
互いに好きなのに、趣味が合わなくて二人の時間をうまく楽しめない。そんな悩みで頭を抱えたことが過去にありました。
今回はそのとき悩んで行動した体験談から、趣味の合わないカップルが、ふたりで楽しめることを見つける方法について紹介します。
趣味も性格も違う彼女と自分。デートが楽しめず、互いにすれ違っていた
私と彼女は趣味も性格もかなり違うカップルでした。
私は海や山に出かけたり、小説を読んだりすることが好きでした。
趣味は多い方で、絵を描いたり焼き菓子を焼いたりするのも好きです。
『やりたいことがなくて休日の過ごし方が分からない』なんてことは、彼女と出会うまでほぼ経験したことがありませんでした。
一方、彼女にはこれといった趣味がありませんでした。
昔は彼女にもやりたいことや趣味が色々とあったはずですが、学生時代と社会人になってからの大半の時間を、常に学業と仕事で忙しくしていた彼女は、いつしか趣味を失ってしまったようなのです。
強いて言えば、テレビを見たり買い物をしたりすることは楽しめるようでしたが、趣味というほど強く熱中できるものでもないらしく、彼女本人は、楽しめることを見つけられないと悩んでいました。
遠出やものづくりが好きだった私と、趣味そのものがない彼女。
私たちは比較的仲の良いカップルでしたが、デートでの過ごし方には毎回悩みました。
私自身の趣味に付き合わせても、彼女にはどうやら合わなかったらしくつまらない顔をするばかりです。
これまでの私の人間関係は、ずっとやり続けることができる趣味があって、ともかくその趣味に費やす時間が圧倒的に足りない人物ばかりでした。
そういった人物と一緒に過ごす場合、共通の趣味さえあればいくらでも遊んでいられます。
しかし、好きなことが一致しない彼女との過ごし方には、当時大いに頭を悩ませました。
好きじゃないものを好きになるのは難しい
ふたりで楽しめるデートにするために、私たちが試したのは、相手の好きなものを、それぞれが好きになろうとすることでした。
私は彼女と一緒にテレビを見て楽しめるようになろうとし、彼女は私と一緒に海に行ったり山に行くような遊びを楽しめるようになろうとしました。
しかしこれは簡単なことではありませんでした。
人が無理やり興味のない人のことを好きになろうとしても難しいのと同じで、もともと興味のない方面の趣味や娯楽について好きになろうとしても、実際にはなかなか好きになれないのでした。
また、興味のないものについて無理に好きを装っても、互いに、本当に楽しんでいるのかどうかなんて見れば分かってしまう間柄でした。
楽しくないのに楽しいと振る舞うことは、互いに余計な気遣いをさせるばかりで、決して良い過ごし方とは言えないものでした。
ふたりの『好き』の見つけ方
このままではいけないと、私たちは何とかして二人で楽しめるものを見つけようとしました。
好きではないものを好きになるのは無理です。ではどうすれば、ふたりの共通の『好き』を見つけられるでしょうか。
悩んだ末、考えついたのは以下のふたつのアプローチでした。
- 『知ってはいたが詳しくはないジャンル』について、深く知ることで新しい『好き』を発見する
- 『これまで一切関わりのなかった未知のジャンル』について、新しく初めてみることで新しい『好き』を発見する
私たちが試したこれらのアプローチについて、以下で紹介します。
深く知らなかったものの中から『好き』を見つける
まず試したのはこちらのアプローチです。
これまで興味や関心がなくて、表面をなぞった段階でこれは好きじゃないなと見放していたことについて、あえて深く知ろうとしたのです。
前に、彼女と楽しむために、もともと好きではなかったテレビを無理やり好きになろうとしたときには、好きになるのを失敗しました。
失敗の原因は、好きではないと思った時点で深く知ろうとするのをやめてしまったことです。
より深く知ろうとすれば、もしかするとどこかの段階で、なにかしらの『好き』にヒットしたかもしれません
そういうわけで、今度はあえて番組の収録の仕方やドラマのシナリオライターなど、普段は気にすることのなかった裏側のことにまで興味をもって調べてみました。
すると以前は何も面白いと感じなかったテレビ番組が、綿密に計算された特殊な舞台上の演劇のように思えてきて、面白く感じるようになっていきました。
テレビが好きではあったものの、趣味というほどではなかった彼女も、舞台裏を知ることで以前よりテレビを楽しめるようになりました。
知らない世界の中から、ふたりの新しい『好き』を見つける
もうひとつ試してみたのが、ふたりが知らない未知の分野の中から、新しい『好き』を探すことです。
これまでやったことのないことなら、ふたりで楽しめることがあるかもしれない。
そう考えて、ふたりで様々なことにアンテナを張って、体験教室やイベントなどに積極的に参加してみました。
ガラス作り体験をしたり、食べたことのない料理の専門店に行ってみたり、さらにはふたりでボクシングの教室に行ってみたりしました。
私も彼女もボクシングどころか武道に関わるものは一切触れてこなかったので、これはとても新鮮でした。
残念ながらボクシングは私たちにはあまり合わなかったのですが、この教室に来ていた人に24時間営業しているワークアウト用のジムを勧められました。
筋トレでジムに行くなんてスポーツをしていた頃ですらやっていなかった私たちでしたが、ものは試しと思って入会してみると、これが意外なことにヒットしました。
毎日の仕事や家事のあと、一日の終わりにリフレッシュとしてジムに行くのはとても快適なものでした。
筋トレ自体にはあまり興味がなく、これまで一度も『筋トレをしにジムへ行きたい』と思ったことのない私たちでしたが、鍛えることで得られる気持ちよさや充実感が、私たちの好みに合いました。
以来、あまりハードなトレーニングはしないですが、ふたりで仕事あとや休日にふらりとジムへ行き身体を動かすのが私たちふたりの新しい趣味になりました。
ふたりに共通する『好き』を探して得た気付き。好きなことは同じじゃなくていい
深く知ること、または新しく始めてみることでふたりの新しい『好き』を探した私たちでしたが、その中であることに気付きました。
それは、『好きなことは同じでなくても良い』ということです。
かつては『好きなことが合わないから一緒に楽しめない』と思っていました。
しかしそれは違ったのです。
これまで一緒の時間をあまり楽しめなかったのは、『好きなことが合わない』からではなく、『好きなことが合わない、と相手に気を遣っていたから』なのでした。
ふたりで真剣に互いの『好き』について向き合うにあたって、遠慮のない正直な気持ちで互いのことを話しました。
これは面白かった、あれはつまらなかった、それは楽しかったけど一回きりでいい。
ふたりの共通の趣味を求めて、様々なことについて素直な心のうちを交換した結果、私たちふたりの間には良い意味で遠慮がなくなりました。
遠慮があったときには、『こんなことしても相手は楽しめないだろうな』という思いが場の楽しさを余計に失わせていたのです。互いに『相手に悪い』と気遣っていては、心の底から楽しむなんて出来ません。
ふたりの『好き』を探している中で、何度も交換した互いの気持ちや感想。それらの交換そのものが、私たちの距離を近付け、心を温かくしました。
なにかをやってみた結果がつまらないものだったとしてもいいのです。『あれはつまらなかった』とふたりで笑い合う帰り道そのものが、ふたりにとっての思い出になるのだと、今回のことで私たちは学びました。
まとめ
デートのとき、『趣味が合わなくて、なにをすれば楽しめるのか分からない』というカップルには、次の方法でふたりの共通の『好き』を見つけるのがおすすめです。
- 既知の事柄について深く知ろうとする
- 新しい未知のことをはじめてみる
なにが楽しくて、なにがつまらないのか。互いの気持ちに正面から自然体で向き合うことができれば、一緒になってふたりの『好き』を探すことも、それ自体が楽しくなってきます。
なにかしらの共通の趣味が見つかればラッキー。もし見つからなかったとしても、それは人の心がすることですから、仕方のないことです。
でも、たとえ共通の趣味が一致しなくとも、一緒に楽しめるものを探したいという感情の交流そのものが、互いの心を温めてくれますよ。
ライター名:sig_Right
プロフィール:元パティシエのITエンジニア。文筆業が好きで、仕事の合間にライターとして各所で記事を寄稿しています。得意な焼き菓子はシフォン。