ニーチェ的に読む『闇金ウシジマくん』の生き方・名言

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生き方について学びたいなと思うとき。
理想的なテキストがあります。それが、漫画『闇金ウシジマくん』(以下、ウシジマくん)です。


社会現象となったこの漫画から、生き方の名言を学べます。あくまで著作権上の引用の範囲を満たしながら、生き方に役立つ話と、ニーチェ的な解釈をみていきます。

孤独は不幸に直結しやすい

前提として、ウシジマくんには成功法則がありません。


悪い人たちからこうすれば逃れられるというパターンがないのです。
どんな平穏な生活をしている人であっても、ほんの少しの日常のほころびから、破滅に追いやられてしまいます。


ストーリーとしてまだ何か大きな欠落のある人間が、不幸になっていくのであればわかります。


しかしたとえば、周りからは幸福そうにみえる主婦の方であっても、実は不倫で内通していて相手との間にトラブルが起き、そこからお金の問題が発生していって、徐々に闇金の毒牙に…ということを作者はとことん描きあげるのです。


それでも、私はこのウシジマくんが好きで好きでたまらず、何度も何度も繰り返し読んでいたため、不幸になる人間の共通項にたどり着きました。


それが、「孤独」を抱えていることです。
ウシジマくんの登場キャラクターたちは、孤独であるがゆえに、それを埋めるためお金を散財します。


現代にはお金がかかるかわりに束の間、ほんの束の間の孤独を癒やしてくれる場所がたくさんあるからです。


パチンコ、風俗、出会い系、不倫…だけでなく、自己啓発、スマホすらも。
孤独に耐えられない人たちはそこにハマってお金を散財し、闇金へと落ちていきます。


物語として見えづらいですが、その法則性に気がついたとき、自分を省みるきっかけになりました。私自身も、孤独や自分の中の欠落を埋めるために、ダラダラとお金を使うことがあるからです。

具体性こそがリアリティをもたらす

さらに、私は文章の書き手として、自分自身のことを書いたり、請われるがままに知人が自分自身のプロフィールを書いたりするのを手伝ったりすることがあるのですが、その際によく引き合いに出すのがウシジマくんの背景描写です。


ウシジマくんは、一説によると写真をトレースして背景を書いているそうです。
新宿、地方都市、沖縄の小さな町など、さまざまな場所が登場しますが、それらがどれも緻密に書き込まれているのです。


これによって、読者は漫画の中の世界と、自分が暮らす世界が地続きとなり、その世界にどんどん引き込まれてしまいます。


つまり、自分を含めた何かを語るとき、具体性を持たせることが大切だと考えます。
自販機やスマートフォンなどの描写から、読み手は書き手のことを別世界の人間ではなく近い存在だと錯覚するのです。

価値観の保留

そして、ウシジマくんの漫画の中では、ほとんど価値観がでてきません。


極端な話をすれば、「人を傷つけることは悪いことです」とか「目上の人を大切にしましょう」とか、そうした価値判断の話がでてこないのです。
価値観を保留したまま、話がどんどん進んでいきます。


押し付けがましくもなく、現実にあるかのようなシビアさを突きつけてくるからこそ、誰もが目をそむけたくなりながらも読んでしまうのではないでしょうか。

親との関係

一方で、ウシジマくんの登場人物は、ちゃんとした部分があります。
それが親(とくに母親)との関係です。ウシジマくん自身も亡くなった母親をとても大切に思っていますし、登場人物はみんな親思いです。


しかし、せっかくのプレゼントを売られ、親への愛を裏切られるマサルだけが、ウシジマくんの元を離れて造反するというのは象徴的な話です。


つまり、価値判断が極めて少ないウシジマくんの物語の中に、親との健全な関係は重要であるという価値観がひとつだけ埋められていることとなります。


このことは、私がこの漫画を愛読しているからこそ発見できたものなのですが、他にもこうした価値観が何らかの形で表象されているかもしれませんので、ぜひ探してみてください。

闇金ウシジマくんの名言

では、名言をみていきます。今回は、お金についての名言はあえてカットしました。
生き方、社会、人間関係についての名言を集めてみました。

―生き方編―

自分がしてきた事の責任を何処かできちんと取れば人は変わる


絶望的な話が多いウシジマくんで、これは心が救われる言葉です。
ほとんどの人が悲惨な目に遭っていく漫画の中で、希望がみえます。同時に、

責任てのは、責任とれるやつが言う言葉だ


という言葉もある通り、自分の人生に起こる因果を自分で受け止める必要があるということではないでしょうか。

―見栄編―

無理して相手に合わしてもその場限りだし、無理して着飾っても一瞬の優越感しか味わえねェ。見栄っ張りの連中は、そんなのが無意味だってのに気付かねーのな!


ウシジマくんは、気取った人間や虚栄心の愚かさを徹底して暴きます。
その裏にある本性こそが、人間の醜さであり、面白さであることを知っているからです。

―心編―

誰からも必要とされていないのが、この世で一番の苦しみだ。


必要とされたいがゆえ、ウシジマくんの登場人物はお金を消費し、闇金へとなだれこんでいきます。その内側のゆらぎに共感できるからこそ、転落していく人たちの物語を読みながら、他人事じゃない気持ちにさせられるのです。

―異性編ー

そして、異性についての名言もあります。

女を知り尽くすなら、一人の女ととことん向き合いなさい。


これはいいですね。モテや男を上げるというと、とにかくたくさんの女性と…という勝手な話が語られがちな昨今ですが、ひとりと向き合うことを推奨しています。

生き方が学べる漫画

闇金ウシジマくんは意外な終わり方をします。それはここでは触れませんが、誰も幸せにならない世界を、作者の真鍋昌平氏はとことん描きあげます。


世の中にいる、お金持ちも普通の経済レベルの人も、そしてちょっとお金に困っている人も、すべて中身は孤独であり、同時に実存の不安を抱えているのです。


実存というワードがでましたが、この実存の不安を生涯のテーマとしたのがニーチェです。
彼は、現代に住む私たちがこの不安にさいなまれることを予見していました。「神は死んだ!」という言葉に代表されるように、信仰心を失った人間は、それぞれ「なぜ生きるか」という孤独と不安を抱えて生きるようになりました。


そんなニーチェに『悲劇の誕生』という初期の著作があります。
若き日のニーチェが夢中になって研究した、古代ギリシアの悲劇を分析したものです。


その中で、ギリシア悲劇を代表する存在として、全知全能のゼウスの子供であり陽気な神アポロンの理性と、豊かさを司る神ディオニュソスの感情の動きの対比があると指摘したのです。
この理性と感情の緩急が、劇に深みをもたせてくれます。


さらにニーチェは舞台の背後にいるコロスという合唱隊に注目しています。
基本的に、古代ギリシア劇は、仮面の登場人物と合唱隊で構成されます。
劇として主人公の心を、背後にいる合唱隊が代弁したり、意味を補強したりするのです。


コロスの合唱は観客の感情を盛り上げ、気分をもり立てて、さらに物語からの教訓性を強める役割を持ちます。劇場に響き渡るコロスの歌によって、観客はカタルシス(精神の浄化)を得てまた自分たちの日常に戻っていくことをニーチェは指摘しています。

最後に

ウシジマくんも同様に、破滅する人たちの物語を読みながら、読む前と読んだ後で人生を変えるほどのインパクトをもたらします。まさに物語の力です。


ニーチェの文章は文学レベルです。闇金ウシジマくんもまた、現代をまざまざと描写する悲劇として、良質の文学を読んだあとのように私たちの感情を浄化し、生き方の意味を変えてくれるのです。


ウシジマくんの悲劇的な側面から目をそらさず、人間の汚い部分、不条理な部分、そして突如としてやってくる理不尽な暴力からも目をそむけないこと。
これが現代を生きる男性にとって必要なことではないでしょうか。


参考資料
『闇金ウシジマくん』全46巻 真鍋昌平
『悲劇の誕生』ニーチェ


書き手:名もなきライター
プロフィール:ライター歴5年。恋愛経験は乏しいが、なぜか無職になってから最高の男性とマッチングし(たつもり)、毎日幸せに暮らしている(はず)
ツイッター:https://twitter.com/writer_noname
ブログ:https://www.kazinc.org/

<Photo:Carlo D’Agnolo>


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