
デキる先輩が教えてくれたポジティブマインド
「突然のお電話失礼いたします。御社の人事・採用のご担当者様はお手すきでしょうか?」
十数年前、僕は小さな出版社で広告営業マンをしていた。
僕が勤めていた会社において、新人の最も重要な仕事の一つが、求人広告の電話営業だった。
リストに掲載されている企業に片っ端から電話し、「雑誌に求人広告を載せませんか」と営業をかけるのである。
今思えば非効率なやり方だが、十数年前はそれが普通だった。
営業の結果はというと、けんもほろろに断られることもあれば、何とか担当者につないでもらい資料を送らせてもらえることもあった。
そして、それほど確率は高くないがトントン拍子に話が進んで出稿につながることもあった。
自分のお客さんを持たない新人営業マンにとって、この電話営業は非常に重要な仕事だ。
しかし、正直言って僕は、この仕事が苦手だった。
まれに受注につながることはあるけれど、そんな幸運は滅多に起こらないし、あからさまに適当な対応をされると精神的に摩耗するからだ。
さらに僕のやる気を減退させたのは、当時僕が勤めていた出版社が発行しているのが専門誌だったことだ。
つまり営業の対象となる企業の数もそれほど多くなかったのである。
2、3日集中して電話を掛けると、リストは尽き、また最初に戻って電話をかけなおすことになる。
そして、その多くは一周目の営業の際に「今は採用の予定がない」などと言われ断られた企業なのだ。
「求人広告のニーズがないとわかっている会社に営業をかける。なんという非効率な仕事なんだ…」
喫煙所でタバコをふかしながら、思わずそうボヤいた僕に同じ部署の先輩は言った。
「気持ちはわかるけど、ニーズがないなんて、何でおまえにわかるの?昨日電話した時に採用の予定がなかった会社でも今日辞める奴がいるかもしれないだろ?そうすりゃ求人広告だって必要になる」
そう語った先輩は、社内でも優秀で知られている人だった。
喫煙所から戻ると先輩は、「ちょっと見てな」と言って僕の代わりに何件かリストに掲載されてる企業に電話を掛けた。
そして、そのうちの一件から実際に求人広告を受注してみせたのである。
「ほらな?」と言わんばかりの態度に僕は舌を巻くしかなかった。
モテる友人は奇しくも同様の理論を語った
先輩のこの発言を聞いた時に僕の頭をよぎったのは、自分の友人の中で最もモテるA君のことだった。
A君は、いわゆるイケメンではない。
ただ、とにかくモテるのだ。
20代の頃からA君に彼女が途切れた記憶が僕にはない。
A君は合コンなどで気に入った子がいると、積極的にアプローチをかけていく。
そして、僕が「そういえば、この前の合コンのあの子どうだった?」と聞くと、こともなげに「あぁ今つきあってるよ」と返ってくる。
そんな男だった。
あるとき、A君がアプローチしている女性に現在彼氏がいるという話になったことがある。
僕が「さすがのおまえも今回は厳しそうだな」というと、A君は不思議そうな顔でこう答えた。
「なんでそう思うの?明日には彼氏と別れるかもしれないだろ?
そうすりゃチャンスじゃん」
「彼氏がいる」は、むしろチャンス
その圧倒的なポジティブさに呆然としている僕に、A君はさらにたたみかける。
「ていうか、彼氏がいる女の子の方が口説きやすいと思わない?」
そう言って、A君は独自の恋愛理論を展開していく。
「彼氏がいないってことは、不特定多数の中から自分を選んでもらわなきゃいけない。
つまり、ライバルが多いってことだ。
でも彼氏がいるなら、そいつ一人に勝てばいい。
そう考えると気持ちが楽にならない?
俺はなる」
随分と都合の良い話だとは思うが、あながち的外れとも言えない理論だ。
少なくとも僕は反論できなかった。
このようにA君の頭の中には「片思い」などという概念が存在しないのだ。
どんなに相手に脈がなさそうでも、アプローチを続け、つれなくされようとも
「つきあうまでの過程を楽しんでいる」
ぐらいに考えている。
A君の彼女となった女性に聞いたところによれば、積極的でありながらアプローチの仕方は決して粘着質ではなくカラッとしているので、女性にとっても不快ではないという。
A君は、この独自の理論を駆使して、20代から30代の独身生活を十二分に謳歌していた。
当たり前だがやってみなけりゃわからない
先輩とA君、営業と恋愛とジャンルは違えど、「結果」を出している2人の共通点は明らかだ。
2人とも不確実な状況を前にして予断を持たない。
それどころか圧倒的に楽観視している。
そして、その無根拠かもしれない自信が、幸運を引き寄せているように見える。
「どうせこの前断られたし…」
「彼氏がいるって言ってたし…」
こうした自分に不利な要素は常に存在する。
しかし、状況は刻一刻と変化しているのだ。
そして、再度チャレンジしたものにしか、その変化した状況を把握することはできない。
恋愛については、数々のトラウマが邪魔をしてA君の理論を採用することができなかった僕だが、先輩の話を聞いてから営業電話は以前より、前向きな気持ちで掛けられるようになった。
一度断られた会社に再度営業をかける。
片想いのあの子にアプローチする。
そのほか、なんでもいい。
何かに挑戦しようとするとき、不利な要素ばかりに目を向けて自ら白旗をあげる必要はないのだ。
何故なら、例え今は厳しい状況だったとしても、明日には自分にとって都合の良いように状況が変わっているかもしれないのだから。
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著者:永田 正行
大学卒業後、零細出版社に広告営業マンとして勤務。
その後、会報誌の編集者を経てネットメディアの編集記者となり、政治家や大学教授へのインタビューを多数手掛ける。
好きな言葉は「ミラクル元年 奇跡を呼んで」の西武ライオンズファン。
Twitter:https://twitter.com/jake85elwood