「不倫と呼ばないで、これはポリアモリーなの」複数の男性と交わる女性の生き方とは

出典:文部科学省「薬物乱用ってどういうことだろう?

 

学生時代、男子からとてもモテる、Tというかわいい女性がいました。

しかし彼女は、

「誰かひとりだけと付き合うなんてもったいないと思うの」

という考え方を貫き通し、「ポリアモリー」という生き方を選ぶようになります。

 

今回は彼女と、その生き方についてご紹介してみたいと思います。

 

学生時代、たくさんの男子と同時に付き合っていたT

 

とてもかわいらしく、人から好まれる朗らかな性格だったTは、ちょっとした有名人でした。

学園祭では他学科の知らない人から頻繁に声をかけられ、何度もナンパされます。

また普段の講義でも、Tは隣り合った席の男子学生からよく連絡先を聞かれたりしていました。

 

余りにもモテるためか、

「Tはとんでもないサセ子で、二股も三股もかけているらしい」

という噂が流れます。

 

彼女のことが気になっていた私もある時、研究室で思い切って聞いてみました。

「何人もの男と付き合ってるって本当?」

「うん、本当だよ。」

「・・・。」

「わたしは色んな人とデートしたり、セックスしたいの。でも、それを言ってもみんなまじめに聞いてくれないんだよね。」

Tは淡々と、当たり前のように話しました。

 

しかし相手の男にとってみたら、なかなか割り切れるものではありません。

時には彼氏Aと彼氏Bで諍いが起きたりもしていたのですが、T自身はそういった人間関係上のトラブルについて、

「なんでみんな、こんなことで騒ぐんだろう。バカみたい。」

と、面倒くさそうな顔をして言い放っていました。

 

結婚相手の他に彼氏がふたりできていた

 

大学を卒業して、しばらくTとは疎遠になっていました。

そして記憶が少しずつ失われてきた頃、偶然にもわたしは彼女と再開します。

学生だった頃の幼さがなくなったTは、すっかりと大人の女性になっていました。

 

今はどうしているのかと近況を聞いてみると、Tは2年ほど前に結婚したとのことでした。

籍を入れた相手について、興味本位で「どんな人なの」と聞いてみると、彼女は

「優しくて物静かで、少し主張の弱い人」

と言いました。

 

意外な感じがして、思わずわたしは

「昔はもっと活発なイケメンが好きだったんじゃないの?」

質問しました。

すると彼女は、驚きの答えを返します。


「うん。今でもそういう人が好き。だからそういう彼氏がいるよ」

「それって不倫ってこと?」

「不倫って言わないでよ。夫にはこのことは話していて、オッケーも貰ってるんだから。」

「夫公認の浮気ってことかな。」

「浮気じゃないの。こういうの、ポリアモリーっていうの。知らないの?」

「・・・知らない。」

「私には、夫以外に彼氏がふたりいるの。みんなとデートするし、彼氏の家に泊まってセックスしたりもしてる。こういう関係のことを、そういうの。」

 

彼女が説明するところによると、ポリアモリーとはざっくり言ってしまえば、好きな相手を1人に絞らない恋愛観です。

たった1人だけを好きになるのが良しとされる現代社会の常識に、真っ向から対峙する考え方です。


ポリアモリーが不倫とは違うのは、隠れて恋人を作る不倫とは違って、ポリアモリーはオープンな人間関係の上に成り立つものである点です。

誰か特定の好きな相手がいて、その相手と自分が、互いに”互い以外の誰か”を好きになったり、身体の関係をもったりしても良いと了承し合うのが、ポリアモリーなのです。

 

TとTの夫は、互い以外の恋人がいることを了承し合っていました。
互いの心を縛らないのが、ふたりの間のたったひとつのルールなのだそうです。

 

どうしてポリアモリーを選んだのか その意外な答えとは

 

大学の頃から、

「誰かひとりだけと付き合うなんてもったいないと思うの」

と言っていたTですから、Tがそのような生き方を選んだことは自然なことのにも思えます。

彼女はポリアモリーとしての今の生き方を選んだ理由について、こんなことを言いました。

 

「独占欲の強い男は嫌い。他の人ともデートをしたりお泊まりをしたりすることを、どうしても許してくれなかった男と同棲したこともあったけど、長続きしなかった。」

「でも、好きだから一緒に住んでたんだろ?」

「確かに好きだったけど、人の心まで縛りつけようとするのは身勝手じゃない?だから嫌な気持ちになって、別れた」

「一人の男に縛られるのは苦手ってこと?」

「わたしにとって”彼氏ひとりだけと愛し合う生活”は、人生の半分以上を捨てるようなものなの。」

そう言って一呼吸。少し間をあけてから、彼女は呟くように言いました。

 

「だから、誰かひとりだけを好きでいるのが良いことだなんて、嘘だよ」

 

ポリアモリーの彼女が、恋愛に求めること

 

そんな自分の価値観に気がついたTが最初にしたことは、

「真っ当で常識的な大人」

を装うのをやめることだったそうです。

 

真っ当な大人は好きな人を何人も求めたりはしない。

常識的な大人は好きな人がいるのに、他の人と身体の関係を持ちたいだなんて思わない…

幼い頃からのそういった刷り込みを、Tは自らの意思で全て捨てることにしたのだそうです。

常識的で通俗的な価値観について、Tはずっと息苦しく感じていたのでしょう。

 

Tは素直な気持ちでもう一度、自分自身のことについて考えた結果、自分が恋愛に求めている価値観が以下の3つであることに気がついたそうです。

 

・気持ち良いこと

・刺激や新しい気付きを得られること

・安心できること

 

「私は恋愛から、この3つを満足に得ることが大切なの。だから相手は1人より2人、2人より3人の方が良いって気づいたの。」

「なるほど、合理的だね。」

「だから、わたしはポリアモリーとして生きることにした。他の人がどう批判しようが関係ない。それはわたしの人生にとってはどうでもいいことなんだって、今は割り切れるようになったんだ。」

 

彼女の生き方から何を学ぶべきか

 

常識的な倫理観から外れたポリアモリーは、ともすれば「理解できない」と眉を潜めるような人もいるかもしれません。

ですが、そのような常識はただ、人の心を理解や管理のしやすい範疇に閉じ込めるだけで、実際には何も生みません。

常識の外に出て新しい価値観にダイブすれば、必ずや新たな発見や出会い、そして驚きを得られます。

 

もしあなたが、今の自分の毎日の中に何か違和感があるように感じているのなら、ポリアモリーかも知れません。

新しい形の愛情関係を考えても良いのではないでしょうか。

 

 


ライター名:sig_Right

プロフィール:元パティシエのITエンジニア。

文筆業が好きで、仕事の合間にライターとして各所で記事を寄稿しています。

得意な焼き菓子はシフォン。