
ブームや現象を引き起こす時代の寵児は、他者とは違う斬新な個性や風格を持っています。
そして時代をリードする斬新な個性や風格、それはある種の遊び心から生まれます。
今回は『他人と差をつける遊び心』について、私の体験談を交えながら紹介していきます。
遊びのない人やモノは、画一的で面白みに欠ける
遊びとは、ある種の『余分なもの』です。
コストを抑えた大量生産の工業製品を思い浮かべてください。
それらは実用的な商品として広く受け入れられはするものの、人に驚きや感動を与えるものではありません。
必要最低限の機能だけが備わった製品は、人の想定を裏切ることもないのです。
このことは工業製品などの『モノ』ではなく、人についても同じことが言えます。
言われたことはこなせるけど、あと一歩が足りないと言われていた先輩の話
私がパティシエ見習いだった頃、尊敬していた同世代の先輩がいました。
その人は技術的には巧みでした。モンブランの絞りや生クリームのナッペなど基礎的な技術が同世代の誰よりも早く、正確だったのです。
そんな先輩でしたが、なぜかシェフパティシエには『あいつはまだまだだよ』とあまり評価されていないようでした。
とある日の夜、他の同僚がいないタイミングを見計らってシェフパティシエにその理由について聞いてみました。
シェフパティシエの答えはこうです。
『あいつには遊びがないんだ。毎日決められた枠の中の仕事だけして、その外にあえて自分から外れてみたりは中々してくれないんだよ』
『俺たちの仕事は客が驚いたり感動したりするようなケーキを作ることだろ。
驚きや感動を与えるはずの俺達が、毎日の仕事をただルーチンワークみたいにこなしているのはダメなんだ。つまらない姿勢で作ったケーキには驚きも感動もないんだ』
余計な変化や挑戦。プレッシャーのかかる仕事の中でも、そういった『余計なこと』をするのはなかなか困難なことです。
しかしそういった状況の中にあってなお、誰から言われたわけでもなく、単なる自分の好奇心で積極的に日々の仕事に変化球を入れていく人間が、客を驚かせるような新しいオリジナルを作ることができるんだ、というのがシェフパティシエの考えだったのです。
遊び心が斬新な個性になる
本来必要ではないプラスアルファの要素である『遊び心』は、個性そのものです。
遊びがない、と言われていた先輩のケーキは基本的には問題のない仕上がりでしたが、たしかにシェフパティシエがつくるものと比較すると、見る人をぐいと惹きつける強制力がありませんでした。
全体として見れば両者に差は少ないのですが、細部を比較すると、シェフパティシエのケーキには、ほんのわずかな生クリームの仕上げ方に人を魅了する技工が詰め込まれていたのです。
それらの+αは、あくまでシェフパティシエがその日の気分で詰め込んだものでした。
誰よりも飽き性で誰よりも仕事を楽しんでいたシェフパティシエは、『この方が面白そうだから』という理由で事あるごとに新しい仕掛けをケーキに仕込む人物だったのです。
遊び心と斬新な個性が他人を惹きつける
余分な付け足しや過剰な削ぎ落とし、新しい角度からのアプローチや、既存の価値観を破壊する新しい視点。
そういった、ある種の『余計なこと』には、当事者にしか分からない独自の動機、独自の遊び心があります。
一見非合理的に見えて、その実本人にしか分からない合理性を帯びた『遊び心』は、斬新な個性になります。そして見る人の疑問を喚起します。
『なぜこんな余分がここにあるのだろう?』
『あえてこうしているのにはなにか理由があるのだろうか?』
こういった疑問が興味になり、その動機が新しい価値観としえ受け入れられたとき、その人物は『斬新な個性を持つカリスマ的人材』として周りから注目を浴びるようになるのです。
他人と差をつける『遊び心』を持つ方法
遊びの少なさから『もう一歩が足りない』と評価されていた先輩は、その後、シェフパティシエの指導を受けながら少しずつ、『教えられた型枠からあえて外れてみる』ことを覚えていきました。
そのときシェフパティシエが教えていたのは、主に次の3つのポイントでした。
- つまらないことを続けるな
- 心と腕に余裕を持て
- 理想の仕事をしろ
これらについてひとつずつ紹介していきます。
つまらないことを続けるな
シェフパティシエは、つまらないと思ったらすぐやめろよう先輩に言い聞かせていました。
『つまらないことに耐えていると、心が鈍くなっていく。そうなると物事を楽しむ力までもが失われて、遊び心を持てなくなるんだ』
『つまらないと思うぐらいなら、一度手を止めて、新しい方法を試してみろ』
実際、飽き性のシェフパティシエは、事あるごとに生地の焼き方やレシピを変えていました。
『今日はどういう気分だからこうする』『この飾りは見飽きたら別のに変えてみよう』というようなことは日常茶飯事だったのです。
心と腕に余裕を持て
『心に余裕がなければ遊べない』
『そして、腕が確かで技量的にも余裕がないと、心に余裕なんて持てない』
『だから、もっと自分にストイックになって技量を上げろ。そうすれば心にも余裕ができて、色んなことに挑戦できるはずだ』
シェフパティシエはこのように主張していました。
たしかに力量に自信がなければ、プレッシャーのかかる状況であえて道を一歩踏み外してみるなんてことは出来ないものです。
理想の仕事をしろ
『今の自分が思い描く理想の仕事をしろ』
『最大限のパフォーマンスを発揮して仕事できるようになれば、必ずその先が見たくなる』
『だからまず、自分の理想にもっと貪欲になってみろ』
これが、遊びをもたせるためにシェフパティシエが教えていた3つ目のポイントでした。
仕事に限らず、自分の理想のあり方を維持するのは大変なことです。
ですが、理想のあり方から目を背けて、『嫌な自分』のまま日々を過ごすのもまた苦しいものです。
好きな自分でいられない苦しさは、心を重くして遊び心を殺してしまいます。
ですから、そうならないように自分の理想のあり方を維持する必要があるのです。
これらのことを教わってから先輩は徐々に変わっていき、仕事に様々な変化球を取り入れるようになりました。
生クリームの絞りに独自の流れるような模様を組み込んでいったり、スポンジ生地の泡立て方をより気泡が細かくなるよう変えてみたり。
そういった『遊び』を入れながら仕事をするようになった先輩は、以前より表情も柔らかくなり、ケーキの仕上がりも前より美しいものになっていきました。
まとめ
遊び心は、ある種の個性であり、意外性であり、新しいことへ挑戦するためのエネルギーです。
様々な側面をもつ遊び心ですが、この遊び心は日々の中で、ときに摩耗して忘れ去られてしまいがちなものです。
しかしそんな人も、自分の心を殺さずに、余裕をもって自分の見たいものややりたいことと素直に向き合えば、自然と遊び心を取り戻すことができます。
遊び心のある『自分らしいやり方』で他人と差をつけましょう。
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ライター名:sig_Right
プロフィール:元パティシエのITエンジニア。文筆業が好きで、仕事の合間にライターとして各所で記事を寄稿しています。得意な焼き菓子はシフォン。
<Photo:Katrina Berban>