私はかつて、外資系の5つ星ラグジュアリーホテルで働いた経験がある。
ナンバーワンを目指しているだけあり、従業員はプロフェッショナルの集まりだった。
そして、実際に働いてみて気がついたひとつの事実がある。
モテる同僚が多いのだ。
ラグジュアリーホテル勤務といえど、世間一般的に見れば高給取りではない。
つまり女性が重要視する年収やルックスが良いわけでもないのに、モテる人が多い。
それはなぜなのか。
私の同僚たちの3つのエピソードとともに、一流ホテルマンがモテる理由について見ていきたいと思う。
会話で大切なのは、理解するために話を聞くこと
最初に飲食部門に配属された私は、ホテル内のレストランで働いた。
サーバーの仕事は、単に料理をサーブするだけではない。ゲストの経験を高めることが重要だった。そのためにも毎日数十名のゲストと、コミュニケーションを取るのが求められた。
これが大いに私を悩ませた。
初対面の人と会話を盛り上げるほど難しいことはない。
「今日はどこかにお出かけされたのですか」
「銀座でショッピングしたあとに、お腹が空いたので来ました」
「そうでございますか。それでは今日は、たくさん召し上がってくださいね」
会話終了。
これは極端な例で、実際にはもう少し会話は続いた。
しかし、お世辞にも盛り上がったとは言えない。
私が質問して、ゲストが答え、新たな質問をする。まるで形式的なやり取りで、楽しみどころがない。
同僚たちと比べてみると、その差は明らかだ。ゲストは誰もが笑顔で、時には笑い声をあげて話している。
中でも副支配人は別格だった。
この副支配人は普段は寡黙だ。僕とタイプが似ているからなのか、勤務初日、人事部長に彼をお手本にするようにとさえ言われた。
性格だけなら私と似ているのに、副マネージャーが訪れたテーブルは、まるでランプがついたかのように明るくなるのだ。
そんなある日、喫煙室で二人きりになったとき、思い切って尋ねてみた。
「副マネージャーは話し上手なんですね」
「俺が?俺は話すのが下手だよ」
「でも副マネージャーがテーブルに訪れると、ゲストはいつも楽しそうですよ」
「ほら、俺じゃなくてゲストが話してるんだよ。俺はゲストの話を聴いているだけ」
「それだったら僕もしてますけど、盛り上がり方が違うんですよ。ゲストの話を聞きながら、質問や次の展開を考えているのに、すぐに会話が途切れるんです」
「奥川君が話を聴いていないからだよ。経験談から言えるけど、ながら状態では話は聴けない。そして、それは相手にも伝わるんだ」
副マネージャーの言うとおりだった。
私はゲストと会話をしているとき、頭の中で質問や会話展開を考えていた。
つまり他の物事に頭をとらわれていて、ゲストの話を聞いているようで聞いてなかったのだ。
「今、奥川君は俺の話をちゃんと聴いているだろ。そのことは目を見れば分かる。それはおそらく、俺の話が君にとって有益な情報だからだ。ゲストにも今と同じ態度をとってみな。真剣に話を聞いているからこそ、自然と相槌や質問も出てくるんだよ」
私は副マネージャーの教えを実践した。
ゲストと話をするときは、動きを止めて、身体も心も傾ける。
心からの興味を示すだけで、ゲストの反応は驚くほど変わった。
とある女性ゲストは「あなたと話をするために、ここに来てるのよ」とまで言ってくれた。
私は話を聴いてただけなのに。
それまで自分のことを聞き上手だと思っていたが、それはアマチュアレベルに過ぎなかった。
真のプロは、良い意味で自分を殺して、全身全霊で相手の話に耳を傾けるのだ。
好かれる人は絶対に「ノー」と言わない
ホテルではゲストに「ノー」と言うのが禁じられていた。
ラグジュアリーホテルに訪れるゲストは非日常性を求めている。
ゲストの望みを拒否したら、特別な時間が一瞬で壊れてしまう。ゲストの望みはできる限り叶えるのが我々の仕事なのだ。
しかしどんな要望にも、イエスと答えるわけにはいかない。断る必要があるときは、限りなく要望に応えられる代替案を出すのだ。
こんなエピソードがあった。
レストランでは、季節によって料理の内容が変わる。ある日、常連の女性が友人たちを引き連れて訪れた。
「~様、こんばんは。お待ちしておりました」と店の入口でマネージャーが言った。
「こんばんは。この前食べたメイン料理がおいしくて、お友達を連れてきちゃった」と彼女は言うのだ。
しかし最後に彼女がレストランに訪れたのは、一か月以上前のこと。不運にもメイン料理は変更されていた。
マネージャーが一同をテーブルにエスコートしたあと、僕のところへやってきた。
「奥川さん、あそこのテーブルは先にドリンクの注文だけ伺って、ビュッフェに案内してあげて。コースメニューの説明はまだしなくていいからね」
そういうと、マネージャーは足早に厨房へ向かうではないか。
そして10分ほどして、マネージャーは数冊のメニューを抱えて持ってきた。
「あそこには、このメニューを渡して。先月のメイン料理にも対応可能だから」
私はメニューを開いてみた。
メニューには今月のメイン料理2品に加え、先月のメイン料理も記載されていたのだ。
10分ほどの間で、マネージャーは料理長に先月のメインの対応もできるか確認しただけではなく、メインメニューのページも作り直したのだ。すべては一人のゲストのために。
当然ながら、常連の女性は大満足の様子だった。私が働いた短い一年の間でも、彼女は月に一回以上は訪れてくれ、今でも毎月訪れているだろう。
もし過去のメイン料理に対応できないと断っていたら、どうなっていただろう。
彼女は失望を感じただけではなく、友人たちの前で恥さえかいたかもしれない。そしてホテルは、数年来の付き合いの常連客を失っていた可能性さえある。
ビジネスでも、日常生活でも、相手の要望に応えようと努めるのは大事だ。「ノー」と断るのは簡単だが、それではネガティブな感情しか相手にもたらさない。
サプライズ上手は予想上手
私が勤務していたホテルは多くの賞を受賞した。
それほど大きな成功を収めた秘密は、従業員専用フロアのいたるところに貼られていた張り紙にあった。
「私たちはゲストの潜在的なニーズを予測し、行動する」
つまりゲスト自身が気づいていない願いを察知し、その願いを実現するために行動するというわけだ。
レストランでの水補給のタイミングが分かりやすい例だろう。グラスが空になって、ゲストに水のお代わりをお願いされてから行動してはいけない。グラスが空になったタイミングで、水の補給を行うのがベストだ。
全従業員がこれを実行できるように徹底していた。
それではなぜ、ゲストの潜在的な要望を瞬時に察知する必要があるのか?
答えは感動を与えるためである。
人が感動を得るのは、期待や驚きを上回ったときだ。ゲストさえ気づいていないニーズに応えることで、強い感動を与えられる。
そして感動を伴う経験は、人の心に深く刻み込まれるのだ。
ホスピタリティとは感動を伴う経験だ
真のホスピタリティとは、単純にゲストをもてなすことではない。真のホスピタリティとは、ゲストをもてなしながら感動を伴う経験を与えることだ。
私が働いていたホテルにモテる人が多かった理由、それは彼らが日常的に人を感動させる達人だからだろう。
相手の話を聴くことで、人に好かれるだけではなく、サプライズにつながる情報も得られる。ほんの小さなサプライズでも、感動さえ引き起こせれば、人はその感情を永遠に忘れないのだ。
十数年以上ホテル業界に従事することで、彼らは自然とプライベートでもそれを実践できているのだろう。
今回紹介した技術はあらゆる場面で活用できる。まずは聴く練習から始めるのがおすすめだ。
相手が話したくなる雰囲気を作れるようになったら、ちょっとした発言や仕草から相手が求めるものを読み取るのを心がけよう。
相手がお願いしたものを与えても、サプライズにはならない。相手が直接言ってないもの、理想は相手が欲しいとさえ気づいてないものを与えることだ。
それができるようになったとき、真のモテる紳士としてふるまえる様になるだろう。
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【筆者プロフィール】
奥川駿平
1992年福岡県生まれ。立教大学卒。
2015年、当時付き合っていた彼女と結婚するため、アルゼンチン・ネウケン州へ移住。
2年間ほど現地で働いた後、2017年よりフリーライターとして活動中。
https://mobile.twitter.com/shunpeiokugawa
