非モテ男性にはライトオタク女子がおすすめです

「非モテ男性にはライトオタク女子がおすすめです」のツイートが炎上した

 年末年始に私のツイッターアカウントが炎上しました。以下のツイートが発端です。

このツイートに対して批判的な意見がたくさん寄せられました。
炎上の考察については最後にとりあげます。


まずは「非モテ男性にはライトオタク女子がおすすめです」という提案を導き出した経緯について説明していきたいと思います。

男性において「非モテ」は特殊な人たちではない

近年、男性において「非モテ」とは特殊な人たちではありません。


総務省「国勢調査」(注1)では2015年の男性35~39歳の未婚率は35.0%と3割を超えています。
20年前の1995年の22.7%と比べて12.3pt高く、2015年の女性23.9%と比べても11.1pt高いです。


また、国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査・独身者調査」(注2)では2015年の未婚男性18〜34歳の「交際している異性はいない」の比率は69.8%。18年前の1997年の49.8%と比べて20.0pt高く、2015年の女性59.1%と比べても10.7pt高いです。


女性と関わることがない男性が多くなっています。


さらに、男性の場合、自分から能動的に動かなければ女性から告白されないという非モテ特性があります。


筆者が企画し調査会社に外注した「20代男女の恋愛に関するインターネット調査」(2019年8月)(注3)では男性20代の「過去告白された回数」が「0回」の比率は51.5%。
女性20代25.0%の約2倍です。


女性だと20代までに能動的に動かなくても7割以上告白されるのに対して、男性だと半数以上が誰からも告白されません。

女性の「高望み」によって増加する「経済的非モテ男性」

男性のモテは経済力が大きく関わっています。


総務省「就業構造基本調査」(2017年)(注4)では男性30代(有業者)の平均年収は既婚者(総数から未婚を引いた値で代用)487万円、未婚者351万円と136万円もの開きがあります。
これは女性が経済力を重視して男性を選ぶためです。


そして、女性が男性に求める経済力の要求水準は非常に高いです。


筆者が企画した「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)(注5)では未婚女性20~34歳が結婚相手に望む年収は526万円(平均値)でした。


それに対して、実際の未婚男性25~34歳(有業者)の平均年収は326万円です(注4)。
希望と現実に200万円ものギャップがあるのです。


また女性の希望年収である500万円以上を満たす未婚男性25~34歳(有業者)はたった10.7%しかいません(注4)。


以上をふまえると、近年、非モテ男性が増加している背景には、女性の経済的な高望みがあると考えられます。

非モテ男性はマッチしやすい女性を探すしかなくなった

以上のような厳しい状況をふまえると、非モテ男性はやみくもに努力するだけでは結果が出ないのではないでしょうか。
女性に選ばれる確率を高めるための戦略的志向が求められています。


女性に選ばれる確率を高めるためには「自分の魅力をアップする」「アタック回数を増やす」「マッチしやすい相手を選ぶ」の3要素を変動させる必要があります。


女性がかなり高望みをしている状況ですので、自分の魅力を上げたり、アタックをする回数を増やすだけでは限界があります。
そこで非モテ男性の特徴にマッチしやすい女性を選ぶターゲット戦略の重要性が増しています。


筆者は、このような問題意識のもと、非モテ男性がマッチしやすい女性はどのような人なのか、を明らかにするために「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)を実施しました。


「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」の概要
調査手法:インターネット調査
調査期間:2019年12月20日(金)~2019年12月23日(月)
調査対象:日本全国の20~34歳の未婚女性
標本サイズ:1,000
調査実施:株式会社クロス・マーケティング
割付  :「国勢調査」(2015年)の未婚女性5歳刻み人口構成比

女性の男性に対する要求水準の高さを測定する

非モテ男性がマッチしやすい女性を明らかにするためには、女性の男性に対する要求水準の高さを測定する指標が必要になります。
「非モテ男性がマッチしやすい女性」とは「男性に対する要求水準の低い女性」だと考えるからです。


まずは、因子分析という手法で「交際相手の選択で重視すること」の20項目の背景に存在する因子を抽出しました。3つの因子を抽出することができました。


因子Ⅰは「自然体で接してくれる」「価値観があう」「温厚ですぐに怒らない」「私の気持ちに寄り添って話をきいてくれる」などの項目と関連が強い「やさしさ因子」


因子Ⅱは「ファッションセンスがよい」「明るい性格である」「デートや会話でリードしてくれる」「話がおもしろい」などの項目と関連が強い「モテメン因子」


因子Ⅲは「学歴が高い」「知性が感じられる」「育ちの良さが感じられる」「経済力がある」などの項目と関連が強い「ハイスペ因子」


と名前をつけました。

すもも「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)
・対象:日本全国の20~34歳の未婚女性1,000名(5歳刻み人口構成比割付)
・実施:株式会社クロス・マーケティング


因子分析をすると「因子得点」という数値が各回答者に割り当てられます。
その因子と関連の強い質問項目に「重視する」と回答すればするほど、その因子の因子得点が高まります。


因子得点は平均値が0で、プラスだと平均より高く、マイナスだと平均より低く、その因子の傾向をもっていることになります。


今回は、女性の男性への要求水準の高さを測定することが目的ですので、因子Ⅱ「モテメン因子」、因子Ⅲ「ハイスペ因子」の2つの因子得点を採用しました。


因子Ⅰ「やさしさ因子」の内容は女性の要求水準の高さというよりも、信頼関係の基本だと考えたためです。

女性の男性に対する要求水準の高さ(モテメン因子、ハイスペ因子)によるポジショニング

「非モテ男性がマッチしやすい女性はどのような人なのか」を明らかにするために、未婚女性20~34歳を、居住地、個人年収、学歴などにとって、多数のセグメントに分け、「モテメン因子」の因子得点(横軸)と「ハイスペ因子」の因子得点(縦軸)で散布図にしました。

すもも「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)
・対象:日本全国の20~34歳の未婚女性1,000名(5歳刻み人口構成比割付)
・実施:株式会社クロス・マーケティング


右上(第一象限)は「モテメン因子」「ハイスペ因子」の両方が平均値より高い領域です。
該当する未婚女性のセグメントは「個人年収400万円」「おしゃれ系の趣味」「モテ系のファッション」などです。
モテ要素もハイスペ要素も求められますので、対応できるのは、ごく一部の優れた男性でしょう。


右下(第二象限)は「モテメン因子」が平均値より高く「ハイスペ因子」が平均値より低い領域です。
該当する未婚女性のセグメントは「サービス業(接客・給仕)」「保育士」「看護師」などです。
ハイスペ要素は求められないですが、モテ要素は求められますので、年収や知性がなくても、明るく社交的に振る舞える男性に向いているでしょう。


左下(第三象限)は「モテメン因子」「ハイスペ因子」の両方が平均値より低い領域です。
該当する未婚女性のセグメントは「北海道」「九州」「個人年収100万円台」「オタク系の趣味」などです。
モテ要素もハイスペ要素も求められませんので、非モテ男性のマッチングが期待できます。


左上(第四象限)は「モテメン因子」が平均値より低く「ハイスペ因子」が平均値より高い領域です。
該当する未婚女性のセグメントは「勉強が趣味」「芸術が趣味」「学歴が大学・大学院」「東京都」などです。
モテ要素は求められないですが、ハイスペ要素は求められますので、年収や知性はあるけれど、女性と話すのが苦手な男性に向いているでしょう。

非モテ男性に最もおすすめなのは地方の女性

さて、非モテ男性がマッチしやすい女性は左下(第三象限)に位置するセグメントの女性だということが明らかになりました。


しかし詳細に分析した結果、この領域は「恋愛回避因子」が高いセグメントを多く含んでいることが分かりました。


「恋愛回避因子」とは「恋愛するのは面倒くさいと思う」「性的なことに対して「楽しくない」というイメージがある」「異性のことが薄っすらと嫌いである」などの項目と関連が強い因子です。


そこで「恋愛回避因子」が高い層とそうではない層を分離するために、「モテメン因子」「ハイスペ因子」に「恋愛回避因子」を加えてクラスター分析という手法で、セグメントを分類しました。

すもも「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)
・対象:日本全国の20~34歳の未婚女性1,000名(5歳刻み人口構成比割付)
・実施:株式会社クロス・マーケティング


その結果、「モテメン因子」「ハイスペ因子」が低い群は、「ライトオタク女子群」「ガチオタ女子群」「田舎娘群」「地方平凡群」の4つにまとめられました。


この4つの群の中で「恋愛回避因子」が高くない群は「田舎娘群」「地方平凡群」でした。
非モテ男性に最もおすすめなのは地方の女性だということです。


*地方も多様であり、男性未婚率の差がある点には注意が必要です。
総合的にみると九州(特に福岡県)が非モテ男性におすすめであるという点は「女性高望み時代における男性の婚活戦略(2019年11月15日)」でも書きました。

都市部の非モテ男性にとっておすすめなのは、ライトオタク女子群

「地方の女性がおすすめ」と言われても、都会に住んでいる人にとっては、生活の拠点を変えることが難しい人も少なくないでしょう。


そのような人は、「ライトオタク女子群」「ガチオタ女子群」のどちらかを選択することになります。


「ガチオタ女子群」は「恋愛回避因子」が飛びぬけて高いため、非モテ男性にとってはハードルが高すぎます。そこで「ライトオタク女子群」がおすすめとなります。

ライトオタク女子へのアプローチ方法

では、「恋愛回避因子」がやや高い「ライトオタク女子群」に対してどのようにアプローチをすればいいでしょうか。


「ライトオタク女子群」について、アプローチのヒントになりそうな質問項目をクロス集計してみました。

すもも「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)
・対象:日本全国の20~34歳の未婚女性1,000名(5歳刻み人口構成比割付)
・実施:株式会社クロス・マーケティング


「ライトオタク女子群」の中でもとくに「ライトオタク」セグメントにおいてアプローチの手がかりが多く見つかりました。


「ライトオタク」セグメントとは、最近の趣味の回答パターンにおいて「マンガ/アニメ/ゲーム」「インターネット」などのオタク系の趣味の回答率の高さに加えて「カフェ巡り」「グルメ」「映画」「カメラ」「美容」などの非オタク系の趣味の回答率も高い傾向があるセグメントのことです(クラスター分析により抽出しました)。


「ライトオタク」セグメントは、全体と比べて「自分が他人からどのように思われているのか、とても気になる」という脆弱性があり男性には「温厚ですぐに怒らない」という優しさを求める傾向があります。


また、恋愛回避因子はやや高いものの「異性との関わりについて満たされていない」という恋愛への欲求自体はあります。


また、「恋愛感情は友情から徐々に育つほうだ」「(交際相手選択重視)趣味が合う」が高いことから、共通の趣味によって親密化のきっかけをつくり、徐々に友情から恋愛関係に発展させていくようなアプローチが有効なのではないでしょうか。


以上が「非モテ男性にはライトオタク女子がおすすめ」という提案を導き出した経緯についての説明でした。

「非モテ男性にはライトオタク女子がおすすめ」ツイートはなぜ炎上したか

このような客観的な分析によって「非モテ男性にはライトオタク女子がおすすめ」という提案を導き出したのですが、炎上してしまいました。


まったく予期しない炎上でしたし、長期かつ広範に炎上していましたので驚きました。
このような意外な炎上が生じた理由は「非モテ男性」がネガティブなイメージを持たれているからだと考えます。以下、説明します。


批判のパターンには大きく2種類ありました。


①女性をカテゴライズして傾向で語ることに対する批判
(「数字で人を見るな」「女性を商品(モノ)扱いするな」など)
②非モテ男性が女性に加害することを危惧しての批判
(「ストーカー煽動だ」「犯罪教唆だ」「”あぶれオス”をけしかけるな」など)


①に関しては、恋愛について、カテゴライズして語る記事(例えば「マザコン男性を見分ける〇つのポイント」のような記事)は世の中にあふれていますので、私のツイートにかぎってピックアップされてしまうのは「非モテ男性」という言葉くらいしか原因が見当たりませんし、②にいたっては非モテ男性のアプローチ自体を加害的に認識しており、非モテ男性への偏見が垣間見えます。


前述したように、今の時代において「非モテ男性」は特殊な人たちではありません。
多くの非モテ男性は時代の要因(年収の減少、出会いの場所の減少など)によって恋愛機会が得られない普通の人たちです。


私の提案は、女性がかなり高望みしている厳しい状況の中で、非モテ男性が女性に選ばれる確率を高めるための戦略なのです。
炎上に加担した人たちに伝えたいことは、「これ以上非モテ男性に辛い思いをさせていいのでしょうか」ということです。


(注1)未婚率
総務省「国勢調査」(2015年)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200521&tstat=000001011777&cycle=0&tclass1=000001011778&stat_infid=000001085974&cycle_facet=cycle
(「e-Stat:政府統計の総合窓口」HP)


(注2)「交際している異性はいない」比率
国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査・独身者調査」
(2015年)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450431&tstat=000001105115&cycle=0&tclass1=000001105117&stat_infid=000031611142&result_page=1
(1997年)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450431&tstat=000001037969&cycle=0&tclass1=000001037972&stat_infid=000007739618&result_page=1
(「e-Stat:政府統計の総合窓口」HP)


(注3)すもも「20代男女の恋愛に関するインターネット調査」(2019年8月)
・対象:日本全国の20~29歳の男女(男性20~29歳200名、女性20~29歳200名)
・実施:株式会社クロス・マーケティング


(注4)男性の年齢別・配偶関係別の年収(男性30代の未婚有無別の年収、未婚男性25~34歳の年収)
総務省「就業構造基本調査」(2017年)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200532&tstat=000001107875&cycle=0&tclass1=000001107879&tclass2=000001107880&stat_infid=000031729715
(「e-Stat:政府統計の総合窓口」HP)


(注5)未婚女性20~34歳の結婚相手に望む年収
すもも「未婚女性の恋愛に関するインターネット調査」(2019年12月)
・対象:日本全国の20~34歳の未婚女性1,000名(5歳刻み人口構成比割付)
・実施:株式会社クロス・マーケティング.

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すもも
データ分析を活用した男女論をインターネットで発信しています。
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