生活保護、いわゆる「生ポ」に対する世間の風当たりはだいぶマシになったとはいえ、まだまだ強い。
本当は働けるのに働けないフリをしている、つまり不正受給の問題を挙げる人もいれば、自己責任論で生ポ批判をする人も少なくない。
それに対し、国が定めた制度であり、それを使うことに何の問題があるのかと擁護する方々もいる。
いずれの立場にせよ、これらの論戦は受給者が社会的弱者であるという前提に立っている。
端的に言えば「かわいそうな人」ということだが、自分はこのスタンスに疑問がある。
というのも筆者の周囲には、あまりにも突出した個性を持っているがゆえにまともな社会生活が送れず、生ポを受給している知人が何人もいるからだ。
それら常人離れした人々は、かわいそうな人どころか自分にとってはある種のヒーロー。
全くの凡人に過ぎない自分にとって、異能の者はたとえどんなジャンルであろうとやはり眩しく見える。
仕事や恋愛など何でも言えることだが、努力では埋めがたい生まれ持った差というものがある。
頭の回転、コミュ力、ビジュアル等々、結局のところ「持ってる奴」には敵わない。
ゆえに何も尖ったものを持たない男は時として、なぜこんな頭にorこんな顔に生まれたか…と、己の運命を呪うわけだ。
そんな経験をお持ちの方に、是非知っていただきたい。
人とは違う何かを備えていればこそ人生ハードモードに陥ってしまう者もいることをーー。
金はないけど愛はある 人生丸ごとモテ期の先輩
異常なまでにモテるせいで困窮し、国に保護される羽目となった先輩がいる。
このお方、ビジュアルではなく男気で女子を落とすタイプで、口説く時はいつでも結婚前提。
たとえ嫁がいようがそのスタイルは変わらない。
60の時に19歳の子を孕ませて、ふた周り年下の相手の父親に挨拶にいってきたなんていうエピソードに事欠かない、天性のジゴロである。
かつては本業で結構な額を稼いでいたものの、結婚と離婚を繰り返すたびに財産をきれいさっぱり相手に渡すものだから、最後は晴れて文無しとなった。
その19歳の子とも1年足らずで破局に至ったが、別れ方が最悪だったせいで子供に会わせてもらえなくなってしまった。
さすがにこれには堪えたのか「しばらく恋愛はしない」と宣言。
それでもオスの本能はおさまらず、たまに臨時収入があった時にはJKリフレに行くらしい。
先輩、あれは本物のJKじゃないですよとアドバイスすると、
「んなこたぁわかってるんだよ!」
と逆ギレ風のお返事をいただいた。
おそらく1年もしないうちに店の子とねんごろになり孕ますことは確実で、これはこれでひとつの才能といえよう。
酒が入った時、先輩から軽く説教をくらったことがある。
「オメーら若い奴がちゃんと恋愛しねえから、俺みたいに仕事もねえ、金もねえ、つるっぱげのハゲオヤジに持ってかれちまうんだよ」
全くもってその通り。でも、誰もがこの先輩みたく女性に積極的になれるわけじゃない。
というかその生き方、できれば真似したくない。
それでも心のどこかで羨ましい気持ちがあるのも事実。
生活保護のお世話になるほど、破滅的にモテまくる人生ーーロクに恋愛をせずおっさんになってしまった自分にとって、やはり先輩の生き様は輝いて見えるのだ。
スピリチュアルを探求しすぎて生ポ受給者となった異能のシャーマン
精神世界を生涯のテーマに据えて、生ポに行き着いた大先輩がいた。
「いた」と過去形で書いたのは、先日亡くなったと人づてに聞いたからだ。
自らシャーマンと名乗るそのお方は、自分の身の回りで「UFOに乗ったことがある」と公言する唯一の人だった。
UFOを信じる、見たことがあると言う者はたまにいるが、乗った人は相当珍しい。
それ、どういうことですか。
詳しく聞くと、なんでもまだ幻覚キノコが合法だった頃、ペースト状にした大量のキノコを直腸から摂取したらしい。
そう書くとまるで変態プレイのようだが、マヤやアステカなど古代メソアメリカ文明で神と繋がるために行われていた神聖な儀式。
嘘だと思うなら「マヤ きのこ 浣腸」でググってみればよい。
浣腸役を任された人が、さすがにこの量はまずいのではと躊躇していると、大先輩は「構わずいってくれ!」と一喝。
ズドンと注入されて、気がついたらUFOに乗っていたとのことだった。
今の言葉で言えばいわゆるスピリチュアル系、しかも限りなくオカルトや『月刊ムー』に近いタイプであり、普通の感覚ではヤバい人にカテゴライズされるのは間違いない。
しかし、この大先輩が大物たるゆえんは、一切お金の匂いがしないことだ。
大先輩いわく、カネが全ての今の世の中は間違っている。
このシステムを自分ひとりで覆すのは難しいけれど、参加しないことでNOと言うーーこういった思考の方が、普通に働けるはずがない。
働いたら負け。
そんな覚悟で生きてきた大先輩だったが、さすがに歳には勝てず、身体を悪くして生活保護を受けることとなった。
いわゆるスピ系の世界には、セミナーをやったり、はたまたメディア露出をしたりと羽振りのいい人が大勢いる。
それらを目にするたびに、亡くなった大先輩のことを思い出す。
世間ずれしたスピ系の有名人と、貧乏、そして自分を貫いて生ポ受給者となった(自称)シャーマン、果たしてどちらが本物か。
本当にUFOに乗ったかどうかはともかく、たとえ世の中が認めなくとも、自分はその先輩こそ精神世界の真髄により迫った者であると確信している。
弱きを助け強きをくじく 限りない優しさを持つ生ポ受給者
困っている人を見ていると、放っておけない。
たとえ、自分がもっと困窮していてもーー。
この方も既に他界したが、生きていたらちょうど定年。
溢れんばかりの才能と優しさを持ち、そこに狂気を兼ね備えたオッサンであった。
生活保護を受ける前、主な収入源は日雇いのバイトだったが、もともとの本業は音響関係である。
業界の誰もが認める腕前を持っているにもかかわらず、筋の通らないことは絶対に認めない性格が災いし、タレント事務所のお偉いさんやプロデューサーを殴るなどたびたびトラブルを起こしてしまう。
そうかと思えば日雇い現場でネットカフェ難民と知り合い、今日の食事代がないなんていう話を聞くと、どうしても放っておけずになけなしの金をノータイムで渡す。
それだけならいい話なのだが、無一文になった瞬間から今後は自分が困るわけで、結局誰かに頼ることになる。
一時期筆者はその人と同じ屋根の下に暮らしており、自分がたかられる立場だったため当時は本当に参った。
たびたび金銭感覚をなんとかしろと小言をいい、時には派手に喧嘩もしたが、本気で怒ったことはない。
なぜなら、人間として器が小さいのは、明らかに自分の方だからだ。
別々に暮らすようになり、のちに生活保護を受けていることは、知人を通して聞いた。
男の面子として知り合いには言いたくなかったのだろうが、むしろこの人については勲章であるとすら思う。
キツい日雇い仕事で稼いだ数千円のお金を、見ず知らずの困っている人に渡して無一文になれる者はそう多くない。
少なくとも自分はその心を生涯持ち得ないだろう。
このような特異な人々を、「生ポwww」と笑うのは簡単だ。
世間的には奇人変人、そんな者に税金を使うなという意見だってあるに違いない。
しかし、筆者はこう思う。
彼らは、自分にはないものを持っている。
それを才能と呼べるかどうかは別として、その他大勢の中に埋もれない強烈な個性を備えているのは確かだ。
幼い頃は根拠のない万能感や、自分だけは特別といった観念を持ちがちなもの。
ところが大人になるにつれ、自分がとりたててどうということもない存在であるという事実を突きつけられる。
それゆえに、才能を持つ者に憧れたり、時には嫉妬したりするわけだ。
筆者は自分がいかにつまらない男か、身に沁みて知っている。
逆に言うと、ごくありふれた人間であればこそ普通の生活を送れていると言うこともできるのだが、そんな自分にとって異能の受給者たちは魅力的に感じられるのだ。
生活保護受給者というのは、ある意味世間が決めた「負のレッテル」。
美人の基準などでも言えることだが、みんながそう思うから自分も…という考え方は、己をもっとつまらなくしてしまう。
そこに囚われることなく、人を見ていただきたい。
そうすることで貴方の目にも、エクストリーム系生活保護受給者の生き様が、輝いて映る…かもしれない。
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【著者】神坂縁
ライター、編集者、翻訳者。
週刊誌記者を経て某中堅出版社に入社。
雑誌の製作に携わっていたが、十数年勤めた会社で内紛が起こったことを機に退職&日本脱出を決意。
現在は国外の通信社に勤務し、アジアの政治・経済に関するライティングを本業としている。