この世でもっとも重い罪は「人の信頼を裏切ること」 要介護者のお金を奪った介護職員の末路とは

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この世で最も重い罪は、他人の信頼を裏切ることです。今回、住居侵入窃盗の裁判を傍聴したのですが、まさにそのような犯行でした。被告は他人の信頼を裏切ってしまい、重い罪を背負ってしまったのです。

 

犯行内容を一言でいうと、被告は介護職の立場を利用し利用者のお金を盗んだのでした。被害額は10万円ほどですが、被告には法的な罰則よりも重い罰が下っていました。

 

利用者の家に侵入し10万円を奪った被告

住居侵入窃盗の裁判を傍聴しました。被告は30代の男性です。がっしりとした体格で、犯行時の職業は介護職でした。

私も施設で働く介護職ですので、同業者の犯罪に興味がそそられてしまいます。

被告は訪問介護を仕事としていました。この仕事は利用者の家に訪問し、決まった時間ケアをするという仕事です。

ケアの内容は様々ですが、料理を作ったり、買い物に行ったりすることも含まれます。

 

ですので、犯行自体は容易です。訪問介護をし、合鍵を見つけ(もしくは教えてもらって)その合鍵を作り、利用者がデイサービスに行っている間に侵入、現金を盗むのは簡単だったでしょう。

 

被害額は10万円ですが、利用者にとっては大切なお金なはずです。なぜなら、介護施設を使う利用者はとても弱い存在で、被告や私のような介護職のサポートが無ければ生きていけないからです。

そのためには年金や貯金を切り崩さないといけません。生きていくために必要なお金だったでしょう。

 

利用者はそんな弱い立場にあります。だからこそ、信頼関係は大事で、通帳やハンコの場所、病歴やかかっている病院、家にいる時間、一日のスケジュール、介護者は全部知っていなければ仕事にならないし、利用者は自分のすべてを晒す必要があります。

信頼関係がなければやっていけない仕事なのです。

 

さらに被告は介護士と準看護師の資格を持っていました。おそらく専門的な仕事もしていたはずです。課長という立場であり、職場や利用者の信頼は厚かったのではないでしょうか。

 

そんな人が・・・と傍聴席で溜息がでました。中途で採用された私のような者からすると、被告の社会的地位は垂涎のかなた、残りの人生を一生懸命働いても辿り着けない立場です。

そんな人が、利用者の家に侵入し、窃盗を働いてしまうとは・・・。

 

なぜ、やってしまったのか。その動機は「パチンコで負けた金を取り戻そう」という浅はかなものでした。

 

パチンコの沼から脱出できなかった

弁護士に呼ばれ、被告人の母親が証言台に立ちます。小柄で、愛情をもって被告を育てた女性という印象でした。

震える声から後悔の念が伝わってきます。

 

「息子さんの犯罪を知って、どう思いました?被害者に対してなにか思うことはありますか?」

「まさか自分の息子が・・と、頭が真っ白になりました。息子が犯した罪で精神的な苦痛を与えてしまい、この罪は息子と一生をかけて償っていくつもりです」

「今回の弁償金はお母さんが?被害額は10万でしたが」

「はい、私が用意しました。苦痛を与えてしまったということで、少しでも多く、30万円用意しました」

「職場関係の家に侵入した原因は何だったと思いますか?」

「ギャンブルにのめり込んでしまったからと思っています」

「仮に、ギャンブルじゃなかったらやらなかったと?」

「やはり、ギャンブルと言うのは欲の塊で・・・・ギャンブルじゃなかったらしなかったと思います」

 

いい母親だなと思いました。家族の監督が期待できるのは裁判としては良い材料です。

さらに保釈金も家族で出し合ってくれました。被告は恵まれた家庭環境で育ったといえるでしょう。

 

続いて、弁護人による被告本人に対する質問です。

被告が証言台に呼ばれました。

 

「今いくつですか?」

「35歳です」

「パチンコは好きなのですか?収支についても教えて下さい」

「好きでした。ずっとプラスでしたが、ここ数年は・・マイナスのほうが多かったと思います」

「どうして窃盗をやってしまったんですか?」

「今まで負けたことが無いほど負けてしまい、それを取り戻そうとしてしまいました」

 

「やられた分、取り返そう」とギャンブルの負けをギャンブルで補おうとした被告。それは破滅への道です。

そして、被告はパチンコの負けをパチンコで取り返せないと悟り、窃盗の道をすすんでしまいました。

 

被告は泥沼へと沈んでいきます。それはギャンブルに喰われてしまった人間の、悲惨な末路と言えるものでした。

 

刑事罰よりも重い罰を既にくらっている

「犯行時の、手持ちの現預金がゼロだったのですか?」

「いえ、3~40万ありました」

「なんで、それをギャンブルに投資しなかったんですか?」

「子供たちの為の、病気とか進学のお金でしたから・・・」

 

そこは踏みとどまれたようです。人間として、大事なところまではギャンブルに食われていませんでした。

 

「家族は何人いるのでしょう。妻とはどうしますか?」

「妻と子、そしておなかの中に1人・・・。私は続けていきたいと思っています」

「今までの勤務先はどうなりました?」

「懲戒解雇になりました。その月の給料とボーナス、積み立てていた退職金も無くなりました」

「資格は持っていました?」

「介護士と準看の資格を持っていましたが、資格取り消しになると思います」

 

それまで積み上げた被告の人生が崩れてしまったようです。解雇は仕方ないにしろ、給料やボーナスは無くなり、資格もはく奪となると・・・どうやって生活すればわからなくなるかもしれません。生きる術を奪われてしまったも同然です。

 

「今仕事していますよね?」

「はい。建設関係の仕事に、今回の事を全て話して、1日7000円で雇っていただいてます」

「刑務所は嫌ですか?」

「妻と子供を養っていけないのが辛いので、できれば行きたくありません・・・」

「ギャンブルについて今、どう考えていますか?」

「自分はギャンブル依存症だと思っています。依存症の専門病院にかかり、治療をし、自助グループに入る予定です」

 

想像するだけで苦しい被告の生活です。ですが、それでも家族の為に働こうとする被告の真面目さがうかがえました。「残りの人生をかけて、被害者に償いたい」と法廷で頭を下げる姿が印象的でした。

 

最後に弁護士が「被告は35歳と比較的若年であり、資格をはく奪され給与も受け取れず、懲戒解雇になっている、社会的制裁はすでに受けていると言える、真摯に反省しており、家族による監督も期待できる、執行猶予が妥当である」と弁護し、締めくくっていました。

私も同意見です。

 

まとめ:他人の信用を裏切ってはいけない

ギャンブルとは恐ろしいものです。私も麻雀にハマったことがあり、幸いなことに弱かったのですぐに脱出できました。もし、麻雀が強かったら地獄のような人生だったかもしれません。

 

被告は利用者の信用を裏切り、地獄に落ちました。被告の受けた罰を見れば、もう刑事罰は必要ないと思います。願わくば、被告に再び介護職への道をと思います。

 

誰だって、何かに頼らなければ生きていけません。被告にとってそれがギャンブルだったのだし、施設の利用者にとってそれは被告のような介護職だったのです。

 


 

【著者プロフィール】

ライター名 : 野澤 知克

自営業(飲食店)を営みながら、ふとしたきっかけで裁判傍聴にハマった傍聴ライター。

現在は兼業ライターとして、介護の仕事をしながら裁判所に通う毎日。

事件を通して人間の「生き方」と向き合ってます。

Twitter:@hatinoyado

 


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