ヤリマンで有名だった高校の同級生は色情狂だったのか、抑圧に傷ついた女の子だったのか〜愛人ラマン〜

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同級生の佐奈がヤリマンとして有名になったのは、高校2年になる頃だった。

 

私たちが通う女子校内では、中3の頃から彼女の奔放なセックスライフが絶えず話題になっていたが、それが高2になる頃には、他校の生徒の間でも佐奈の名前を知らない者はなくなっていたのだ。

噂の出どころは、本人である。

 

彼女が自身の性行為について吹聴し始めたのは、中学3年の夏休み明けからだった。

あの残暑厳しい2学期の始め、私たちの間では

 

「ねぇ、佐奈が夏休み中に神社で彼氏とヤったって話はもう聞いた?」

 

が挨拶がわりになるほど、彼女の初体験の話題で持ちきりになった。

当時の私たちはまだウブな中学生だったので、同級生の佐奈が初体験を野外で済ませたことにも驚いたのだが、それより本人がコトの詳細をペラペラ喋りまくることにはもっと驚いていた。

 

佐奈は、いかにも初体験を早く済ませそうなタイプには見えなかった。

勉強も運動もできる優等生で、良くも悪くも目立ったりしないごく普通の女の子。

 

その佐奈の様子が変わり始めたのは、中学3年生になり初めての彼氏ができた頃からだ。

他校との交流が活発なクラブに入っていた彼女は、部活を通じて知り合った男子生徒と付き合い始めた。

それ自体は珍しいことではなかったけれど、彼女はその交際の様子をわざわざ全校生徒に見せつけるようにしたことで注目を集めた。

 

彼氏ができてからの彼女は、毎朝彼氏に校門の前まで送ってもらい、そこで始業のチャイムが鳴るまで彼氏と話し込むのを日課とした。

佐奈は門扉が閉められるギリギリに滑り込むのだが、その時間から学校に向かわなければならない彼氏の方は毎日遅刻を強いられる。

 

どうやら佐奈は、「彼氏を毎日遅刻させるほど愛されている自分」を私たちにアピールしたかったようだ。

そして、彼女の「私は愛されている」アピールはその朝の儀式に止まらなかった。

 

ある日の自習時間、佐奈が机の上に教科書を出しもせず、一心不乱に何かを書いているので、隣の席だった私は何をしているのかと声をかけた。

すると、佐奈は私と目を合わさず、表情を変えることもなく、「こんなものは全く大したものでは無いのだけど」とでも言いたげに、一通の手紙を差し出した。

 

それは佐奈が彼氏からもらった手紙で、上から下までびっしりと愛のポエムで埋められていた。彼女はそれを私に読ませたくて、声をかけられるのを待っていたのだ。

 

手紙の内容に感嘆し、しきりに羨ましがってみせるのがその時の私に期待された態度だったのだが、まだ子供だった私は意図を汲み取れず、さっと目を通しただけで黙って返し、

 

「この手紙に返事を書かなくちゃいけないんだよね」

 

という佐奈の言葉にも、ただ黙って頷いただけだった。

 

彼女は、いかに自分がモテるのか、どれほど彼氏から愛されているか、そして何より「非処女の自分はあなたたちより深い世界を知る大人なのだ」とアピールすることにばかり熱心になった。

 

佐奈は彼氏から手紙をもらう度にそれをクラスの皆に見せつけ、「べつに自慢じゃないんだけど」と言いながら自慢話をして回るので、話を聞かされる私たちの方は、興味深いふりや感心するふりをしながら目配せを交わしあった。

 

ほどなくして、佐奈を毎朝学校に送り届ける役目は他の男の子に変わり、まだ顔も覚えられないうちにまた別の男の子に変わった。

朝の顔ぶれが目まぐるしく変わり続けるなか、放課後は放課後で朝とは違う男の子が校門前で佐奈を待っており、時には二人から複数人の男の子たちが待ち構えていることもあった。

 

「なんであの佐奈が…」

 

という私たちの言葉には、2通りの意味が含まれていた。

 

それは、勉強ができて体育の授業でも活躍する優等生だった佐奈の豹変ぶりに対する疑問と、私たちの目には魅力的に見えない佐奈がなぜモテるのか、という疑問だ。

 

佐奈は、私たちの基準で「可愛い」女の子ではなかった。

丸顔で団子鼻の佐奈の顔には愛嬌があり、可愛いと言えなくはなかったけれど、いわゆる美少女ではなかったし洒落っ気もない。

身長も低く、丸っこい体型で、胸だって大きくなかった。

 

いぶかしむ私たちに対し、佐奈は自分がモテるのは知性によるものだと主張し、教室では鼻高々に「モテる会話術」を披露した。

 

延々と続く自慢話と猥談にやがてうんざりした私たちは、「何あいつ、バカみたい」と囁き合い、男の子たちが佐奈を取り囲んでいるのはモテているのではなく、簡単にセックスさせるから重宝がられているのだと噂し、白い目を向けるようになった。

 

すると、佐奈は自分に向けられた冷ややかな眼差しや後ろ指に反発するように、露骨さと過激さをより一層エスカレートさせた。

佐奈は毎日のように、今日は5人の男子と順番にセックスの約束をしているだとか、複数人を一度に相手にする予定だと、私たちが鼻白むような話をし、見せつけるように男の子たちを引き連れて、制服のままラブホテル街へと繰り出していくようになった。

 

呆れた私たちはやがて佐奈を一切相手にしなくなり、彼女は校内で孤立した。

しかし、そんな佐奈にも親友ができた。亜紀という高校からの編入生と急速に親しくなり、休み時間も放課後もいつも二人で一緒に居るようになったのだ。

 

亜紀も元々ヤリマンだったから佐奈と仲良くなったのか、佐奈に影響されてヤリマンになったのかは分からないが、どちらにせよ亜紀も佐奈と肩を並べるヤリマンとして知られるようになっていった。

二人になると心強くなったのか、佐奈は一層大胆で挑発的になり、休み時間になると亜紀と二人でコンドームのコレクションを机に並べ、ファイリングして見せながら、大きな声で前日の「成果」についてお喋りをする。

 

そんな姿をよく教師に見咎められなかったものだと思う。大人に対する反発心と思春期の結束力で、どんなに嫌いであろうと誰も佐奈の振る舞いを教師にはチクらなかったのだろうか。あるいは売春しているわけではないので学校側も対応しあぐねていたのだろうか。

 

とはいえ、結果的には佐奈と亜紀は二人一緒に高校3年の半ばに退学した。実際には放校処分だったのだが、あくまでも自己都合による自主退学ということになっていた。

 

街で佐奈と会ったという同級生が事情を聞いたところによると、佐奈と亜紀がキャバクラで働いている現場を教師たちに抑えられたのだという。

二人はまだ働き始めたばかりだったと言うが、どうせ店でもヤリマンぶりを発揮していたのだろうから、お客を寝取られたキャバ嬢の誰かが学校に通報したのかもしれない。

 

事情はどうあれ、これでもう二度と顔を見ることもないし、噂を聞くことも無くなるだろうと思っていた佐奈の名前を、幼馴染の圭一の口から聞いた時には心底驚いた。

 

「あのヤリマンで有名な佐奈と亜紀が、学校辞めさせられてから毎日Queenに来てるよ」

 

Queenとは、不良というほどではないけれど、素行の悪い男子高校生たちが溜まっていたゲームセンターだ。

そこで二人は圭一たちに混ざってストリートファイターに興じているという。

わざわざそんなところに出かけてまで男子高校生漁りを続ける彼女たちの浅ましさに、私はほとんど感心した。

 

ただ、彼女たちが名うてのヤリマンであることは圭一たちも重々承知であり、流石に誰も迂闊に手を出さないという。それでも仲間として彼女たちを受け入れていた。

 

「なんであんなのと仲良くするの?佐奈のどこがいいの?」

と、当時まだ狭量だった私が問うと、圭一は

 

「まあ、そう言うなよ。あいつらはそれぞれ家庭が複雑でさ、居場所がないんだよ。けっこう可哀想なんだぜ」

と意外なことを言った。

 

母親と折り合いが悪いこと、非常に厳格な祖母と二人暮らしをしていること、圭一から聞いた話はどれも、佐奈について初めて知ることばかりだった。

考えてみれば、私たちが佐奈の家族について話を聞いたことは一度もなかったのだ。

どうして佐奈は、学校では誰にも悩みを打ち明けなかったのだろう。

 

それから数年の時が流れ、あれは私たちが23歳の頃だったろうか。地元に帰省した私は女子校時代の仲良しと飲みに出かけた。居酒屋を一軒二軒とはしごして、いい気分で繁華街を歩いていたとき、

 

「ね、ちょっと、あれ。あそこの屋台でたこ焼き買ってる人って、佐奈じゃない?」

急に立ち止まった友人が指さした先を見ると、佐奈がいた。

いかにもお水でございという服装の佐奈は、格好は大人びているのに丸い童顔と、どこか垢抜けないイモ臭さが昔のままだった。

 

「佐奈はこの辺のキャバで働いてるとは聞いてたけどね。会話上手でオジサンたちに人気あるらしいよ」

と友人は続けた。

 

「私がモテるのは頭がいいから。会話で相手を落とすの」

と言っていた佐奈の言葉は、まるきり嘘というわけではなかったのだ。

それが、私が佐奈を見た最後だ。

 

「思えばわたしの人生はとても早く、手の打ちようがなくなってしまった。十八歳のとき、もう手の打ちようがなかった」

フランスの純文学作家だったマルグリット・デュラスは、自伝小説「愛人〜ラマン」の冒頭で、己の人生をそう振り返っている。

デュラスの小説を元にした映画が話題をさらったのは、私が高校生の頃だ。甘美な内容もさることながら、激しいセックスシーンを演じた主演女優がまだ15歳であったことが欧米諸国で問題視されていた。

 

大学生になってからやっと原作小説を手に取った私は、そこに描かれた少女の力強さにすっかり魅了されてしまった。

なにせ表紙からしてすごかった。16歳当時のデュラス自身の写真が使われており、写真の少女は幼い顔立ちなのにゾッとするほどの色気と眼力がある。

 

彼女は植民地に暮らす白人でありながら貧困で、貧しさに追い詰められたヒステリックな母親と横暴な兄に、「売女」と罵られ打ち据えられながら、愛人からダイヤや多額の金品を贈られて特別な生活を送るのだ。

 

どれほど激しく交わっても、彼女は決して男を愛さない。蔑むくせに金品には目が眩む家族の憎悪を受け止めるほどに、そして社会から孤立するほどに、抑圧に対する反発は性欲となって彼女の中で燃えさかる。

 

これが並の女であれば色狂いの売女なのだが、デュラスが並の女ではないところにこの話が文学として成り立つ所以がある。

 

佐奈もどれほど男たちを咥え込もうと、決して誰かを愛そうとはしなかった。しかし、デュラスのように女として磨かれることもなかった。

佐奈は確かに見どころのある強くて賢い女の子だったのに、その知性も個性も結局は凡庸の域を出なかったということだろうか。

 

複雑な家庭環境を背景に持ち、並ではない青春を送った佐奈は、今頃どうしているのだろう。案外ふつうのおばさんになっているのかもしれない。

 


 

【著者】マダムユキ

ネットウォッチャー。

最高月間PV40万のブログ「Flat 9 〜マダムユキの部屋」管理人。

リンク:http://flat9.blog.jp/


 

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