
出典:文化庁「互いを認め合うことで、この世界は少し生きやすくなる 『弟の夫』」
ここは六本木のとある会員制バーです。
30代から50代の働き盛り、遊び盛りの男女が集まり、夜毎楽しい時間を過ごしています。
そんな紳士淑女と密に接してきた元スタッフである私が、
「モテる男」
とはどういうものかについて、バーで見てきたこと、感じてきたことを基にお伝えします。
今回のテーマは「同性から好かれること」についてです。
男の魅力は男が一番わかります。
同性にモテるということは、ストレートに男性としての魅力がある証。
素敵なオトナの男になるために、同性からの評価を参考にしてみるのもいいかもしれません。
「君、オトコには興味ある?」
その夜は、団体客のパーティーでお店は貸切でした。
とある大人のイベントサークルで、倒錯的な遊びやコスプレなどを共通の趣味とする方々です。
当店の常連さんからのご紹介で、わざわざ大阪から遊びに来てくださったのでした。
奇抜な恰好やきわどい衣装などで店内は盛り上がっています。
そんな彼らを横目に、カウンター席の端で落ち着いて飲んでいる二人の男性。
そのうちの一人、赤茶色の短髪に、髭、ピアスの40半ばくらいの整った顔立ちをした男性が、このグループのリーダーであるHさんでした。
「ねえ、あの子、タイプかも」
シンクに溜まったグラスを洗っている私の耳に、そんな声が聞こえてきました。
カウンター席にはHさんとお連れの方だけ。
カウンターの中には私のみ。
視界の端で、Hさんの視線が真っすぐこちらに向けられているのがわかります。
Hさんがゲイであることは、彼に当店を紹介してくれた常連さんから事前に聞かされていました。
なので、私は驚くこともなく、しかし、やや緊張気味にHさんと目を合わせてみました。
「君、彼女いるの?」
「オトコには興味ある?」
などと立て続けに質問をぶつけられます。
ストレートに男性から口説かれたのは初めてでした。
残念ながら、私は男性と関係を持つ気にはなれません。
「すいません、彼女がいるんです」
と言って、丁重にお断りしました。
ただ、お断りはしたものの、Hさんはとても素敵な方です。
そんな方に、冗談半分とはいえ口説かれたことに、誇らしいような、恐れ多いような気持ちになりました。
イベントが終わって団体客の皆さんが撤収するとき、
「もしオトコに興味が湧いたら、ワタシを初めての人にしてね」
と言って、Hさんは去り際に私の手にキスをしていきました。
手の甲に、口髭のさわさわとした感触が残されました。
男の魅力は男が一番わかっている
Hさんの他にも、幾度かそちら側の男性に声をかけられたことがありました。
やや身構えはするものの、同性であろうと興味を持ってもらえることはうれしいものです。
新宿二丁目に遊びに行ったときのこと。
たまたま入ったゲイバーで、巨漢のママに
「けっこう男性から声をかけられるんです」
と、調子に乗って言ってしまいました。
するとママから、
「あんたはゲイからモテるタイプじゃないわね」
と一蹴されてしまいます。
男性にモテるという若干の自負があった私は、軽いショックを受けました。
「自分にはHさんがいるんだ」
などと、自らを励ましました。
まったくその気がないのに失礼な話ですが、Hさんに気に入られたことが、私にとって自尊心を満たしてくれる大事な経験となっていたようです。
同性から思いを寄せられると、ある意味では、女性から好かれたときよりも自分に自信が持てるようになります。
男と女との関係には、愛情や性的な欲求といったものがある一方で、婚姻制度に従い幸せな家庭を持つべきという「常識」も求められます。
そうした社会的外圧がある中で、異性の恋人を持つこと自体が、承認欲求を満たせるという不誠実な動機となり、自己目的化する一面もあるような気がします。
その点、同性愛にはそうした社会的外圧がありません。
むしろ禁忌として制約を受けます。
そのため、同性からの恋愛対象としての評価はストレートで性的です。
だからこそ、同性に好意を向けられると、嘘偽りのない魅力を自分が認められているようで、私はうれしく、誇らしく感じるのです。
男のことは男が一番よくわかる、とよく言います。
男の魅力を一番理解している人から好かれるのですから、これほど光栄なことはありません。
人間の性は実に多様なものである
そもそも、男が男に惚れるという世界観は、歴史的にも文芸的にもよく見られるものです。
戦国時代、武士同士の男色(衆道)を好む武将が多かったことは有名です。
三島由紀夫は、小説『仮面の告白』で性の目覚め期における男女の揺らぎを表現していました。
高倉健は任侠映画の俳優として世の男たちから憧れの的となり、北野武監督は、やくざをモチーフにした映画で契りを交わした男同士の深い絆を描いています。
“男が男に惚れる”と言うと、
「自分もこのようになりたい」
という変身願望のように思われがちですが、私は、これは無意識下にある同性愛の表れだと思っています。
私が大学時代に受けた文化人類学の講義が印象的でした。
社会人類学者のレヴィ=ストロースを扱った講義です。
その講義を担当した教授によれば、男と女という分け方は、性愛の場面における便宜的なものでしかなく、人間の性(ジェンダー)は実に多様なものである、と。
ある地域の文化では、性別は男と女の二つだけではなく、社会的な役割なども関わって、10種類ほどにグラデーションのように分けられ、それぞれに名前も付けられている、というのです。
性別は、男と女という単純なものではないということです。
一口に同性愛といっても、男として男を愛する人もいれば、体は男性だけど女性の心をもって男を愛する人もいます。
一方、女性のことが好きだけど女装が趣味という男性もいる。
男も女も両方好き、という人もけっこう多くいます。
人間の性はかくも多様なものなのです。
つまり何がいいたいのか
どんな領域、分野でもそうですが、人間は複雑なことを理解するのを面倒くさがり、二元論で単純化してしまいがちです。
男であれば女性にモテたいと思うのは当然でしょうが、多様な性の在り方から目を背けることは、人間に幅や厚みを持たせるのに必要な要素を切り捨ててしまっているような気がします。
LGBTの人をもっと理解するべき、といった他人事の話ではなくて、自分自身がそこの領域に、心の中だけでも少し関わってみよう、ということです。
たとえば、
「男に惚れられるための自分磨きをする」
という視点を、ファッションや行動の中に取り入れてみてはいかがでしょう。
高校時代、ミュージシャンや映画俳優などに憧れて髪型や服装を真似した経験は誰しもあるはずです。
その当時の憧れには、単なる変身願望を越えた性的な感情も、どこかに含まれてはいませんでしたか。
あの頃のように、憧れの有名人のことを
「抱かれてもいい」
くらいの気持ちで本気で好きになってみて、その上で、その人に近づく努力をして下さい。
人間として魅力のある面白い男にステップアップできるのではないでしょうか。
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渡辺 悠樹
プロフィール
千葉県出身。現在山形県在住。ライター。地方の医療、観光、農業、食文化の記事を執筆。
慶応義塾大学文学部卒。会員制バー、出版業、食肉卸業、行政職員などを経験。
学生時代は落語と野坂昭如に傾倒。20代は酒とツーリングばかり。震災を機に山形へ移住。
小説に、渡辺麦角『壁向こうのリズム』(いるかネットブックス)https://www.cmoa.jp/title/1101018705/
ブログ https://note.com/bakkaku
