『恋愛工学の教科書』(総合法令出版)の帯には、
「恋愛工学とは、進化生物学や心理学の研究成果、金融工学のフレームワークを使って、恋愛を科学の域にまで高めたもの。」
と書かれています。
さらに知名度の高いものとしては、
『僕は愛を証明しようと思う。』(藤沢数希著)
という恋愛工学を小説仕立てで紹介した本があります。
恋愛工学は、ものすごく平たく言うと、女性とセックスするための方法論です。
その中のいくつかをご紹介すると、例えばビジネスの交渉術でよく使われている「イエスセット法」。
これはなるべく会話の中で相手に「はい、そうです」と言わせる質問を繰り返し、その場を肯定的な雰囲気にすることで、否定的な言葉を言いづらくする手法です。
だんだん相手は「はい」を繰り返すことに慣れていき、連絡先まで「はい」と教えてくれるという、
「んなアホな」
と言いたくなるテクニックです。
また、相手が興味を惹く話題を匂わせておいて、
「お前に教えるわけないだろ」
「お前は何もわかってない」
などと相手を下に落とす言い方をするのも、若い女ほど効果的だと書かれています。
さらに、恋人のいる女を落としたければ、過去の彼氏の話題をひっぱりだし現在の彼氏への忠誠心を破壊する
「ボーイフレンドクラッシャー」
なる大技を使えとあります。
そして驚くべきは、
「女は好きな男とセックスをするのではなく、セックスした男を好きになってしまうのだ」
という、まともな女なら全員で総ツッコミを入れたくなる
「セックストリガー理論」
が記されていたりします。
恋愛工学は短期的に女と遊ぶには良いツール
確かに恋愛工学はよくできています。
生物学的に見ればオスという性はメスという性に選ばれるために力を誇示すると言われており、競争原理の中で生きている性です。
しかし、恋愛工学ではこの現実を逆のフレームに掛け替えるテクニックを使っています。
俺は女に選んでもらうような立場ではなく、女が競って獲得したくなる稀代のモテ男なのだ、という錯覚を女側にさせることによって、モテスパイラルを作っていくのです。
お高くとまったモデルクラスの女を落としたければ、ディスれ。
という理論も確かにその通りです。
アプローチを受け慣れている美女は、逆に自分に媚びない、むしろ自分を蔑んでくる男性が気になってしまうという現象は、まあなくはないでしょう。
恋愛工学はうまくモテスパイラルにハマれば、短期的に女と遊びまくれる最強のツールだと思います。
しかし、この恋愛工学には落とし穴がありました。これらのテクニックで釣れるのは、自己肯定感が低くなっている女かメンヘラな女が多いという事実です。
そもそも精神の安定した余裕のあるモテ女は、ディスってくる男など相手にしません。
失礼な人だなーとか、なんかヤバい人だな…と感じますので、距離を取ります。
ディスられることで自分より相手が上だと感じてしまうような女は、どこかしら病み要素を抱えていますので、そういう相手とばかり関わっていると男側も巻き込まれていくのは自然の流れです。
恋愛工学は、女性の年齢や外見や職業などのスペックだけ見て女性をランク付けしていて、女性のメンタル面は一切考慮していないのです。
コンプレックスと女への復讐心から恋愛工学を学んだ同僚のK
私の職場の同僚で飲み仲間だったKは、そんな恋愛工学に手を出してしまいました。
ある時、カバンの中からチラッと恋愛工学の本が見えてしまったのです。
Kは、ドランクドラゴンの塚地さんをスマートにしたようなとても穏やかで誠実に見える人だったので、ちょっと驚きました。
恋愛工学を知って、Kはだんだん変わっていきました。
なんだか昔の業界人のようなノリになり、女と遊び慣れている余裕を醸し出すようになったのです。
昔のように飲みに誘うと、
「お前も俺にゾッコンか」
と言わんばかりのスカした表情をして私を苛立たせてきます。
それでも恋愛工学以前のKを知っている私の冷徹な眼が怖いのか、会話の中でしょっちゅう私をディスって、自分の支配下に置こうとしてきます。
同じ釜の飯を食った同僚の私に対しそのような姑息な技を駆使しようとするKに一抹のさみしさを感じた私は、Kがくだらないブログを書いている情報だけゲットして、わずか30分でその場を切り上げたのでした。
Kのブログを見て、私は愕然としました。
○○月○○日に誰々とデートした。
ホテルに行った。
相手のスペックは○○で…、などという気持ち悪い記事を世界に発信しているではありませんか。
コメント欄は、
「僕はCフェーズ(信頼を深める段階)までクリアしました!」
「自分はAフェーズ(相手を魅了する段階)まで行きましたね」
などという腐ったコメントで溢れ返っています。
私が物悲しくなったのは言うまでもありません。
実は職場の最寄りの駅で、Kがいろんな女と待ち合わせをしているのを何度も見かけたことがあったのですが、気になったのは、その女たちの危うさです。
若くて可愛らしい子なのですが、ピンクと黒の服を着ていたりします。
私の偏見かもしれませんが、ピンクと黒の配色の女は大体メンヘラです。
それだけでなく、原宿系のゆめかわいい女子もいました。
ゆめかわいいとは、紫とピンクのカラーを多用する世界観で、これまたメンヘラワールド全開です。
ロングヘアで華奢なアナウンサー風の女性の場合もありましたが、彼女からもどこかヤバい、鋭利な空気を感じました。
彼氏の家の玄関の前で3時間くらい棒立ちしていそうな危うさを感じたのです。
Kは徐々にすさんだオーラになり、雑談で発言する内容もクズそのものになりました。
恋愛工学をやり始めたころは、まだ自信をつけてイキイキしていたのですが、モテればモテるほど、全然楽しそうではなくなりました。
会社でも、Kはプライベートで遊びまくっているらしいという噂が流れ始め、Kのメンタルは不安定になっていきました。
継続した関係がつくれないKのもとに現れたひとりの女性
なぜKがそうなってしまったかを理解するために、私は恋愛工学に関する本をいくつも読みました。
そして、恋愛工学のおそろしさを知ったのです。
「これは、女に対する復讐だ。」
私はそう思いました。
今まで女にさんざん無視され、振り回されてきた仕返しをしたい、女という生き物はコントロールせねばならない、そんなメッセージを感じたのでした。
ボロボロになっているKを呼び出し、また飲みに行きましたが、Kの母親はやはりちょっと変わった人だったようで、安定した母子関係を子供のころ築けなかったようです。
母親は子供(男)が最初に出会う異性であり、その後の異性関係を構築する上でのモデルケースになりますから、奔放で精神不安定な母親への怒りの感情が、付き合う女性に向けられてしまったようでした。
Kが本当に求めていたのは刹那的な快楽や支配的な関係ではなく、安定した信頼関係でした。
少しして、メンヘラガールたちと縁を切ったことをKから聞かされました。
Kは少し落ち着きを取り戻したようでした。そんな頃、Kのもとにひとりの女性が現れました。
ただのイケてる男になったK
Kは、会社に入ってきた派遣社員の女性に一目惚れしてしまいました。
少しポッチャリしていて、メンタルが安定しているように見える太陽のように明るい女性でした。
Kは最初、なかなか彼女に声を掛けられませんでしたが、恋愛工学を駆使してたくさんのメンヘラ女と接してきた経験は無駄ではなく、徐々に打ち解けて、ふたりは付き合うようになりました。
Kはこう言いました。
「次のデートの約束をできることが嬉しい。」
「彼女と一緒の日々を積み重ねることができる事実に喜びを感じる。」
彼女と付き合うようになってから、穏やかになり精神が安定したK。
女性経験が少ないことで自ら抱えていたコンプレックスは消え、本来の物腰の柔らかさとこれまでの反省から態度を変えたKは、恋愛工学に頼らずともいつの間にか
「女性から好感度が高い男性」
の仲間入りをしてしまいました。
興味深いのは、恋愛工学の本には
「価値の高い男だと女に勘違いさせろ」
「模造品を本物と思わせろ」
的な言い回しがいくつか出てくる点です。
これは、
「本当は価値がないけど、そう見せる」
という自己否定に近いことを無意識にしてしまっている証拠ではないでしょうか。
支配するため、相手をディスって女の価値を下げるけれど、知らぬ間に自分をも傷つけている。
なんとも殺伐とした世界です。
女性を自分の支配下に置いておきたい人、女性に復讐したい人には、抜群の効力を発揮する恋愛工学。
しかし、Kのように女性と深い信頼関係を築きたい人には、毒となる可能性も…。
恋愛工学の取り扱いには、ご注意ください。
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画像出典:文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」
佐久間 玲
大学卒業後、多種多様な業界で営業職を経験し、さまざまな商材を扱う。
その後、フリーのライターとなる。