モテたいなら、モテを終着点にしてはいけない

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「モテたい」


いくつになっても、そう思いますよね。


しかし、モテたいと本当に思うのであれば、モテを終着点にしてはいけないのです。
今回はその話についてみていきます。今回もまた、恋愛の大家・スタンダールと、フランスの作家エドモン・ロスタンが書いた戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』を参照することとしました。

モテに関することはすべてスタンダールが教えてくれる

モテに関するあらゆるあれこれは、スタンダールの『恋愛論』が網羅しています。
1822年に書かれたこの本は、近代思想が花開き、今以上に「個人」の心情にフォーカスがあてられた時代でした。よって、個人の中に発生する事象である恋愛もまた注目を浴びたのです。


スタンダールの本には、恋愛のすべてが書かれています。
そして、モテに関するさまざまな他の書籍を読む必要はありません。
そんな時間とお金があるならファッションコーディネーターが付き添う買い物に出掛け、センスを磨いた方が、自分のためになります。


ナンパ塾なども一切不要です。そもそも、多くのナンパ術は、水野敬也さんが書かれた『LOVE理論』『ウケる技術』を下地としており、それらの理論は、スタンダールを(ちょっぴり都合よく)参照し、その中身を利用していることはあまり知られていません。


いずれにせよ、昔も恋愛というものはあったのでしょうが、それよりは家族の事情が優先されたことは、わたしたちの祖父母より前の世代をみても明らかです。
極めて近代的な概念であるこの「恋」や「モテ」を理解するには、スタンダールが一番なのです。

自然さこそが至高

では、さっそくその恋愛の大家が何を書き残しているのか、みていきましょう。


「恋愛における自然さは最高の称賛に値する」


とあります。不自然さは何よりのNG項目です。もっともスタンダールがダメ出ししているのが、「気取ること」で、


「少しでも気取りを持つ男、禍いなるかな!」


と強く書いています。
ただ、自然に、自然にと思っても、気になる女性の前では不自然になってしまいますよね。


じゃあどうしたらいいのか。現代には文明の利器があります。それがメールやLINEなどの文字で伝えることです。


さらに、スタンダールは


「恋する技術とは、結局そのときどきの陶酔の程度に応じて、自分の気持ちを正確にいうことに尽きるようだ」


ともいいます。自分の気持ちを正確に言うこと。自分の感情を言葉にすること。
これは意外と大切なスキルで、ビジネスも恋愛も同様なのです。


仕事なら、自分が経験したことやスキルを言語化して、人にわかるように説明するのはとても大切なことです。


それは恋愛も同様で、自分の気持ちを正確にいうことは重要なのです。

シラノ・ド・ベルジュラックは文章だけで心を掴んだ

そして、時代は50年ほど後のフランスでエドモン・ロスタンによるかの有名な戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』が書かれます。これは、鼻が大きくて醜男でありながらも、剣豪で美文家だったシラノが、ロクサーヌにラブレターを送り続ける話です。


しかし、シラノはロクサーヌに自分の思いを正面切って伝えることはできません。ブ男という自覚があるからです。


結局、部下のイケメン・クリスチャンに手紙を渡させ、ロクサーヌはクリスチャンと結ばれてしまうわけですが、戯曲の最後のほうで、手紙の主はシラノであったことを知ったロクサーヌは


「ひとりのお方を愛し続けていながらも、別れの憂き目を二度見ようとは」


といいます。つまり、ロクサーヌは(シラノの)詩人の力を十分に理解し、愛していたのです。
もしかしたら、言葉をいくらたくみに扱うことができても、相手の心をつかんでも、ブサイクだったら意味がない、と思うかもしれません。


しかし、この『シラノ・ド・ベルジュラック』は熱狂的に支持されています。
戯曲は最高に盛り上がり、男女問わずシラノの生き様は人の心を掴むのです。


最後、シラノの思慕はロクサーヌに伝わりますが、1人の女性の心を手に入れるか、それを逃したかわりに世界中を熱狂させるか。
この戯曲は、フィクションでありながらも重要なテーマをこちらに問いかけます。

シラノと私の体験談

個人的な経験を書かせていただきますと、私はこの『シラノ・ド・ベルジュラック』が大好きで、1990年に映画化された映像を何度も見返し、シラノに惚れ惚れしていました。


しかし、あるアメリカ人男性に、北米版の『シラノ』をおすすめされみてみたのですが、あまりに通俗的過ぎてげんなりしてしまったのです。


現代劇にしたのはわかりますが、露骨なベッドシーンなどがあったため、ロクサーヌとまではいかなくとも若者だった私には刺激が強すぎたのです。


そこで「北米版は世俗的すぎました」と告げると、その男性は「ヨーロッパのものはなんでも高尚で、アメリカのものはなんでも世俗的だというのは間違い」と教えてくれました。


確かに、日本に生きているとやたらヨーロッパのものをありがたがる傾向はありますが、人間はみな同じ。シラノだって鼻が大きいけれど、立派な英雄です。


それからは、もっともっと広い目で、文学を楽しもうと心がけています。

文章で相手の心を掴む“エモい”技術

ところで、LINEやメールで相手の心をつかもうと思ったとき。
ヒントになるのが、最近のワードである“エモい”です。エモいとは、エモーショナルであること、受け取り手の心が感情的になり、気分が高まるような文章となります。


エモい文章を書いて相手の気を引くには、「結びつき」が大切です。
自分と相手の結びつきを書きましょう。これは恋愛以外にも応用可能で、自分と相手の関係性を書くことがとても大切だとメンタリストDaiGoの『人を操る禁断の文章術』では説明されています。


“エモさ”“結びつき”を考えて、メッセージを書いてみましょう。
さらに、文章で相手の心を掴むには、“追伸“から書くと良いとも解説されています。
たとえば、社内で気にかかる人がいる場合、相手へのメッセージは追伸から考えましょう。


最後の追伸に本音が出るものです。


「先日、おすすめしていただいた銀座の寿司店にいってみましたよ。とても美味しかったし一流の体験をすることができました。ありがとうございました。本当にいい店をご存知ですね」


など相手との関係性を書いていくことで、ぐっと忘れられない文章につながります。

モテもお金も一流の男になった先のおまけ

いくら文豪が「自然に」「感情を伝える」「愛より生き様」といったとしても、なかなかそうはいきませんよね。
つまり、歴史が教えてくれることは「そもそも、モテようと思った先にモテはない」ということなのではないでしょうか。


モテることを目的としていたら、結果としてモテない。
それよりは、一流の男になることを考えた先に、きっとモテも、そしてお金も、副次的にくっついてくると考えられます。

まとめ

今回はフランスの作家が書いたテキストを中心に、モテについてみてきました。
結論としては、モテはモテを考えない先にある、ということではないでしょうか。


スタンダールは「気取るな」といいますが、シラノは最後「私の心意気だ」といって死んでいきます。
気取らず心意気をといわれると、配分が絶妙に難しいのですが、ひとつ冷静かつ率直に思いを伝える手段として文章があります。


いまは正面切って告白する人は少ないと思われますので、LINEやメールで気を引くのは有効な手立てです。
日々のコミュニケーションの中に、エモさをいれこんで、モテましょう。


繰り返しになりますが、モテたいならスタンダールの『恋愛論』は必読で、他の有償教材はほぼ不要だと考えられます。


さて、スタンダールは生前まったくモテず、そのコンプレックスから『恋愛論』を熱心に書きあげたといいます。
シラノも(戯曲上の人物ではありますが)、モテたかったことでしょう。


しかし、女性は男性のソーシャルバリューに惹かれる側面があるのは事実ですから、これだけ素晴らしい功績を残されると、それはそれでひとつの魅力であり、モテにつながるのではないかと個人的には思います。


参考文献:
スタンダール著『恋愛論』 大岡昇平 訳
エドモン・ロスタン 映画『シラノ・ド・ベルジュラック』ジェラール・ドパルデュー主演
メンタリストDaiGo著『人を操る禁断の文章術』


書き手:名もなきライター

Photo:Jamie Street


『不二夫のフレグラン』


ーーーにおいで遠ざかり、匂いが近づけた。一組の家族の物語。


【あらすじ】
気がついたら、離れていた。とある家族の物語。
今日は妻と映画を観よう。急いで帰宅した矢先に、妻とママ友の立ち話を耳にする不二夫。 「うちの夫も最近加齢臭が……」
ショックを受け一人ソファで寝ていると、追い打ちをかけるように娘が家出してしまう。
不二夫は娘を見つけ出し、家族との距離を縮めることができるだろうか……

第1話~7話 絶賛公開中!
第8話 7月26日(金)公開!




特設サイト
不二夫のフレグラン
気がついたら、離れていた。とある家族の物語。今日は妻と映画を観よう。急いで帰宅した矢先に、妻とママ友の立ち話を耳にする不二夫。「うちの夫も最近加齢臭が……」ショックを受け一人ソファで寝ていると、追い打ちをかけるように娘が家出してしまう。不二夫は娘を見つけ出し、家族との距離を縮めることができるだろうか……




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