私が以前いた会社の先輩男性、高野さん(仮名/30代)のお話をします。
この先輩は高尚な書物と高尚な映画を嗜み、良いスーツを着て知的なジョークを飛ばす、ややプライドの高めな方でした。
当時、高野先輩から「この本、面白いよ」と小難しい哲学書を勧められ借りたことがありましたが、数ページ読んでもさっぱり意味がわかリませんでした。
そのため私が「よくわかりませんでした」と言って返すと、どこか満足げな顔をしていたので、今思えばマウンティングの一種だったのかもしれません。
つまりは、そういう人でした。

出典:政府広報オンライン「日本のお酒」
高野先輩は物凄い慎重さで社内恋愛を隠し、直属の上司にいの一番に結婚報告をしました。
その上司から発表があり、お相手は皆よく知っている女性(総務部)だったので、後輩の私たちは驚きました。
私にとって高野先輩は、仕事をとても丁寧に教えてくれるけど、こじらせているめんどくさい人という認識です。
そのため、「先輩も意外とやるもんだな」くらいの無礼な驚きでしたが、同期の山口くん(仮名)と他の後輩男性の反応はそれとは違うものでした。
明らかに大きなショックを受けて、言葉を失っている様子だったのです。
どうやら高野先輩は、この慕ってくれていた後輩男性たちに何一つ知らせていなかったようなのです。
この、「話してくれなかった」、ということに対する後輩男性たちのショックは凄まじく、私は失礼ながら、「そんなにあの人のこと、信頼してたの?」とびっくりしたのを覚えています。
彼らは高野先輩とよく飲みに行っていたので、仕事や自分のプライベートの話を多少は打ち明けていたのではないでしょうか。
自分たちは完全に先輩を信じて心を開いていたからこそ、
「なんだ、俺らは先輩からは信頼されていなかったのか。この程度の扱いだったのか」
と思い、深く傷ついたのではないかと思うのです。
男性同士は基本的に競争相手ですが、「仲間」と認識したときの絆は強いそうです。
だからこそ、その気持ちを裏切られたショックは大きかったようです。
山口くんはこう言っていました。
「別に隠すのは仕方ないけどさ…。でも結婚を上司に話す前に、一言あっても良かったんじゃないかって…、相手も俺がよく知っている人なわけだし。俺、もうあの人無理」
と言って完全に心を閉ざしていました。
その数日後、会社でレストランを貸し切って忘年会兼婚約祝いが行われたのですが、後輩男性たちの空気はとても重いものでした。
それに気付いておらず、周りから祝福を受けている笑顔の高野先輩とのギャップに、私は恐怖を感じました。
「先輩、やってしまったな」と。
自分が若い頃は年上に気に入られることが重要なのですが、中堅以降になるとそれに加え、年下からの人望が大切になってきます。
おそらく高野先輩の「自分は賢い」と無意識に思っている部分が、やや天然の山口くん含めた後輩たちの存在を軽視させてしまったのでしょう。
それからは後輩男性たちの「心の壁」は厚くなり、高野先輩は彼らから得ていた信頼を失ってしまいました。
その後、本人の希望だったかはわかりませんが、山口くんは花形部署に異動していきました。
これと似た話が他にもありました。
男性二人で一緒に会社を作ろうと約束していた、まさに戦友を誓った関係の2名です。
一方の男性から結婚したことを事後に知らされ、ずっと恋人の存在すら知らされておらず不信感を抱いた片一方は、共同経営の話を白紙に戻したのです。
白紙に戻した方の男性も、これまで見たことがないくらいショックを受けており、しばらく人間不信になっていました。
私はそんな彼らを見て、プライベートにまつわる事後報告の恐ろしさを知ったのです。
男性は一般に、自分の恋愛話を進んで話すことはないようです。
しかし出世したい方や次のステップに進みたい方は、いざ結婚となったとき事前に報告しておくべき人はいないか、慎重に周りを見渡しておくと良さそうです。
社内恋愛で出世から遠のいた女性の話
8歳年上の遊び慣れした独身上司と付き合っていた営業事務の女性、井上さん(仮名)のお話です。
彼らは二人で街を歩いているところを会社の人たちに何度も目撃されていたので、社内恋愛していることは完全にバレているカップルでした。
しかし、本人たちはバレていないと思っていました。
井上さんは有名大学卒で仕事が早くて正確、責任感もあり、英語もペラペラでした。
向上心を持って仕事に取り組み、高い能力を発揮していたのに、彼女曰く全然お給料が上がらないようで、「なぜ私を認めてくれないの?」と女性同士のランチの時間によく話していました。
実は、評価されない理由は彼女だけが知らず、周囲から見れば明確でした。
「この営業部には私がいないとダメだ」
という奢りがあることと、その遊び人の独身上司にベタ惚れであることを、ズル賢い上層部の人間たちに見抜かれていたのです。
独身上司に対しての評価は、
「女癖は悪いが数字は持っているやつだから、会社には必要」。
一方で井上さんの評価は、表立ってはよく褒められても、
「あいつの女である井上は、条件が悪くても辞めないだろう」。
つまり、完全になめられていました。
色恋が絡むと、女性は純粋に仕事だけで評価されません。
公私混同する感情的な女という色眼鏡で見られてしまいます。
しかも相手が恋愛に奔放な男性だったことで、
「彼女のメンタルがどう動くかわからない」
「彼女の仕事における貢献は不安定なもの」
と決めつけられてしまっていました。
彼女は職場で感情的になる姿は一度も見せていなかったのですが、出世させて最前線で活躍させるには、ややリスキーな存在だったのでしょう。
井上さんは、社歴も長く仕事もできるのに評価されないことで、徐々にこじらせつつありました。
だんだん自分のやり方に固執していき、自己成長が鈍化していったのです。
頑なになってきていた彼女は、自分の地位を守るため、新しく入ってきた後輩女性に仕事をシェアせず、自分にしかできないよう抱え込み、ブラックボックスを作るようになっていきました。
そう、「お局化」です。
私はすでにその会社を退社しているので、のちに元同僚に聞いた話ですが、その上司は別の女性と結婚。
井上さんは待遇についていよいよ本格的に騒ぎだしたので、高額商品の修理受付担当だったことから、
「ハイパー・プロフェッショナル・リペア・アドバイザー(仮名)」
などという凄いんだか雑なんだかわからない謎の肩書きを会社から付与され、出世はさせてもらえず、現在もなお燻っているということでした。
つまり会社から良いようにお茶を濁され、会社の不良債権とみなされてしまったのです。
会社側も、彼女をうまく育てて活かせば会社にとって大事な人材になったかもしれないのに、そこに期待はしなかったのです。
私がもし井上さんの親しい友人だったなら、
「もったいないよ、問題の上司とも別れたわけだし、その謎のハイパープロ(略)の肩書きも、見方を変えれば独自のポジションなのだから、栄えある初代ハイパ(略)なのだから、逆に利用して、私はハ(略)ですからと言って、どんどん自分で仕事作り出して、本当の意味でこの仕事は井上さんじゃなきゃダメなんだ、と言われる地位を確立してみたら?でもあなた、その会社に残るのなら、しばらく社内恋愛は厳禁よ」
と、マツコ口調でアドバイスしたかもしれません。
言うは易しで、自分のことを冷静に見るのはなかなか難しいことです。
しかし彼女が自分を客観的に分析することができるなら、自分の能力を活かすチャンスはいくらでも作れるでしょう。
もしこのままであれば、少し残念だと感じる例でした。
プライベート情報のマネジメント能力が問われる社内恋愛
社内恋愛を否定するわけではないのですが、出世を考えている人であれば、社内恋愛は特に慎重に進められることをお勧めします。
「報告したのが事前か事後かで大きく評価が変わる問題」は、あらゆるところで見られます。
もし結婚まで行きついてどうせ公表するのであれば、周囲への配慮・思いやりを忘れないようにしなくてはなりません。
良きタイミングで近しい人には自己開示し、「あなただから話しました」と相手の自己重要感を上げて信頼関係を深めてしまいましょう。
そして社内恋愛がバレていそうな方は、自分の評価が変わる可能性があることも理解しておきたいところです。
社内恋愛は接点が多く楽しい反面、しがらみが多く面倒ですが、恋に落ちてしまったものは仕方ありません。
気をつけるべき点は気をつけて、出世のチャンスは逃さないようにしましょう。
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佐久間 雪
大学卒業後、営業職や管理職を経験したのち、独立してフリーのライターになる。