なぜ男性は、女性とのショッピングを楽しめないのでしょう

 

女性って、なんでこうも買い物が好きなんでしょうねぇ。

わたしも買い物には行きますが、女友だちとショッピングしていると、

「いつまで同じ店を見てるんだ……」

とイライラしてしまうこともしばしば。

 

女性の買い物に付き合う男性であれば、なおさら退屈だと思うでしょう。

女「どっちが似合うかなぁ」

男「どっちでもいいんじゃない?」

女「なにそれひどい!」

なんてやり取りは、世界中で毎秒ウン万件起こってるかもしれません。

 

というわけで今回のコラムでは、

「彼女とのショッピングデートがダルくてしょうがない」

という男性に向けて、エールを送りたいと思います。

 

出典:防衛省「漫画で読む防衛白書

みなさんは恋人や奥様と、初詣に行ったことがありますか?

どこに行くかにもよりますが、三が日に有名なお寺や神社に行ったのであれば、かなり混んでいたはずです。

でもきっと、丸1日彼女のショッピングにつき合わされるよりはマシ……という人がほとんどじゃないでしょうか。

価値観はもちろん人によりますが、混んでいるなか初詣に行くのと女物の服屋をめぐるのを比べれば、「前者の方がいい」という男性が多いと思うのです。

それはなぜか。

答えは簡単で、初詣は自分にも関係のあるイベントであり、彼女の買い物は自分に関係のないイベントだからです。

無関係なものより関係があるもののほうに興味をもつのは当然です。

 

ぶっちゃけ、彼女の服選びなんてどうでもいいですよね。

わたしの場合、わたしより夫のほうが買い物好きなのですが、毎回「どうでもいいから早く決めてくれないかなぁ」と思っています。

でもそれを態度に出すとお互い嫌な気持ちになるし、こっちも付き合ってもらうことがあるのでお互い様。

だから、最近はこう考えるようにしています。

「相手の服選びに興味を持つのは諦めて、相手と楽しい時間を過ごすようにしよう」と。

 

しかし、ふだんあまり買い物をしない、したとしても短時間でサクッと決めるわたしでも、かなり迷う買い物がありました。

それは、ウェディングドレスです。

 

結婚前、夫とウエディングドレスを選びに行った時の話です。

「好きなの選んだらいいよ。」

そう言って、スマホでネットサーフィンをしているんですよ。

ええ、ひどいですよね!?

「ふたりの結婚式なんだからもうちょっと協力的になってよ!」

と言ったところ、彼の返事はこれ。

「ウェディングドレスなんて、俺が興味あるわけないだろう?」

はい、もちろん私はブチギレです。

「一緒にああだこうだ言いながらドレスを選びたいのに!ふたりのことなのに!」

 

・・・でも落ち着いて考えてみれば、彼の言い分ももっともなんですよね。

他人が着るドレスなんて、たしかにそんなに興味はない。

その後わたしも彼の衣装選びに付き合いましたが、となりに並んだ時の見栄えやブーケのイメージに合うかなどは考えたものの、彼の服装自体は「好きにすれば」という感じ。

 

男性の衣装選びより女性のほうが圧倒的に時間がかかるのですから、夫が「めんどくせぇな」と思うのもムリはありません。

もちろん、買い物に付き合うのが好きな人もいますけどね。


そこで、改めて考えたんです。

なんでわたしは夫に対してあんなに腹を立てたんだろうって。

彼がドレスに興味がないなんて、わかりきっていたことなのに。

答えはきっと、「いっしょに楽しい時間を過ごせなかったから」。

 

ウェディングドレス選びって、なんやかんやワクワクするものなんですよ。

一生に一度の晴れ舞台で、自分が主人公になるのですから、当然気合も入ります。

それなのに、当の彼は無関心。どうでもよさそうにしている。

それがショックだったんです。


いっしょに決めて、ドレス選びも楽しい思い出のひとつにしたい。

わたしはそう思っていたから、興味をもってくれない彼に腹が立ちました。

「なんでいっしょに楽しんでくれないの。いい思い出をつくってくれないの」と。

 

これって、ふだんのショッピングデートでも同じですよね。

「どっちが似合う?」と聞く女性のいったい何割が、「彼は真剣にわたしの服選びに付き合ってくれる」と信じているのでしょう。

多くの人は、相手にとって自分の服がどうでもいいことだと承知しています。

あなたに「真剣に買い物の相談に乗ってくれること」と期待しているわけではありません。

 

それでも聞くのは、「いっしょに話し合って服を決める過程も楽しみたいから」。

ただ、「いっしょに決めていっしょに買った」という事実がほしいだけなんです。


先週の買い物デートで、赤と青のコートで迷っていた。

彼は青がいいと言ったから青にした。

次のデートではそのコートを着て行く。

彼は「そのコートやっぱりいいね」と言う。

「そうそう、このスカートとの相性がよくって……」

「へぇ似合ってるね」

と会話できれば、それで満足。

 

実際は適当に「青」だと言ったのかもしれません。

スカートとの相性なんてどうでもいいのかもしれません。

そりゃそうですよ、たいていの人にとって、他人のファッションなんて正直どうでもいいですから。

 

ただそこに、「いっしょにその時間を楽しんだ」という充実感があれば、それでいいのです。

それだけで、その服は「あのとき彼といっしょに買った思い出深い大切な服」になりますから。

 

彼女の買い物に対し、「自分が楽しいかどうか」基準で考えれば、そりゃたいていの場合「つまらない」のも当然です。

興味ないし、面倒くさいですもんね。

わたしも女友だちとの買い物でよくそう思っているので、わかります。

 

自分自身が楽しもうとしてもムダ。大事なのは、「ふたりの時間を楽しむこと」。

よくあるじゃないですか。

「なんでちゃんと見てくれないの」

「どっちだって同じだろ、興味ないもん」

「どうでもいいの!?」

みたいなケンカ。

 

いやね、正直どうでもいいんでしょうよ。わかりますよ。

でも、いっしょに楽しみたい側からすれば、「自分とともに過ごす時間がどうでもいい」と言われているようでカチンとくるわけです。

 

彼女の服に興味をもつ必要はありません。

ただいっしょにいて、楽しい時間を過ごせるようにある程度会話に付き合っていれば、それだけで多くの人は満足します。

 

「女の服選びに興味をもつ」というのは、ハードルが高いかもしれません。

でも、「いっしょにいる時間を楽しむ」という考え方にしてみれば、少しは見方も変わるのではないでしょうか。

わたしは夫の服装には相変わらず興味がありませんが、

「その色のセーターもう持ってるじゃん」

「ちょっと予算オーバーじゃない?」

「ちがうお店も見た方がいい気がするけど」

なんてかたちで付き合っています。

 

面倒でしかなかった買い物も、いまでは「ふたりでいっしょに決める作業」としてある程度楽しめています。

というわけで、女性とのショッピングが退屈でしかたない方は、「買い物」を楽しもうとするのではなく、「いっしょになにかする」ことを楽しもうとしてみてはいかがでしょうか。

 


 

【著者】雨宮 紫苑(あまみや しおん)

91年生まれ、ドイツ在住フリーライター。

Yahoo!ニュースや東洋経済オンライン、ハフィントンポストなどに寄稿。

ブログ「雨宮の迷走ニュース」運営。

著書「日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち」(新潮新書)