公務員は上手な生き方なのか?全角と半角を間違えたから土下座をさせられた贈賄事件の証人

公務員は一生安定した仕事という印象があります。
生き方が上手い人ほど、公務員の優れた安定性に早くから気付き、公務員になっているのかもしれません。


ですが、一部の公務員ではその考えは通用しなかったようです。
北海道の東にある市役所で行われた、鹿の罠に関する収賄事件と暴行の裁判を傍聴しました。
その被告による暴力と、暴力の被害者である証人の発言から、凄惨な公務員の内状が発覚したのです。


やはり、公務員といえど人間関係からは逃げられません。
そして、公務員独特の、不明瞭な予算会計が賄賂の温床になってしまいます。


賄賂事件という不正に巻き込まれつつも、命の危険まで感じた証人。
その証人による言葉に感銘を受けた裁判です。

ミスをするたびに別室に連れていかれ暴行された証人

北海道の東、道東地区ではエゾシカの農作物被害が深刻です。
毎年、その対策として予算が組まれており、市役所の職員と猟友会による駆除が行われています。


とある市役所では、その仕事は長い期間1人に任されてきました。
それが今回の裁判の被告です。
被告はパチンコ店などを経て市役所に入った民間上がりの男でした。


被告人席に座る横顔からも、押しの強そうな印象です。体格はゴツく、顔も怖ろしいです。
さらに、自身もハンターのライセンスを所有し、猟銃とスノーモービルでエゾシカを駆除してきたとのことです。


エゾシカの駆除には、猟友会の協力が必要不可欠でした。
そのパイプ役として、被告は適任でした。
趣味としてハンティングを楽しみ、札幌の銃砲店とも親しい被告、ですが仕事を後任に任せてしまいます。


被告は「こうゆう仕事は若いのがやるものだ」と仕事を押し付けました。
押し付けられたのが、まだ20代前半の証人Aです。
ハンターのライセンスどころか、エゾシカの駆除など、なにも知りませんでした。


当然、仕事で分からないことがあれば被告に聞くことになります。
ですが、被告は証人Aの質問に対して「自分で考えろ!」「去年のを見ろ!」「死ね!」などの恫喝です。
被告にしかわからない仕事ですので、何をするにしても恫喝や暴力を受ける状態になりました。


「半角と全角を間違えただけで30分恫喝された」と証人は語ります。
この裁判では収賄と同時に暴行の罪名がついています。
その被害者でもあるのが証人Aです。


暴行はひどいときには、2~3日に1度、別室にて行われました。
被告は証人Aに対して「謝るとは土下座をすることだ」と何度も土下座を強要されます。
証人Aは市役所内のしかるべきところに相談しましたが、効果はあまりなかったようです。


そして、命の危険を感じることが起こりました。
ヒグマの出没地帯に置き去りにされたのです。
その発端になったのが被告による収賄疑惑です。

熊の餌にするぞ!と脅され賄賂の予算を通される

そもそも、エゾシカを罠で駆除するという方法は「国から予算が降りるからやろう!」と被告人の上司が言い出したことです。
被告人は当初、罠は手間がかかるから銃による駆除を提唱していたほどでした。


それでも「予算が下りるから使わないとペナルティになる」と上司の意見。
お金があるから使わなければならない。
公務員による不自然なお金の流れが見受けられます。


その不明瞭な予算に被告人は目を付けたのです。
被告人は業者と結託し、駆除の予算から賄賂を請求します。
その予算を通すのは証人Bでした。証人Bは被告の暴力を怖れ、予算を通してしまいます。


そもそも、証人Bに対して予算を通す仕事も、本来なら証人Aが担当するべき仕事です。
しかし、実際は被告人が全権を握っていた状態でした。


裁判では市役所の予算の通し方について、裁判官から質問が相次ぎました。
結局、あいまいな予算と決算システムにより、収賄の書類上の決定的な証拠はなかったようです。


例えば、本来ならば競売にするべきところを、指名入札という形で省略してしまったりなどです。
被告人は自分の言うことを聞く業者に入札させようと強引に仕事を進めました。


証人Aの証言では「3社競合の形を取らなければいけないから、他の2社には『形だけ参加してくれ』とお願いするように被告から言われました」とのことです。
業者にとっては意味不明なお願いです。ゴリ押ししなければ、被告人の使いたい店が入札できないのでしょう。


証人Aは自分の仕事に疑問を抱きながらも、怖ろしい上司の命令を実行します。
業者に入札には名前だけ参加してもらったこの指名競争入札。
後で被告人の上司とのやり取りで「やっぱり(ちゃんとした)入札にしてくれ」などと揉めたようです。


被告人は自分の息のかかった店でやらせないと、全て無駄になってしまうと感じたのでしょう。


そこに、先述した「全角と半角を間違えた」証人Aのミスです。
このミスに対する暴行で、証人Aは夜に車で連れ出され、殴られ「お前なんていつでも消せるんだぞ!熊の餌にしてやろうか?」と言われヒグマの出没地帯に置き去りにされます。


この時、証人Aは命の危険を感じていたのでICレコーダーを持っていました。
友人にも「帰ってこなかったら死んだと思ってくれ」と言い残しています。
これが証拠となって、被告人の収賄疑惑が明るみになったのでした。

あれは賄賂です!と被告人の前で証言する

さんざん暴行を受け、一時は殺されると感じた証人A。
彼は証言台に立ち「あれは賄賂です!」と証言しました。
そのすぐ横には、被告人が座っています。


検事が「あなたの証言は、あなた自身の罪を認めることになりますよ」と言いました


証人Aは「私は自分の犯してしまった不正を後悔し、処分を受けるつもりです。
ですが、被告に正しい処分が下されることを期待しています」ときっぱり言いました。


証人Aは公務員になって、安泰どころかひどい暴行を受けています。
不正な入札を業者にお願いする仕事までやらされてしまいました。
被告と働いていた時期は地獄だったでしょう。


そして、被告の不正を証言するということは、仕返しを受ける可能性も考えたはずです。
この裁判で被告の有罪は確定しましたが(懲役3年)5年の執行猶予がついているのです。


街でばったり出くわしたり、いやがらせを受けることだって考えられます。
そのことを考えると証人Aの勇気に感動しました。

まとめ:暴力に対する勇気

証人Aの勇気に感動した裁判でした。
事件の後、証人Aはハンターのライセンスを取得し、被告人頼りだった猟友会とのパイプ役をつとめています。


証人Aは、賄賂の協力をせざるをえない状況だったと思います。
被告人の暴力を考えれば、責めることはできません。
自分の加わった不正を認め、仕返しを恐れずに証言するのは大変だったでしょう。


仕事でやらなければいけない不正、それに対して反抗できる人はあまりいません。
ですが、証人Aのようにどこかで勇気を振り絞れば、プライドを取り戻すことが出来ます。


公務員に限らず、それはどんな場所でもありうることでしょう。
いつか勇気をもって立ち上がり、声を出して反抗する気持ち。
それを心に秘めたまま生きていくのが上手な生き方と言えるかもしれません。

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野澤 知克
プロフィール:自営業(飲食店)を営みながら、ふとしたきっかけで裁判傍聴にハマった傍聴ライター。現在は専業ライターとして、裁判所に通う毎日。事件を通して人間の「生き方」と向き合ってます。

Photo by Aarón Blanco Tejedor on Unsplash