがあります。

「デートに『こうあるべき』なんて決まりがあるのか?」と。

デートの目的は価値観の確認

そもそも、デートってなんのためにするんでしょう。

サイゼリヤの議論はもともと婚活サービス利用者についての言及から派生したものなので、ここでは『お付き合いや結婚を視野に入れてふたりで会うことがデート』と定義します。恋愛関係になった後のデートとは、また別の話です。

この場合、初デートの時点ではまだお互い「恋人候補」でしかありません。
一度会ったからといって、結婚しなきゃいけないわけではないのです。

いっしょに出かけて、話して、お互いの価値観を知って相性を確かめる。この過程が『デート』だとするのなら、「サイゼリヤはありかなしか」という議論は完全に無意味です。

「あり」と思う人は、おなじく「あり」だと言う人を探して付き合えばいい。「なし」だと思う人は、おなじく「なし」だと言う人を探して付き合えばいい。それだけですから。

そういえば、「デートで財布を出さない女性」「クーポンを使う男性」といったテーマも盛り上がっていました。

これも同じで、「この人のこういうところがイヤだな」と思えば、適当な理由をつけて解散して、もう会わなければいいのです。それを見極めるためにデートしているのだから。

相手不在の「デートプラン」論議に意味はない

わたし自身、大学生のとき、少し年上の方とデートをしたことがあります。その人は社会人なうえ職業柄わりと稼いでいるようで、結構いいお店に連れて行ってくれました。気後れしたわたしは「もう少しカジュアルなほうが」と言いましたが、「俺がおごるから気にしないで」と言われ、そのお店へ。

お金を出していただけるのはうれしいです。ありがたいです。でもわたしにとっては不相応にいいお店で、緊張して居心地が悪く、正直楽しめませんでした。299円均一の居酒屋のほうがよかった……と思ってしまい、結局、その人とはそれきり。

いまはもう27歳で自分も働いているので、そういうお店でご馳走になったとしたら、「エスコートしてもらえてうれしいな」と素直によろこぶでしょう。

当時のわたしにはそのデートは「なし」で、いまのわたしにとっては「あり」。同じ人間でもデートに対する価値観は状況によってかなり変わるのですから、デートにおいて「こうすべき」なんてことはないのです(遅刻しない、清潔感のある格好、といったマナーは存在しますが)。

ちなみにわたしは、サイゼリヤはOKですが、ラーメン屋と牛丼屋はNGです。食べるのがものすごく遅くて迷惑をかけてしまうので。逆に、「ラーメンはありだけどサイゼリヤはちょっと」という人だっているかもしれません。

デートは相手ありきなので、相手抜きで「デートでこれはありかなしか」を議論するのは、あまり意味がありませんよね。

大事なのは「どのレストランに行くか」よりも「意思疎通」

デートは、いっしょに過ごす時間を通じて恋人や配偶者としての適正を見定める場。ふたりで話して、どこでなにをするかを決めればいいじゃないですか。とまぁこう思うわけです。

片方がサイゼに行きたくないのに連れていく人、サイゼに行きたくないことを伝えずにあとから文句を言う人。正直、両方とも恋人適正「ナシ」です。

ふたりとも行きたいなら行けばいいし、イヤならそう伝えてちがう場所をふたりで探す。大事なのは「サイゼリヤに行くか否か」ではなく、「ふたりが楽しい時間を過ごすために意思疎通ができるか」です。

もし「デートはこうあるべき」「こうじゃなきゃ許さん」という確固たる信念をおもちであれば、最初から相手に「ぼくがかんがえるさいきょうのデートプラン」でも渡して、認識が完全一致した人とだけデートに行けばいいでしょう。

初デートサイゼリヤ問題については、「サイゼリヤOKの子ならサイゼリヤに行けばいいし、イヤがるのであればちがうお店に行けばいい。価値観が合わなければもう会わなきゃいい」。これがわたしのファイナルアンサーです。

ただ、あえて言うなら、賛否両論の「初デートサイゼリヤ」を決行してわざわざリスクを取るよりも、ランチセット1500円程度のこじゃれたお店のほうが「無難」ではありますが。


プロフィール:雨宮 紫苑(あまみや しおん)

91年生まれ、ドイツ在住フリーライター。
Yahoo!ニュースや東洋経済オンライン、ハフィントンポストなどに寄稿。ブログ「雨宮の迷走ニュース」運営。
著書「日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち」(新潮新書)


『不二夫のフレグラン』


ーーーにおいで遠ざかり、匂いが近づけた。一組の家族の物語。


【あらすじ】
気がついたら、離れていた。とある家族の物語。
今日は妻と映画を観よう。急いで帰宅した矢先に、妻とママ友の立ち話を耳にする不二夫。 「うちの夫も最近加齢臭が……」
ショックを受け一人ソファで寝ていると、追い打ちをかけるように娘が家出してしまう。
不二夫は娘を見つけ出し、家族との距離を縮めることができるだろうか……

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不二夫のフレグラン
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