メンズコーデのプロに頼んで、人生の局面を打破した元同僚の話

一時期同じ職場でパティシエとして働いていた私の同僚は、移籍した有名店での強烈なプレッシャーのかかる仕事を、メンズコーデのプロに頼んで服装をおしゃれに変えてもらうことで乗り越えました。


見た目が変われば心のあり様も変えることができる。
今回は、そんな体験をした元同僚の話を紹介します。

容姿に無頓着だった過去の同僚。容姿を気にするのはダサいと思っていた

パティシエ時代、同僚に自分の容姿に頓着しない人物がいました。


通勤はボロボロのジーパンと安物のサンダル、コックコートには汚れが目立ち、髪には寝癖がついている。彼はそのような人物でありながら、しかし腕は確かなパティシエでした。


少々雑なところはあるものの、スポンジ生地の状態を見極める確かな目と、泡を殺さない手際良い作業。角がきれいに立ったナッペと、躍動感ある生仕上げ。
そういった総合的な能力で、彼はライバルたちに実力の差を見せつけていました。


『容姿を気にするなんて、自分に自信のないやつがすることだよ。それってダサくないか』


自分の見た目について気にしない彼は、容姿を整えることについてこのような持論をもっていました。

修行のために他県の有名店へ移籍した元同僚。久しぶりに再会すると、ファッションにこだわる格好良い男になっていた

見た目に頓着しないが腕は確かな同僚。
彼は、自分のケーキ作りの腕を高めるためにあるとき他県の有名店に移籍しました。


移籍してからしばらくは、彼とは会う機会がありませんでした。
風の噂では、同僚同士の競争が激しい有名店で、まわりに負けずに切磋琢磨してるとのことでしたが、なかなか本人と再会する機会はありませんでした。


ようやく再会したのは、彼が移籍してから半年後のことでした。


再開して驚いたのは、彼の容姿です。
もともと『容姿を気にするなんてダサい』と自分の服装に無頓着だったはずの彼が、なんと再会すると、服装をカッコよく決めた『仕事もプライベートも出来そうな男』になっていたのです。


どうして見た目に気を使うようになったのかを問うと、彼はこう答えました。


『職場でのプレッシャーが高くてさ、自分のパフォーマンスを最大限に発揮するには、何かで武装しないといけなかったんだ』

弱肉強食の世界。間違いが許されないプレッシャーのかかる環境で、精神的な武装を必要とした元同僚

彼が以前所属していたケーキ屋は、同僚間の仲が良く、互いを助け合ったり、弱点を補い合うことができる職場でした。


つまり、仕事中のプレッシャーはそこまで大きくない職場です。
もちろん常に一定の緊張感はあります。


しかしその緊張感は、各々の腕の研鑽のためであったり、目の前のケーキや焼き菓子への情熱から来るものです。


しかし彼が移籍した有名店は別でした。
実力の高い有名店ではありがちなことですが、日々の仕事の奪い合いが壮絶なレベルで行われていたのです。

熾烈な仕事の奪い合い。協調や協力ではなく、必要なのは有無を言わさず仕事を奪い取る姿勢

職人系の仕事では多くの場合『仕事は奪うもの』と教わります。
先輩の仕事を見て、技を盗み、そして仕事を奪う。


ですがそう教わりはするものの、実際に縄張り争いのような仕事の奪い合いが発生している職場はそうありません。


特に有名なわけでもない一般的なケーキ屋の多くでは、奪い合うどころか、人手不足で猫の手でも借りたい状況が続いています。


そういう人手不足の職場では、誰かの仕事を本気で奪い取ろうと思わずとも、ある程度の仕事であれば簡単にありつくことができます。
むしろ、職場によっては先輩の方から積極的に仕事を教えてくるほどです。


ですが、元同僚が移籍した県外の有名店では、文字通りの『仕事の奪い合い』が発生していたのです。


その店で働きたいというパティシエは吐いて捨てるほどいて、多少ついてこれなかった人や、競争に負けた人が辞めても全く問題の無い環境です。


その環境の中で、自分の腕の研鑽のため、あるいは限られたポストの獲得のために、他人を蹴落としてでも『自分の仕事』を手に入れようと必死になっているパティシエが大量にいたのでした。


壮絶な競争は職場内での人間関係の悪化を招き、職場内での同僚同士の協調や協力の姿勢は欠片もなかったそうです。


必要なのは、有無を言わさず仕事を奪い取る姿勢。まわりの敵たちに文句を言わせない完璧な仕事。そして、シェフパティシエに認められる研鑽された製菓の腕。


間違いは許されない環境でした。一度の間違いが、自分の仕事を失わせます。そんな高いプレッシャーのかかる仕事の中で、元同僚は精神的な武装を必要としたのでした。

完璧な武装のために、メンズコーデのプロに依頼して容姿を別人に変えてもらった

完璧な武装のために、元同僚がとった戦略は『その道のプロに、まず自分の見た目を徹底的に変えてもらうこと』でした。


もともと『見た目を気にするなんてダサい』『自信のないやつがやることだよ』という考えの同僚でしたが、このときばかりは逆に、見た目を気にして自分を最大限のパフォーマンスを出せるように仕上げようとしたのでした。


『自信のなさを見た目でカバーするなんてダサいけど、自信のなさをなにもカバーしないまま、仕事場の空気に圧されてパフォーマンスを発揮できないだなんて、もっとダサいだろ』


元同僚はそう言いました。


どうせやるなら徹底的にやった方がいい。
そういった考えから、元同僚はメンズコーデのプロに、自分の服装をすべて変えてもらうよう依頼したのだそうです。


明らかに服装に興味がなかった人間の見た目だった元同僚でしたが、プロに依頼してその見た目は大きく変わりました。


どういった服装が自分のシルエットに合うのか、元同僚は徹底的に叩き込まれました。


もともとよく着ていた少し緩めのジーパンは自分には合わないと捨てて、代わりに彼の細身のシルエットによく似合う、適度にすらっとしたアンクルパンツを選ぶようになりました。


また、Yラインのシルエットをつくるために上半身は少し緩い服を着ます。
膨張色のカラーをつかって、細身のスタイルでも上半身に少し余裕があるように見せます。


元同僚はほかにもさまざまなパターンのコーディネイトを出来るよう、服を増やし、毎日のおしゃれを楽しんで暮らせるようにしたのです。


その結果、もともと服装に興味のなかったはずの彼の見た目は見違えるように変わりました。


彼は、服装を気にするようになってからの変化についてこう話します。


『朝の時間に、ただ忙しく準備をして出かけるのではなくて、今日その日の自分の容姿のために一息置いた時間をつくれると、仕事場でちゃんと臨戦態勢に入れるんだよ』


『服装を考えてるうちに、意識がしっかりと研ぎ澄まされていくんだ。仕事場に着いても、今自分がなにをやるべきか、どう振る舞うべきかが自ずと分かるようになる』


見た目を整えることで、自分の内面まで整えることができる。
彼は服装をメンズコーデのプロに依頼して変えてもらうことで、仕事中のプレッシャーを跳ね除けたのでした。

見た目が変わり、中身も変わった

また、おしゃれな服装で見た目を変えることについて、彼はこういうことも話しました。


『見た目を変えて、気持ちを変える。こういう心の武装を毎日続けていると、ただ心の表面の気持ちだけじゃなくて、もっと心の奥深く、自身の性格や価値観にまで影響してくるんだ』


『性格が変わって、仕事の仕方まで変わった』と彼はいいます。


彼のパティシエとしての仕事は、以前は少し雑なところが散見されていました。


全体的に腕はいいのですが、生クリームの絞りのほんのわずかな先っぽでの表現に、やや繊細さの欠けが見られたり、生地の状態の見極めにわずかな妥協が混じったりしていました。


しかし、自分のスタイルにあったおしゃれな服装を選ぶようになってから、彼の性格に『手を抜かない丁寧さ』があらわれ始めました。


彼は仕事でも、自分のわずかに雑になってしまっているポイントに、自分で目がつくようになったと言います。


服装をすみずみまで意識するのと同様に、仕事でも妥協をしない。
そして、窓越しの客を魅せるように美しく、自信をもって完璧な仕事をする。


その振る舞いで、彼は競争の激しい仕事場でも自分の仕事を誰にも奪わせませんでした。


誰もが文句をつけられない仕事をすれば、誰も自分の仕事を奪うことはできない。
彼は、文句のつけられない完璧なコーディネイトを心がけることで、仕事においても完璧なレベルを維持できるようになったのです。

まとめ

競争の激しい有名店への移籍。
新しい仕事場での強烈なプレッシャーを、彼は自分の服装をメンズコーデのプロに頼んで変えてもらうことで、跳ね除けることに成功しました。


見た目の変化は自分の心のあり様を変え、ひいては自分の性格や内面まで変えることもあります。


もしあなたが何らかの壁を乗り越えたいときや、新たな目標に出会ってしまったときも、見た目や服装を変えるところから自己変革にアプローチしてみてはいかがでしょうか。

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ライター名:sig_Right

プロフィール:元パティシエのITエンジニア。文筆業が好きで、仕事の合間にライターとして各所で記事を寄稿しています。得意な焼き菓子はシフォン。

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash