自慢話は嫌われる。
それが下ネタ絡みだったりすると、なおさら鼻につくものである。
まして、己の性技を語ったところで、気分がいいのは本人だけ。
そんなの誰もが頭では分かっているのだが、酒が入ったりしてエンジンがかかると、一部の男はついつい語らずにはいられなくなる。
日本には謙譲の美徳がある。
褒められてもまずは謙遜するのがジャパニーズというものだ。
ところが、なぜかベッドの上の話となると、その美徳がどこへやら。
「いやはや大したピストンもできませんで」
などとへりくだる必要はないが、普段は万事控えめな日本男児でも、性技トークになると俺自慢をぶちかましてしまう者が割といるから不思議なものだ。
そういう人に出会った時、適当に相づちを打って相手を気持ちよくさせてあげるのも優しさだが、筆者はあえて心を鬼にして、こう言うようにしている。
「自分で自分を褒めてるうちは、一流じゃない」
これはセックスにまつわることだけでなく、万事に通じる真理である。
ところが性技自慢の男というのはたいがいダイヤのように硬い確信を持っていて、
「いや、でも俺上手いし」
とか返してくる。
その中でもとりわけ折れないのが、口淫技術を誇る輩。
この人たちは、本当に手強い。
俺には金もなければ社会的地位もない。
家や職場に居場所すらない。
でも、そんな俺でも女性への口淫だけは誰にも負けない…!
などと、まるで口淫をするために生まれてきたくらいの勢いで語る者もいる。
筆者は女ではないゆえに、我が身を捧げてその言葉が真実であるかどうか、確かめる術はない。
しかし、長年の経験から言うと、何かの道を極めた人ほど自らの腕前について寡黙なものだ。
読者の中にも、人前で堂々とは語らずとも、心の中で密かに誇る性技を持つ方がおられるかもしれない。
水をさすようで恐縮だが、「俺は上手い」と思った時点で、貴方の成長は止まる。
というわけで今回は筆者の周辺にいる性技自慢の男たちのエピソードを交えつつ、そんな話をしてみたい。
なお、文中にたびたび卑猥な単語が出てきてしまうことを、あらかじめ皆様にお詫びする次第である。
10年来の友人がある日突然語りだした口淫武勇伝
性技自慢をする男というものは、セックスで女性を感じさせることに喜びを覚える。
いわば「攻め好き」の人に多いのだが、往々にしてこういう輩はむしろ女性に嫌われたりする。
自分では達人級の腕前と思い込み、テクを存分に披露しているつもりなのだろうが、力加減が過剰であったり、はたまた相手が求めているものに思いが及ばなかったりする者が多い。
それでも女性が優しい子だったりすると、気を使って感じているフリなどをしてくれる。
すると男はますますつけあがり、俺の口淫は日本一とか言い出す者も現れるというわけだ。
筆者は中国在住なのだが、つい先日北京で一番小洒落たエリアで飲んだ時、もう10年近い付き合いになる現地在住の日本人から口淫自慢を聞かされた。
ああ、彼もまた自慢男であったかというのが正直な感想である。
いかに自分の舌技が優れているか、どれほど大勢の女性を悦ばせてきたか…そんなことをまるで英雄譚のごとく語り尽くす。
その語り口たるや吟遊詩人の如しといった具合だが、話している内容は果てしなく下品のひと言。
周囲の客はほぼ中国人で言葉が通じないからいいものの、日本であればファミレスですら間違いなく出禁をくらうだろう。
ひと通り聞いた後、愛のムチと思い、言ってやった。
「人間国宝が自分の腕を自慢げに語るか?天下一の剣豪が俺が一番なんて言うか?自分語りをしてる時点で、お前まだ本物じゃないよ」
なんだと貴様、なら嘘かホントか試してみるか…とはならないのが男同士の性技自慢。
もっとも、かつて職場の大先輩が酒の席で唐突に「俺、(男相手の口淫)上手いよ」と言ってきたことがあり、その時だけは身の危険を感じて反論はしなかった。
話を友人に戻すと、筆者の話に納得できないようだった。
ゆえに、追い打ちになるがあえて突っ込んで言った。
「自慢話をする奴は、あちこちで同じ話をする。同じ話を同じ相手に何度もする。」
「・・・」
「今までお前の自慢話に誰もケチをつけてこなかったのだとしたら、意識的であろうがなかろうが、お追従を言う奴ばかりを選んで付き合ってきたということだ。」
「・・・(ふん)」
「口淫話ならそれでもいいが、同じことを仕事でやったら致命的。反論されて感情的になってる時点で、まだまだ未熟と思うべし。でも、未熟だからこそ、これから伸びる余地もあるーー」
どうやら、最後まで納得できないようだった。
自慢話よりも「いかに好きか」を語るべし
何だか偉そうに言っている風だが、これは筆者自身にとっても戒めの言葉。
といっても自分の場合は性技ではなく、仕事で使う中国語の話である。
こっちで暮らしていると、カタコトにすぎない自分の中国語を会う人にたびたび褒められる。
社交辞令に過ぎない場合もあれば、「日本人が中国語喋ってる!」という自然な驚きや称賛の場合もある。
いずれにしろこの言葉をマトモに受けてはいけないと常に自分に言い聞かせている。
それでも毎日のように言われ続けると、驕りの気持ちが芽生えてしまう。
端的に言って、彼らのお褒めの言葉は「日本人にしては上手ですね」という意味。
本当にネイティブ並みにしゃべれる人には、まずそういう話すらしないものだ。
それどころか言語に関しては、むしろけなされる方が上手である証拠とすら感じる。
十数年中国で働いている筆者の先輩は、ことあるごとに同僚から
「お前の中国語はまだまだだな!」
と言われるらしい。
つまり、「日本人にしては」ではなく、中国人のレベルで語られているのだ。
同じく先輩から聞いた話だが、彼が知る限りで最も中国語を流暢に話すある日本人は、中国語をしゃべる時になると下顎が歪んで人相がガラリと変わるらしい。
そしてこのクラスになると、当たり前だが「私、中国語得意です」なんて死んでも言わない。
本物とはそういうものだ。
口淫の達人たちも同様に、口淫を披露する際に人相が変わるかどうかは知らないが、ガチで上手いのならば自画自賛などせず、ただ舌を動かすことで己の技を証明すればいい。
これは性技のみならず、あらゆる芸事に言えることだと筆者は思う。
むろん、それでも俺は語りたいという方もいるに違いない。
だったらトーク内容を自慢ではなく、いかに好きであるかを伝えることに変えてみてはどうだろう。
下ネタNGの人からしてみればどっちもキモさ満点、大した差はないように思えるが、実際には結構印象が違うものだ。
筆者には20年来の付き合いの口淫を生きがいとする親友がいる。
己の腕前を誇ったりしないものの、たまにどうしているかと思い電話をすると、どういう話の流れであれ最後は間違いなく性技の話に行き着くような男である。
彼とは、一緒にアジア各地を旅したことがある。
思い出深いのは、最貧国のスラム街でたった今、暴漢にでも遭ったんではなかろうかといういでたちのストリートガールに「サーティーダラー(30ドル)」とか言い寄られた時のこと。
こいつはまるでバイオハザードの世界だなと思っていたら、彼は
「ワンナイト、ペロペロ、OK?」
とか絶対通じないであろうプレイ内容の交渉を、舌を出しながらやり始めた。
病気とか危ないからやめなよと諌めると、返ってきた答えは
「口淫好きだからこそ、あえてリスクを取りに行きたい」。
筆者にはさっぱり意味がわからなかったが、彼にはこういう口淫絡みのエピソードが山のようにあり、それを聞いている分には楽しい。
下ネタとは自慢ではなく、かくあるべきとすら思う。
結局、性技に関して上手であるかどうかをジャッジできるのは本人ではなく、女性である。
例え褒められたとしても、それを真に受けるのはあまりにもナイーブに過ぎる。
世の男たちよ、驕り高ぶることなく、謙虚であれ。自分の可能性を広げるために。
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画像引用:厚生労働省「平成30年度診療報酬改定の概要」
【著者】神坂縁
ライター、編集者、翻訳者。
週刊誌記者を経て某中堅出版社に入社。
雑誌の製作に携わっていたが、十数年勤めた会社で内紛が起こったことを機に退職&日本脱出を決意。
現在は国外の通信社に勤務し、アジアの政治・経済に関するライティングを本業としている。