
突然ですが、この場を借りて少し懺悔させてください。
以前……といってもずいぶん前なのですが、「女に家庭的であることを求める男は時代の変化を理解していない」というツイートをしたことがありまして。
そこでフォロワーの方から、「好みなんて個人の自由じゃないですか」というリプをいただきました。
そのときわたしは、「なーに言ってんだ、いまどき女に家事能力を求める男なんてロクなもんじゃないだろ」と思って、反論したんですね(言葉は選びましたが)。
でもそれは、決めつけがすぎました。
それに関しての反省と、なぜわたしが「女に家庭的であることを求めるのはロクでもない男」だと決めつけたのかについて、書かせていただこうと思います。
わたしが「家庭的な女性がタイプ」という男性に対して否定的だったのは、その発言のウラに、「俺の世話をしてくれるママがほしい」という欲求を感じてしまうからです。
おなかすいた~。ご飯まだ?
俺の靴下どこ?
最近なんか家汚いじゃん、家事サボってるの?
みたいな。
そういう甘えを、「家庭的」という言葉で包んであたかも女性の美徳であるかのように仕立て上げ、女性にその役割をまっとうすることを期待する……そんなふうに思うんです。
よくあるじゃないですか。
「わたしはあなたのお母さんじゃない」だとか、「自分自身が子どもなのに子どもがほしいとか言うな」という女性の怒り。
その根底には、この「俺の世話をしてくれるママがほしい」という欲求に対し、「いい年した大人なんだから自分でしろよ」というイライラがあるんですね。
で、わたしは「家庭的な女性がタイプ」という男性に対し、このイライラを感じてしまうわけです。
「女なら当然」という顔で家事を女に押し付けるつもりなんでしょ?
昭和時代に帰ってどうぞ、と。
いまの時代、女だって働いてるわけですよ。
それなら男だって家事をすべきじゃないですか。
そりゃ、家事の負担率はそれぞれのカップルや夫婦によります。
とはいえ、女だから「家庭的」を求められるなら、「じゃあ仕事辞めて専業主婦になるのでがっぽり稼いでくれるんですよね?」と言いたくもなる。
でもそれをできる男性は、このご時世かなり限られているのが現実です。
だったら、女に「家庭的」を求めるのはおかしいじゃないかですか。
そう思っていました。
だから、「家庭的な女性がタイプ」という男性を見ると、「うわぁ女をコキつかう気満々のお子ちゃまだわぁ〜」という決めつけがあったんですね。わたしのなかで。
話は変わりますが、この前、高校時代の男友だちの家にお邪魔したことがありました。
しかも、「料理にハマってるからリクエストして〜」というオプションつき。
あんまり手間がかからず、一度に大量に作れて保存できる料理なら負担が少ないだろう……ということで、ハヤシライスをリクエストしました(単にわたしの好物でもあります)。
ハヤシライスって、わりと簡単に作れるんですよね。お湯にルー入れて煮込むだけですから。
牛肉と玉ねぎだけで済むぶん、カレーよりも楽です。
でも彼は、ルーに頼らず、なんと赤ワインやらトマトやらで味をつけてイチから手作りしてくれたんです!!
しかもおつまみにキャベツ炒めとミニトマトもつけてくれるというサービスまで!!
家にお邪魔したときに漂うハヤシライスの独特なにおい。
待っているあいだに聞こえてくるパチパチというキャベツの焼ける音。
座って待っている間のワクワク感、料理が並んだ時の感動、一口目を食べた時の充足感。
どうしたらこの喜びを伝えられるだろうかと、かなりオーバーに感謝を伝え、料理を褒めまくりました。
人に料理をつくってもてなしてもらうって、こんなにうれしいことなんですねぇ。
そういう経験をして、「家庭的な女性がタイプ」という男性たちも、こういう空気感が好きなのかもしれないなぁと思ったんです。
自分のためにだれかが温かい料理をつくってくれる。
それが食卓に少しずつ並んでいき、いっしょに「いただきます」をして食べる……。
そういうワクワク感、安心感、うれしさがほしいから「家庭的な女性がタイプ」と言う人もいるかもしれません。
それって、わたしが思ってるような「都合のいい自分の世話をしてくれる女がほしい」ってわけじゃないですよね。
男女逆でも成り立ちますし、利用するつもりなんてまったくありませんし。
だから、「人の好みをとやかく言うべきではない」とリプをくださった方の意見はもっともで、正しかったのです。
それなのに、わたしは自分が正しいことを前提にして、思い込みだけで反論してしまいました。
反省。
ただ、自己弁護のようになってはしまいますが、「家庭的=女の価値」という呪いで苦しんでいる女性がたくさんいるのも事実なんです。
フルタイム勤務のうえ家事を全部やらなきゃいけない。
しかもそれが当然だと思われている。
自分の時間がまったくない。しんどい。だれか代わってほしい。
そうやって潰れそうな人、実際に潰れてしまう人もいます。
いくら「自分にとって都合のいい女」を望んでいるわけではなくとも、男性が女性に「家庭的」を求めるということは、女子にとっては男性が想像している何倍ものプレッシャーになりえるのです。
逆に、「彼に好かれたい」という健気さから、ムリして家庭的な自分を演出し、どこかで限界がきてしまう女性もいるかもしれません。
男性としては「家に帰ったらおいしい料理並んでたらうれしいよね~」くらいのテンションかもしれませんが、女性にとっては「家事をすべて請け負わなくてはならず、手を抜いたらいけない」という脅迫概念にすらなるのです。
このあたりは、個人差はもちろんですが、性別によって認識がかなりちがうでしょう。
たとえ「家事は女の仕事」と思っていなくとも、軽い気持ちで言う「家庭的な子がタイプ」は、女性からしたら地雷男に映る可能性があります。
女に「家庭的」を求めると、それだけで「ひどいこと」になりえる時代。
もし他意がないのであれば、「家庭的」という漠然とした言葉を使わず、「誕生日にご馳走をつくってくれる子が好き」くらいにとどめておいたほうが無難です。
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プロフィール:雨宮 紫苑(あまみや しおん)
91年生まれ、ドイツ在住フリーライター。Yahoo!ニュースや東洋経済オンライン、ハフィントンポストなどに寄稿。ブログ「雨宮の迷走ニュース」運営。著書「日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち」(新潮新書)
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