覚せい剤で逮捕されたらどうなる?15年マジメに生きた元ヤクザの転落人生の場合

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今回私が傍聴したのは覚醒剤の裁判です。

建造物破壊の罪名もセットでついてきました。被告はホテルで覚醒剤を使用し、客室のドアを破壊してしまいました。被害額は42万円で、ほぼ弁済されています。

 

被告は浅黒い肌が特徴的な初老の男性。身体は筋張った筋肉の持ち主であることが服の上からでもわかるほどです。

建設関係の個人事業主をやっており、いわゆる1人親方というものでした。

 

取引先の社長が被告についてコメントしており、弁護士が読み上げます。

「被告は仕事はやるのだが、酒を飲むと気が大きくなるところがある。酒の席でウチの従業員とのトラブルなどもあり、契約し続けるのは従業員との関係もあり難しい所だが、かわいそうだから最後のチャンスとして契約してあげたい」

 

なんだか、あまり歓迎されていないようなコメントです。続いて被告の手紙が読み上げられました。

 

「私が今回覚せい剤を使用してしまったのは、交通事故を起こされ鬱になってしまったからです・・」

 

どうやら、ただの覚せい剤中毒ではないようです。

弁護士による被告人質問で、被告の歩んできた壮絶な人生が語られました。

 

「1994年に、飲酒運転で事故を起こしていますよね?」

「はい」

「その翌年、窃盗で逮捕されてますね?」

「自動販売機を壊して、金を盗んでました」

「その翌年は住居侵入窃盗」

「同じく金のため、覚醒剤を買うためです」

「この時は、何で覚醒剤をやったんですか?」

「快楽を得るためです」

「2001年には児童ポルノ法違反を?」

「ヤクザをやっていて、親分が経営するデリヘルを手伝っていました、そこの女の子が未成年だったんです」

「自分が18才の女の子と・・・となってますけど?」

「誤りです、私はやっていません」

 

犯罪まみれの被告人の人生です。そしてどっぷりと覚醒剤にハマっていたようでした。

 

「暴力団にはいつから所属していたんですか?」

「中学校を卒業してからです」

「では、15年ほどやっていた?」

「はい」

 

15~30才ぐらいまで暴力団員だった被告。覚醒剤と犯罪歴がその壮絶な半生を語るようでした。そこから足を洗ったのは、家族の力があったようです。

 

資格多数!15年の真面目なあゆみ

弁護士による質問はまだまだ続きます。

 

「結婚はしてましたか?」

「はい、離婚してしまいましたが子供もいます」

「子供とは今もあっていますか?」

「時々、他県にいます」

「他県で何を?」

「大学に進学しました」

「お金の支援はしましたか?」

「はい、入学金や必要なパソコンなど買い与えました」

 

子供が生まれたのを機に、被告はヤクザから足を洗ったようです。その後の犯罪歴は道交法違反だけでした。

 

「疲れて、睡眠薬を飲んだんです。そしたら、その時お世話になっていた社長から電話があって『飲まないか?』って、酒と薬で意識が切れて、事故ってしまいました」

「それから悪いことはしてないですか?」

「はい」

 

被告は子供の為に、立派な父親であろうとしたのだと思います。ヤクザから足を洗い、覚醒剤を辞め、建築会社を立ち上げました。

 

弁護士の質問は続き、被告の建設系の仕事についても聞き出します。

 

「あなたのやっている〇〇創建という会社について教えてください」

「型枠を造る仕事をしていました。人を雇っていた時期もありましたが、それはやはり難しく、1人でやっています」

「仕事はどこから取って来るんですか?」

「それまでお世話になった、付き合いのある会社から自然と声がかかってきます」

「収入はどれほどありました?」

「人を雇っていた時は年600万ほど、1人の時は月40万ぐらいです」

 

おお・・結構な収入です。

経費抜きではないかもしれませんが、それでもすごいじゃないですか。

型枠大工って儲かるのかな?と傍聴席で思いましたが、間違いでした。

被告は、ものすごく努力したのです。

 

「好きな仕事はなんですか?」

「やはり、型枠です」

「資格は持っていますか?」

「はい、安全運転管理者、型枠工事、足場組立・・・・・・・・」

 

被告人が列挙した資格は10個近くありました。メモが間に合いません。

 

これらの資格を取得する難易度は不明です。ですが、少なくとも講習費や登録費が必要でしょうし、そのための日数もかかります。

被告がヤクザを辞めて、覚悟を決めて、根性を据えて取り組んだ証拠ともいえるでしょう。

 

だからこそ、高い月収を得ることが出来たのです。子供を大学に進学させ、男の人生の責任を果たしたと思います。

 

そうして努力して積み上げてきたものが、あっさりと瓦解してしまいました。覚醒剤とSNSによってです。

 

SNSのダークサイドがまた見えてしまった

弁護士の質問は今回の事件について迫ってきます。

 

「休日は何をやってるんですか?」

「スーパー銭湯でサウナに入ったり、動画を観たりしています」

 

なんか普通でいいですね。私と全く同じ休日の過ごし方に親近感がわきました。スーパー銭湯に入れるということは、入れ墨もないのでしょう。

 

「なんで今回やったの?最後の有罪から大人しくしていたのに」

「・・・」

「覚醒剤やって気分は晴れました?」

「仕事の事故で鉄骨が腹に当たり、それが一歩間違えれば死ぬというものでした。気分的に落ち込んでしまい、そんな時に車で事故られてしまって、死にたくなって・・」

「それでどうしたのですか?」

「どんな死に方がいいか考えて、苦しいのは嫌だと・・そこでアマゾンで『完全自殺マニュアル』を購入して読んで、覚醒剤をいっぱい使って死ぬのがいいと思ったんです」

 

「それが今回?」

「はい、苦しまないで死ねると思って」

「どのぐらいの量だったんですか?」

「0.89g買って、0.68g使いました」

「ホテルのドアを椅子で壊したのは覚えてます?」

「なんとなく・・錯乱していたのであまり覚えていません」

 

自殺に失敗して、逮捕され、弁護士と接見した時、被告は「死にたい」と弁護士に言いました。

 

「今も死にたいと思ってます?」

「全く思っていません」

「社会にもどったらどうしますか?」

「はい、私が一番自信があるのが型枠の仕事です、人にも教えられますし、汗を流して、できるものなら生活を取り戻したいです」

 

話は覚醒剤の入手先についても、質問が及びました。

 

「覚醒剤を買った人や場所は言えない?」

「名前は言いたくありません、30年前からの知り合いです」

「連絡は取ってなかったんですよね?」

「仕事のつながりが少しあって、そこからSNSで連絡を取りました」

「その人が何故覚醒剤を持っていると思ったんですか?」

「その人もヤクザだったので、持っている人を知っていると思いました」

「最後に何かありますか?」

「私は今回、1人で悩んで1人で落ち込んでいました。今後は話せる人に相談するようにします」

 

長い弁護士の質問が終わりました。

次は検察による被告人質問です。

 

「どうすれば覚醒剤をやめられると思いますか?」

「もともとやりたいわけではありませんでした」

 

あっさりと終わりです。そして検察は1年6月の求刑、おそらく執行猶予が付くでしょう。

最後に、被告から裁判長に発言する機会が与えられました。

 

「最後になりますが、網走刑務所を出てからまじめに努力をしてきました。一度生まれ変わって反省し、今回のような公判も税金を使っていると思うと・・誠に申し訳ございませんでした」

 

まとめ:硬く脆いプライド

覚醒剤の中毒はすさまじく、何度も何度も抜け出しては失敗を繰り返すようです。それは芸能人のニュースや他の覚せい剤の裁判でもうかがえます。

 

被告はそんな覚醒剤の魅惑から抜け出し、15年努力していました。凄い精神力です。元ヤクザであり、覚醒剤の前科もあるという社会的ハンデを背負いながら、子供を大学に入れることまで、やってきました。

それが崩れてしまったのは、他人に相談できないというプライドです。死にたくなるほど落ち込んだとき、話を聞いてくれる他人が人生では必要なんです。

 

自分にはいるかな?と傍聴帰りによったスーパー銭湯でサウナに入りながら思いました。弱くかっこ悪いところをさらけ出せる他人、何個か顔が浮かんできたのでホッとしました。

 


 

【著者プロフィール】

ライター名 : 野澤 知克

自営業(飲食店)を営みながら、ふとしたきっかけで裁判傍聴にハマった傍聴ライター。

現在は兼業ライターとして、介護の仕事をしながら裁判所に通う毎日。

事件を通して人間の「生き方」と向き合ってます。

Twitter:@hatinoyado

 


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