
老若男女・洋の東西を問わず、恋愛は見た目が大きく影響をもたらします。
アメリカの学者ティモシー・ウィルソンはその心理学的研究で「人は初めて出会った相手を最初の2秒で判断する」という研究を残しています。
これは恋愛も同様で、「なお、イケメンに限る」というネットスラングがあるように、女性は特に男性を見た目で判断します。
より良い、より選ばれる遺伝子を残していくための本能といっていいかもしれません。
しかし、恋愛やモテの上級者になると、その第一印象すら逆手に取ってしまいます。
つまり世の中、線の細くて整ったいわゆる「イケメン」だけにモテが限定することはないのです。
むしろその反対の造形でも、モテることは可能です。
どうやってモテるのか。それはシンプルな法則です。
たとえば、ヤンキーが雨の日に子犬を拾っていたら、「この人本当は良い人なのでは?」と思われる理論。
つまり「ギャップ」です。
そのギャップを使ってモテる方法を見ていきましょう。
チャーシューのラーメンを没収!?
ちょっと色気のない話かもしれませんが、ラーメンで例えてみましょう。
私は以前、デートで近所の美味しいラーメン屋さんにいきました。
出発前にパートナーと将棋でチャーシューを賭けて真剣勝負しましたが、負けていました。
そして、非情にもチャーシューはすべて没収されてしまったのです。
チャーシュー麺のチャーシューを取り上げられ、悲しんでいる私に、彼は1枚だけチャーシューを返してくれたのです。
しかし、それなら最初から1枚は残しておいてくれたらよかったのでは?と思っていたところ
「最初から1枚だけ残して取り上げるより、全部取り上げてから1枚返したほうが、良い人に感じるだろ?これができる男のテクニック」
といわれたのです。確かに・・・!
最初から1枚だけ残して取り上げるのと、全部取り上げられがっくりしているところに1枚返すのと。大きく印象は違います。
色気のないラーメンの話で本当に恐縮ですが、チャーシューを1枚以外全部没収するだけでも、これだけ相手に与える印象、自分がプレゼンできる魅力が異なるのです。
心理戦に勝つ
このギャップ理論は、男女の恋愛において駆け引き的な側面があります。
つまりは心理戦で勝つことが重要になってくるのです。
『プロ弁護士の心理戦で人を動かす35の方法』(石井 琢磨 著)によりますと、相手の主張(魅力)を聞き入れてしまうときは
○怒りをぶつけられ感情的になったとき
○対等ではない相手からの要求を受け視野が狭まったとき
○自分のペースを乱され動転したとき
とあります。
交渉の場においては、こんなときに動揺するのです。
もっとも重要だと考えられるのが、最後の「自分のペースを乱され動転したとき」で、上記のチャーシューを奪われ返されたときがそれに該当します。
チャーシューを賭けた将棋に負けたのですから、取られるのは想定の範囲内としても、1枚だけ返してもらえるのは完全に自分のペースを乱されているのです。
結局は好意の応報
ちなみに、モテは知らない人、見たことのない人から好かれてもしょうがないですよね。
特に女性はこのご時世、ストーカーなどがありますから、むやみやたらにモテることには警戒心が強い人も多いことを前提としてください。
では、肉食的な表現でいうところの「狙っている女性」ならどうでしょうか。
密かに気になっている相手に対して、モテを仕掛ける、つまり、結局は好意の応報なのです。
好意を与えれば返ってくる。
これは昔からいわれていますし、「返報性の原理」も、『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ 著)で有名です。
しかし、好きと言わずに好かれたい、そんな複雑な男性感情を解決してくれるのがこのギャップであり、モテる極意です。
相手から好意を打ち明けられましょう。
能動的な質問で誠実な印象を返す
では、好きな人から好意を持ってもらうには、どうしたらいいのでしょうか。
もちろん会話です。
営業と同じく、トーク力は話す力より聞く力。
営業トークならビジネスの「型」がありますが、恋愛トークにも「型」がありますのでそれをご紹介します。
恋愛トークの基本は雑談ですよね。
その雑談はただペラペラと日常の報告をしていてはいけません。
そこで参考になるのが、『超一流の雑談力』(安田 正 著)です。この本によると
三流は、人の話をまったく聞かない
二流は、聞いたふりだけうまい
一流は、相手が気持ちよくなる聞き方をする
と定義されています。
一流になる必要があります。
『超一流の雑談力』では、相手に対して知ったかぶりをしてしまうと適当な印象を与えてしまうことが書かれています。
「いい加減な人」「テキトーな人」という悪印象を持たれてしまうのです。
しかし、能動的な質問を返したらどうでしょうか。
「今、言ってたことってどういうこと?」
などと聞き返し、より相手の話の核心に迫っていく。
それができれば、相手は聞いてもらってことで非常に気持ちよくなってくれます。
そればかりか、返報性の原理により、「自分もこの人の話を聞かなければ」という気持ちが生じるのです。
一番いいのは要約して返す
さらに、『超一流の雑談力』では、相手の話を要約して返すことが書かれています。
「例えるなら○○?」
「つまりXXXということ?」
「うちの業界でいうところの△△のようなものだね」
など、置換を使って理解を相手に伝えていくのです。
これがコミュニケーションの達人が教えてくれる雑談の極意です。
相手にとって少しずれた見当違いの要約だとしても、誠実な聞く姿勢にこそ好意は宿ります。
まるで好意がないような態度や見た目でありながらも、いざ話してみると、誠実に聞いてもらえる、それこそがギャップであり、女性が惹かれるポイントです。
褒めるときは視線を外してつぶやいて
さあ、この段階まで来たら、あとは営業でいうところのクロージングを相手にかけましょう!
この『超一流の雑談力』は、ビジネスの営業パーソン向けなのですが、恋愛においても応用でき非常におすすめです。
クロージングの極意として、「褒め」があります。その褒めも紹介されており、「つぶやくように感想を言う」です。
相手から視線を外して、宙を見ながらぽつりと褒めるのです。
「いいな」
こんな素朴な言葉でも、目を見ていわれるより独り言をいうかのようにいわれたら、どれだけ嬉しいでしょうか。
ビジネスシーンにおいても、恋愛の場においても同じです。
魅力を感じない人はいませんよね。
まとめ
子犬からラーメン。弁護士の交渉術から営業の雑談力まで。
幅広いテクニックとノウハウをご紹介しました。
恋愛とはまったく無縁にみえるこれらのエピソードが、意外と恋愛の場に効果的なのです。
ギャップがあること。深い知識と経験を持つこと。
そうした幅が広くて奥の深いパーソナリティを備えることができれば、見た目の問題はほぼクリアされるどころか、反対にギャップとなって有利に働きます。
生まれ持った顔立ちなどは変えることができませんが、人間性を高めることでギャップとなり、より魅力的に輝くようになるのです。
参考文献:
『超一流の雑談力』(安田 正 著)
『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』(石井 琢磨 著)
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ 著)
書き手:名もなきライター
プロフィール:ライター歴5年。恋愛経験は乏しいが、なぜか無職になってから最高の男性とマッチングし(たつもり)、毎日幸せに暮らしている(はず)
ツイッター:https://twitter.com/writer_noname
ブログ:https://www.kazinc.org/