「昔は、俺、すごかったんだぜ」
上司や社長から、そんな自慢話をされたことは無いでしょうか。
それが面白くて、関心できる話なら良い経験になりますが、残念なことに武勇伝は、つまらないケースがほとんどです。
この、暴行と道路交通法違反の裁判の被告がまさにそのようなタイプでした。
仕事への情熱が行き過ぎてしまい、後輩への指導が法律に触れてしまったのです。
そのことを法廷で語りましたが裁判長にまで
「くどかったんでしょ」
と言われてしまいます。
そんなくどい先輩こと被告の生き方を反面教師にして、仕事に役立ててみて下さい。
道路交通法違反を犯してまで後輩に伝えたかったこととは
道路交通法違反の裁判を傍聴しました。
被告は40歳ぐらいの男性です。
気になるのは「暴行」という罪名もセットになっていることでした。
何をやってしまったのでしょうか。
傍聴席に座り、裁判を傍聴していくと、だんだん内容が理解できます。
被告は派遣会社で働き、その後輩に仕事のことで電話していました。
しかし後輩は、食事中の長電話がだんだん嫌になり、電話をガチャ切りしまったのです。
するとそのことに被告が激怒し、車で後輩の家まで押しかけてしまったのでした。

この時被告は酒を飲んでいて、しかも無免許でした。
さらに車は無保険という有り様。
飲酒、無免許、無保険という道路交通法違反を犯してしまった被告。
しかも彼の派遣会社での役回りは、現場に移動する為のドライバー役でした。
被告の道路交通法違反がバレたのは、後輩の母親による被害届です。
電話をガチャ切りされた被告は怒り、飲酒、無免許、無保険の状態で後輩の家に押しかけ、後輩を部屋から引きずり出したのです。
そして殴る蹴るの暴行を加えました。
この理不尽で、あまりに暴力的な被告の行動に、後輩の母親が警察に届け出たのです。
そして被告は逮捕されてしまいました。
当たり前ですが。
語りたくなるのも納得!波乱万丈な被告の人生
被告がこんなにも仕事熱心なのは、彼の波乱万丈な人生が原因かもしれません。
被告の父親は酒飲みで仕事をしていませんでした。
何歳ぐらいの時かはわかりませんが、被告はそんな父親を殺害しています。
そして養護学校を出た後に職業訓練所でスキルを身につけ、自分で運送会社を起業しました。
事業は20年継続したそうなので、かなりの苦労人だったと思います。
「人生の9割はトラックでした」
と被告が証言していたように、仕事づくめの人生だったのでしょう。

しかし被告はその後、無免許で捕まってしまい運送業を辞めてしまいました。
そしてトラックを処分して、派遣会社に登録して働き始めます。
そこで出会ったのが今回の被害者である後輩でした。
被害者である後輩も複雑な家庭環境で育っており、被告はそんな後輩を自分と重ねていました。
自分の様な過ちを犯してはいけないと、熱心に指導していたのでしょう。
「愛のムチだったんです」
と、被告は今回の暴行事件の動機を語っています。
すべては後輩のためを思ってやった行動であり、悪い事をしたとは思っていないと自分の考えを法廷で喋りました。
「くどかったんでしょ」という裁判官の的確過ぎる指摘
ここまで裁判を傍聴していて、被告の壮絶な人生に感動していました。
必死に生きて来た男の生きざまを見せられた気分です。
ちょっと熱血すぎるきらいはありますが、被告からはあふれ出る人情を感じますし、私はこんな人が嫌いではありません。
他人と真正面からぶつかる熱血おじさん。
斜に構えてスマートに交渉するのが美徳ともいえる現代社会では、このような古いタイプは珍しいでしょう。
被害者にとっても、被告は強引にでも正しい道に手を引っ張ってくれる存在と言えるかもしれません。
しかし被告はしゃべりすぎてしまう性格で、何度も裁判官から怒られてしまいます。
犯行動機を語る被告はいちいち
「父親を殺してしまった私のようには・・・」
と自分の事を語るのですが、裁判長は
「そんなこと聞いてないから」
とバッサリ切り落としました。
裁判官「っていうかさあ、くどかったんじゃない?あなたの話」

すごい展開だ!と私は興奮しました。
法廷で裁判官が「くどい」と被告をばっさり切り落とすのは、かなり珍しい光景です。
この言葉には、被告の情熱あふれる生き方に感動していた私も目が覚めました。
確かに、被告の人生は壮絶で、若い人には無い経験があります。
それは1度聞くなら興味深く、示唆に富んだ有意義な話です。
ですが、毎日のようにこんなテンションで自分語りされたら・・・
誰だってうんざりしてしまうでしょう。
裁判官「パワハラっていうんですよ、それ」
パワハラ!裁判官はたった4文字で被告のやったことを説明してくれました。
確かに、ご飯時に電話をかけてきて、それを切ったから殴りに来るという被告の罪はパワーハラスメントに間違いありません。
本人に自覚は無くても、いや自覚がないからこそ嫌がらせそのものです。
弁護士からは
「被告の前科である窃盗は5年前ですし、これからは車も売るから無免許運転はできません」
と、やる気があるとは思えない弁護がありました。
そもそも、免許を再取得するまえに車を買っており、無免許のまま仕事でドライバーの役割も担っている時点で非常識です。
無免許で車を乗り回す人の人生訓や仕事論に説得力を感じる方が、どうかしてます。
むしろ、そんな人の説教など
「お前が言うな」
と言いたかったでしょう。
被告の人生は確かに波乱万丈で、語りたくもなるのはわかります。
ですが後輩の立場に立って考えてみたら、ちょっとめんどくさい人にすぎません。
「コミュニケーションとはキャッチボール」
そう感じさせてくれる、興味深い裁判でした。
結論:人の話はしっかりと聴こう
人と話をしていて
「あれもしゃべりたい、これもしゃべりたい」
と、感じることがあります。
特にお酒を飲んでいるときなど
「俺の話を聞け!」
と、周りの迷惑を考えずにしゃべってしまうことないでしょうか。
この裁判では父親を殺し、自ら起業し、20年生きて来た男が被告でした。
彼の立場に立ってみれば、若い人についしゃべりたくなることも、武勇伝がたくさんあることも理解はします。
ですが、そこをぐっと我慢することが大切です。
どんなに面白い話でも、相手に聴く気がなければ
「チッ、またなんか言ってるよ・・・」
と思われるのがオチです。
いい年になれば、武勇伝は慎む。
そもそも、自分の人生になど誰も関心がない。
そんな当たり前のことを、オジサン世代は再認識する必要があるのではないでしょうか。
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野澤 知克
プロフィール:自営業(飲食店)を営みながら、ふとしたきっかけで裁判傍聴にハマった傍聴ライター。
現在は専業ライターとして、裁判所に通う毎日。
事件を通して人間の「生き方」と向き合ってます。
Twitter:@hatinoyado
