
生命力のある男性はとても素敵です。
仕事も遊びもエネルギッシュにこなして、プライベートでは家族を守り愛し続ける。
そんな生き方ができれば、人間として100点満点なのではないでしょうか。
もちろん、現実は甘くなく、仕事と遊びと家族をすべてきっちりこなすのは至難の業です。
時間や気力など限られた状態では不可能と言っていいかもしれません。
仕事もきっちりやりながら、恋愛も楽しみたい。
家族を大切にしながら、セックスも楽しみたい。
そんな理想の生き方をしてきた男性の裁判を傍聴しました。男の犯罪は「強要」というもの。
裁判では男の生き方と女性によって改革が起こった物語が語られます。
仕事と不倫をきっちりやった男の犯罪

男は細見で髪はグレー、年齢は60代です。
ぴしっとしたスーツ姿で法廷に立つ姿は、普段からスーツを着慣れていることをうかがわせます。
裁判官から職業を聞かれ「農機具メーカーの営業をしています」と答えました。
農機具とはトラクターなど大型の重機を差します。
これらは生産者(農業をする人)にとって必須の道具であり、壊れたらすぐに修理しなければいけません。
天気との戦いであり、ギャンブルでもある農業。
その現場で働く男達と取引をするのですから大変な仕事です。
男の仕事ぶりはとても良かったようです。
なぜなら、定年退職後も、フリーの営業として駆け回っていたとのこと。
会社から評価され、生産者との関係も良好だったのでしょう。
プライベートも充実していました。
子供を3人産み育て、後で証人として登場する愛妻とカワイイ孫に囲まれて人生を送っています。
地域コミュニティにも積極的に参加し、孫たちを連れて夏のバーべキューなどを企画していました。
そのように、公私ともに充実していた男ですが、人生の後半に差し掛かるところでつまづいてしまいました。
男の犯罪はどのようなものだったのでしょうか。それは20年前にさかのぼります。
20年前、まだ農機具メーカーの社員だった彼の元に、1人の女性新入社員が入社しました。
事務職としてともに仕事をサポートしたりするうちに、男と不倫関係になります。
それから20年、会社の中外を問わず、2人はしっかりとセックスを楽しみました。
さらに男は女の裸やプレイをカメラで記録します。
男が何を思って記録したのかはわかりませんが、これが後にトラブルの元となります。
そして、女性新入社員は疑問を抱きました。
18歳で入社して、40歳を目前に控えている彼女。
女性として最も華やかな時期を、不倫で費やしてしまったことに後悔を感じ始めました。
彼女は男と別れようとします。
ですが、相手はやり手の営業マン。なかなか別れさせてくれません。
別れ話がもつれていくうちに、男は最悪の手段にでてしまいました。リベンジポルノです。
地に落ちた男
男は女にメールを送ります。それを検察官が朗読しました。
「20年愛したまなみ(仮名)、どうしても別れたいっていうなら、まなみのおっぱいやお○んこを実家のポストに入れちゃうよ。愛したまなみにこんなことはしたくないけど、仕方ないよね」
法廷では笑うことは許されません。
もし噴出したら、裁判官に「傍聴人、退廷してください」と言われるでしょう。
私は必死に我慢しました。
(おっさん、なにしとんねん・・)と突っ込みます。
品の良いグレーの髪型、ぴしっと起立する姿、どこから見ても人生の勝ち組という男の最低な手紙を、こんな公開された裁判で朗読されるのです。
男の屈辱はいかほどだったのでしょうか。

さらに、この事件は地方紙の記事にも載り、男の家庭はバラバラになってしまったとのことです。
子供達は距離をとり、孫の教育に差し支えるからと連絡をやめました。
イジメだって起こりかねないできごとです。
裁判官は「なぜ、このような犯罪を犯してしまったのですか?」と聞きました。
男は「会社でまったく相手にされなくなり、話してもくれなくなりました。それは業務に差し支えてしまうことです。ですので、1度話してもらうために、このようなメールを送ってしまいました。」といいます。
「ウソでしょ」と裁判官は言います。
さらに「体に未練があったからでしょ」と断定。
続いて「でないと、こんな手段とらないもん」と、あっさりとウソを看過してしまいました。
裁判官に苦し紛れのウソまで見破られて、地に落ちた男。
その背中はとても小さくみえました。
結局手紙は投かんされず、電話するように女に強要したことを警察に通報され、男は逮捕されてしまったのです。
証人:妻

証人として妻が呼ばれました。
彼女の心痛を思うと、大変なことだと思います。
完璧だった夫と家族を失い、それでも証言するというのは、とても勇気が必要だったでしょう。
離婚して慰謝料をもらったほうが、おそらく証人のプラスになるはずです。
そんな証人が法廷で証言したのは、耳を疑うようなものでした。
「夫は家庭人としても仕事も完璧でした。200点のおとうさんだったと思います。離婚は致しません。今も、寝るときは手を握り合い、これからどうするか話し合っています」
裁判で有利になりたいから、嘘をついているとは聞こえませんでした。
本当に、毎晩手を握り合って、これからの人生について語り合っているのでしょう。
地に落ちた夫と、ともに生きる。その覚悟が伝わってきます。
理想的な夫と、家族。そして楽しみだった老後。すべて壊れたのは妻も同じです。
そしてこのようなケースでは、離婚して慰謝料を取るのが有利です。
最悪なリベンジポルノという犯罪を犯した男の妻という存在のまま、屈辱的な老後を過ごすことになってしまうからです。
夫婦の住んでいる地域は、ごく小さな町でした。
それまでそこで築いてきた家、人間関係、地域のコミュニティはすべて失ってしまいます。
新しい地域に移り住んで、2人で新しく生活を始める必要があります。
それは、60を過ぎた人間にとって、とてもエネルギーのいる行為です。
妻の証言に感動した私に、また検察から攻撃がありました。
裁判では最後に検察から求刑があるのです。
つまり、被告人の犯した罪を列挙し、懲役○年が相当かと思われますと宣言します。
つまり、またあの腹筋崩壊と戦うことになります。
「被告は被害者にメールで『20年愛した・・・・・』という文面を送り付け」という検察の朗読が始まりました。
まったく笑わずに、スラスラと朗読する検察の人が信じられません。
傍聴席で痙攣する横隔膜と必死で戦いました。
まとめ
仕事と家庭とセックスを完璧にこなした男の話でした。
仕事をこなし、女を愛した彼の生き方は、絵にかいたような理想のものだったとおもいます。
しかし、その裏ではドロドロとした欲望が渦巻いていて、最後にはバラバラに壊れてしまいました。
リベンジポルノという最低の罪を犯してしまった男。
それによって、それまで築き上げたものがすべて失ってしまいました。
屈辱と羞恥にさらされて、生きることすら困難だったかもしれません。
壊れた後に残ったのが、彼の妻です。
妻は夫の不倫やリベンジポルノを許しました。
仕事を失い、家族を失い、60を過ぎた夫1人では生き方を変えることは不可能かもしれません。
ですが、妻がいるなら生き方改革は可能だと感じました。
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ライター名 : 野澤 知克
プロフィール : 自営業を営みながら、ふとしたきっかけで裁判傍聴にハマった傍聴ライター。現在は専業ライターとして、裁判所に通う毎日。事件を通して人間の「生き方」と向き合ってます。

Photo by Gaelle Marcel on Unsplash