手遅れになる前にリアルな自分を見つめよう~こじらせ男のためのセルフ恋愛診断術~

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娯楽誌の編集に携わっていた頃、月1ペースでグラドルを撮影する機会があった。
もっとも、自分が作っていたのは超がつくマイナー誌。
そのグラビアを飾るのは当然無名のモデルであり、「自称芸能人」とカテゴライズしても差し支えのないその他大勢の子たちである。


そんな売れないグラドルであってもどこかしら事務所には所属しており、必ずマネージャーが付いている。
我が編集部はほぼ毎週のように彼らのアポ無し急襲を受けるのが常だった。


事前に「今から行っていいですか」などと連絡してくるようでは芸能マネとしては半人前。
良く言えば押しの強い、端的に言えば常識が欠如した人々であるが、彼らにはひとつの共通点があった。


何とか自社の子をグラビア枠にねじ込もうと宣材を広げて熱っぽく語る割には、モデルへの愛情が微塵も感じられないのだ。


オススメの子なんかを聞こうものなら、返ってくるのはこんな答えである。


「最近ウチが推してるのだと、これとこれっすね。あとこれなんかも仕事結構決まってきてるんで」
「これは枕(=枕営業のこと)できないんで売れてないんすけど、ビジュアルは悪くないっすよ」


人を指差し「これ」と呼ぶ。
脳裏をよぎるのは「おたくのモデルは『モノ』ですか」という思い。


もっとも彼らを弁護するなら、事務所にとってグラドルはあくまで商品。
また、モデルから時として下僕のように扱われるマネージャーたちは、営業スマイルからは見えてこないグラドルの裏の顔を知っている。
その心には拭い難い女性不信が潜んでいるように思われた。


そんな彼らもグラドルのマネージメントを生業とするだけあって、女好きでは人後に落ちない。
問題は、この手の男のストライクゾーン。


仕事を離れて好みの女性を聞いたりすると、中年男が臆面もなく二十歳にもならないアイドルの名前を挙げてくる。


そのうえいくら年を重ねても意中のタイプが変わらない。
30半ばを過ぎ、不惑の40代になり、50の大台に迫ってもなお、理想とするのは20代のステキ女子。


仕事で四六時中女性と接していながらプライベートでまともな恋愛経験を積んだことがない、悲しい男たちのサガである。


では彼らの恋愛観を他人事として笑っていられるかというと否である。
何しろ自分が担当していた雑誌の読者は、ほぼもれなくこの類の男性だった。


グラドルマネージャーとは全く逆のケースだが、リアル世界で女性と縁がないがために、己からはるか遠い存在を恋愛対象と定めてしまう。


片や商品、片や偶像としてしか異性を見れない男たちの恋が実る見込みはほぼ皆無。明日地上から文明が滅ぶ可能性より、おそらく低い。
 

恋愛リハビリ期間を経て~やがて厳しい現実を突きつけられるまで~

ここで挙げたのは極端な例としても、恋愛経験が少ない男には同様の傾向か多かれ少なかれ存在するものだ。


つまり「恋愛は相手があってのこと」という当たり前の大原則を理解できていない。
そんなの分かりきったこととしたり顔で言いながら、そのじつ己を客観視せずして、女性に一方的な愛情を寄せる男性が世間にどれほど多いことだろう。


もっとも他人事のように書いているが、かくいう自分もかつてはそのような痛い中年男のひとりだった。


好みのタイプを聞かれれば、頭に浮かぶのは「若くて可愛い子」。
芸能マネージャーと同類もいいところで、およそ大人が吐く言葉ではないものの、当時はそんな自分の恋愛観をおかしいとすら思わなかった。 


その呪縛が解けたキッカケは、大失敗に終わったリアル恋愛とお見合い体験。
いずれも40になって始めた異国生活の中での苦い体験である。


中国で、好きな子ができた。
相手はたまたま留学先の大学で席が隣になった30代タイ人華僑の社会人留学生。
南国育ちながら生まれつき病弱で、微笑みの国からやってきたとは思えないほど笑わない子であった。


そんな彼女も、ごくまれに自分の言葉がツボに入ると、雪のように白い肌よりさらに白い歯を見せて、控えめにくすくす笑う。


毎日机を並べて勉強をしつつ、彼女の可愛らしい仕草を横目で眺めているうちに、気がついたら心の中に恋愛感情が芽生えていた。


この感覚、何年ぶりだろう。
思い返しても心当たりがないくらい、久しぶりの恋心だった。


結論から言えば、玉砕した。
カタコトの中国語で送られてきたメッセージを要約すると、「貴方のことは好き。これからも私のお兄さんでいてね」。


恋は盲目というが、筆者の場合は単なる自己認識の甘さが招いた失恋。
己が頭もいい加減薄くなってきた中年男であることをしっかり思い知らされたわけだ。


トドメとなったのは、中国で働き始めたのちに上司から持ちかけられた縁談。
中国人は独身男を見つけると暑苦しいまでの親切心を発揮し、問答無用で結婚させたがる。


特に中年女性はカップリングの経験が豊富で、双方のルックスや収入などあらゆる要素を冷徹に見極める目を持っている。


「とにかく私の顔を立てると思って、会うだけでも会ってくれ。というか会え」


ほとんど恫喝のような誘いに気乗りしないままOKの返事をした瞬間、お見合い相手の写真が送られてきた。
「素敵なカップルだと思うの」というメッセージと共に添付されていたのは、満面笑顔の中年女性。


これが貴方に見合った恋愛対象、いい加減気づきなさいと諭されたようなものだ。


まさに果てしなく無慈悲にして客観的な恋愛診断。
簡単な心理テストで「あなたにピッタリの女性はこんなタイプ」などと無責任な答えを出す有象無象の恋愛カウンセラーに比べ、説得力が半端ない。


その縁談は男の意地で断りを入れたものの、以後誰かを好きになる度に、まず俯瞰的に己を見つめるようになった。


「その恋に、チャンスはあるのか?」
「相手と釣り合わないとしたら、自分はどう変わるべきか?」


些細なことには違いないが、それだけでも身の程知らずだった自身の恋愛観をかなりの部分矯正できたように感じている。

やりっぱなしのセルフ恋愛診断は無意味~女性からのフィードバックを糧に正しい自己認識を~

つまるところ恋愛の「打率」を上げたければ、自分自身を客観的に見る目を持って、成就の可能性がある相手を選ぶべきということだ。


むろん誰を好きになろうが個人の自由。
過剰に口を挟むつもりはないが、あまりに現実を超越した恋心からは結局何も生まれない。


誤解がないように言うと、見つめるべき自分というのは外見だけに限ったことではない。
恋愛とは究極の複雑系であり、ルックスは重要であるにしても、あくまでモテの要素のひとつ。
己の甲斐性はいかほどか、人としての器はどれほどのものか、そもそも他者から愛されるに足る男であるか。


正直言ってできれば生涯考えたくないことばかりだが、そこから目をそむけてはいけない。なぜならいずれも恋愛の過程において、相手の女性から厳しくチェックされることばかりだからだ。


もっとも、自らを省みるべしと口にするのは簡単だが、そう容易いことではないのもまた事実。
人は己を見つめる時に、無意識のバイアスがかかるもの。


こと恋愛に関して言えば、往々にして自己評価は甘くなる。
自らの欠けている部分を認識し、恋愛対象のレベルを下げられる男は世間に決して多くない。


それどころか実際には、客観的に自分を捉えることをハナから放棄している男すらいる。
「人間はみな自分の見たいと欲する現実しか見ようとしない」という言葉を残したのは古代ローマのユリウス・カエサルだが、わざわざそんな格言を持ち出さすとも、男にとって自分自身とは最も直視したくないもののひとつ。


だからと言って自身から目をそむけ続けていれば、恋愛における理想と現実のギャップはますます開いていく一方である。


そんな溝を埋めるためには、まず可能な限り己を突き放した視点を持って自己評価を下すと共に、恋愛観がこじれていないかセルフ診断を行うべきだ。


筆者の経験から言うと
「ストライクゾーンの年齢層が長年変わっていない」
「年上の女性を好きになったことがない」
「好みの女性の判断基準がビジュアルのみ」
という男性は危険信号。


手遅れになる前に現実世界へ視線を向けた方がよい。 


繰り返し言うが、人はおしなべて絶対的な客観性を持ち得ない。
恋愛のゴールが想像できる相手に狙いを定めたつもりでも、はかない結果に終わることだってままあるものだ。


その失恋の痛みもまた、等身大の自分を知るための糧である。
いわば実戦は自己診断の答え合わせ。


女性との心の駆け引き、相手の反応などからフィードバックを得て、よりリアルな自己像を認識していくことが必要なのだ。


セルフ診断からのリアル恋愛を経て、夢破れたのちに再び自らを省みる。
このサイクルを重ねることで、あなたの恋愛はより地に足のついたものとなっていくに違いない。

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神坂縁
ライター、編集者、翻訳者。週刊誌記者を経て某中堅出版社に入社。雑誌の製作に携わっていたが、十数年勤めた会社で内紛が起こったことを機に退職&日本脱出を決意。現在は国外の通信社に勤務し、アジアの政治・経済に関するライティングを本業としている。

Photo by Online Marketing on Unsplash

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