キャバクラ嬢・風俗嬢は食い物?私を大事にしてくれたNo.1ホストとの思い出

 

モテ男について書こうと思った時、私の周りのモテ男って誰だろう?と考えました。

思い当たる男性がいても、自分との距離感が遠すぎたりして、イマイチだなぁ…と考えていると、はっと思い出しました。

私には、過去キャバクラ嬢時代に交際したナンバーワンホストがいたのです。

色々とわけあって、交際期間が短かったので忘れかけていましたが、彼は間違いなく私が今まで出会った男性の中で、最強のモテ男でした。

 

そんな彼との思い出をシェアしたいと思います。

出典:国土交通省「かわまちづくり

 

ナンバーワンホスト君との出会い

当時、私の働いていたキャバクラは、お店が暇だと急に早く店じまいをすることがありました。

 

そんな時、私はよく仲良しの子と一緒にお決まりのスナックに遊びに行っていました。

あまりに通いつめていたので、お店のママともまるで友達のようにすっかり打ち解けていました。

 

ある日、ママが街のホスト専門情報誌を私たちに手渡して、言いました。

 

「最近、私ここのホストにハマってて。よくうちのお店にも営業返しで来てくれるのよ。」

 

私は当時まだホストクラブには行ったことがありませんでした。

水商売を始めて日が浅かったこともありましたが、私たちをスカウトしキャバクラ嬢として雇ってくれたお店の経営陣に、

「ホストにはロクなやつがいないから、ホストクラブには行かないように」

といつも釘を刺されていたからです。

 

情報誌をめくって見てみると、美しいホスト達がほぼヌードのような姿で写っています。

興味本位で読み進めると、

「舞ちゃんはどの人がタイプ?」

と、ママが言うので、サラッと見た中で一番カッコいいかなぁ?と思う男性を指刺しました。

「この人とかかなぁ。」

 

するとママが、

「お目が高いね~。彼はナンバーワンよ。でも、とても気さくで私も仲良くしてるから、今呼び出してあげるわよ!今夜はどこも暇だろうから来ると思うよ。」

と言ったかと思えば、間髪入れずに電話を掛け始めたのです。

 

「もしもしユウ?今お店に来てる子が、ユウのことすっごくタイプなんだって。○○(私のキャバクラ)のナンバーワンの子だよ。ちょっと遊びに来なさいよ~。」

え~…

よく見て選んだ訳でもないし、ママってば話し盛ってる。

恥ずかしいなぁ。そんなこと言われてどんな顔して話せばいいかわからないじゃない…。

 

と、しどろもどろしているうちに彼がお店のドアを勢いよく開けて入って来ました。

その瞬間、ものすごい香水とお酒の香り。

「来たよ~!舞ちゃんってどの子?!」

「私です…」

おずおずと手を挙げると、

「うわっ!めっちゃ可愛いね!俺のことタイプってマジ?!」

「うん。このカタログで(さっと見た中では)一番カッコいいと思うよ。」

「マジで!よっしゃー!!めっちゃ嬉しいわ!神様ありがとう!!」

ガッツポーズをかまして嬉しさを爆発させる彼を見て、謙遜とか一切しないんだ!?と驚いた反面、微笑ましい気持ちになりました。

悪い人じゃないのかな…と。

まだ彼のホストクラブは営業中だったので、私と連絡先を交換すると彼は仕事に戻って行きました。

 

【モテ男の特徴その➀】

モテ男は、褒められることに慣れているので褒められるとまっすぐ受け止めることができる。

 

初めてのホストの彼氏

それからというもの、ユウはとてもマメに連絡をくれました。

毎日のメールや電話は当たり前。

キャバクラよりもホストクラブは開店時間が遅いため、微妙に生活時間帯がずれていた私たちでしたが、ユウが時間を合わせてくれて、空いている日は積極的に連れ出してくれました。

 

【モテ男の特徴その➁】

モテ男は、とてもマメ。(ただし、多くの場合誰に対しても。)

 

知れば知るほどに私の思っていたナンバーワンホストのイメージとはだいぶかけ離れていて、私は次第に心を開くようになりました。

 

この日、私とユウはいつものように出勤前に食事をしていました。

さすがナンバーワンホスト、いつもお客様と利用しているのか周辺のいいお店を熟知していて、彼の選ぶお店はいつも素敵なお店ばかり。

食事中には、私の飲み物がなくなればすぐに注文、食事の会計はトイレに抜けるふりをして払ってくれたり、華麗なエスコートぶり。

 

【モテ男の特徴その➂】

モテ男は、食事のお店チョイスや食事中のエスコートに慣れている。

 

この日は、ユウはお仕事がお休みで私の出勤時間が近付いて来たので時間を気にしていると、彼が私の目をじっと見つめて言いました。

「舞、仕事のこと考えてる?今日は一緒にいてよ。というか、俺の彼女になってください。」

唐突で少しは驚きましたが、心の準備は出来ていました。

「はい。よろしくお願いします。」

こうして私に、人生で初めてホストの彼氏が出来たのです。

 

そしてこの日、私は初めてお仕事を当日欠勤しました。

当日欠勤には高額な罰金があります。

それでも私はユウの希望を叶えてあげたかったのです。

なぜなら私も、それがユウのお仕事だとはわかっていても、一緒にいる時にお客様と頻繁に電話やメールをする姿や、お店での人気ぶりを考えると少しジェラシーを感じてしまっていました。

 

彼を独り占めしてみたい。

理解する努力はするけれど、時には仕事より私を優先してくれたら嬉しい。

そんな思いがあったのです。

 

思えば、これが後に大変なことを巻き起こしてしまう始まりになるとは、この時は知る由もなかったのです。

 

彼との時間

出会った時からですが、ユウはとてもマイペースでした。

それは交際を開始したからと言って変わることはなく、一緒にいる時間も自分の趣味であるサッカー観戦やサッカーゲームに没頭。

眠くなったら寝る。

エッチしたくなったらする。

とにかく、いい意味でも悪い意味でも私に気を使うことなく、気の向くままに生活していました。

 

私はというと、まだ100%素の自分が出せておらず、常にユウのペースに合わせていました。

 

本来私はわがままですし、そんな関係性で男性と交際したことはありません。

しかし当時、ユウのペースにすっかり巻き込まれていたにも関わらず、一歩下がって彼を立てていなくちゃ。と必死でした。

ナンバーワンホストであるユウに、自分が釣り合っている自信がなかったのかも知れません。

それでもユウの愛は感じていましたし、幸せな日々を送っていました。

 

【モテ男の特徴その➃】

モテ男は、自分のペースに巻き込める。モテる故の自信からくるものだと推察される。

 

迫られた決断

交際開始から1ヶ月が経った頃。

この頃には、私はすっかり仕事を疎かにしていて、指名のポイントも前月の半分くらいまで落ちてしまっていました。

ユウといる時間が増える一方で、お客様への営業が減ってしまっていたのです。

 

ユウといる時はお客様と連絡を取るのは控えたい。

同伴の約束がある日も、私が同伴しなければ、出勤時間ギリギリまでユウと居れるわけですから、足取りは重く…。

ユウとの約束のない日に同伴の予定を入れていても、ユウは気まぐれで会いに来たりするので、そんな日は同伴をドタキャンしました。

そんな私の様子を見て、お店の経営陣がおかしく思わないはずがありません。

 

ある日の営業開始早々、担当の黒服が私の所へ来て言いました。

「舞ちゃん、今日の営業終了後、オーナーから話があるから残って。」

ギクッとしました。

その日はもう一日中テンションが上がらず、正直仕事どころではありませんでした。

 

営業終了後、いつもはお店には滅多に顔を出さないオーナーが神妙な面持ちでやって来ました。

お店の女の子も皆、ただごとではないと思ったはずです。

私の前に静かに腰を下ろすと、オーナーは口を開きました。

 

「舞、今日はこれから何の話をされるかわかるな。」

「はい…今月は成績が思うように伸ばせず申し訳ありません。」

「なぜそうなっているのか、俺は実は理由を知ってる。」

 

驚きました。

ホストとの交友関係を経営陣がよく思わないのを知っていたので、私はユウと付き合っていることをお店側の人間には一切話していなかったのです。

 

「今月は、ちょっとやる気が低迷していました。それだけです。今後気を付けます。」

ハッタリかも知れないと、しらを切ってみせましたが、残念ながらそれは思い過ごしでした。

 

「舞、この街の情報網を舐めるな。○○のユウと付き合っているそうだな。俺たちがあれほど忠告したにも関わらず、何をしてるんだ。ホストの食い物は、お前らキャバクラ嬢や風俗嬢なんだ。このまま関係を続けたら、いいカモにされて、金がなくなったらポイされて終わりだぞ。」

ユウには、お店に呼ばれたことなど一度もありませんでした。

お金だってデートは全て彼持ちでしたし、カモにされるなんて思ったこともありませんでした。

黙っていると、オーナーは続けました。

 

「いいか。うちのナンバーワンに手を出した罪は重い。さっき、相手方の店のオーナーと話して来た。向こうには注意喚起してくれるそうだ。金輪際会うのをやめて仕事に集中すること。そうでなければ、うちの店には居られないと思え。わかったな。」

 

すでに相手方のオーナーに話をした後だったとは、さすがに驚きました。

絶望的な気持ちでしたが、オーナーは普通のOLだった私を、スカウトしこの世界に入れてくれた恩人でもありました。

何もわからなかった私に、高い時給をつけてくれて、ドレスを買い与えてくれてくれて、夜の蝶にしてくれたのです。

オーナーのお陰で、今の私があると言っても過言ではないくらいで、とても感謝していました。

そして何より、私はこのお店が大好きでした。

私をナンバーワンキャバクラ嬢にしてくれたこのお店が、私にとっての居場所でした。

 

「はい…。」

涙が溢れて、小さな声で返事するのがやっとでした。

 

別れ

すっかり朝を迎えたその日の帰り道、切っていた携帯電話の電源を入れると、ユウからの着信の嵐。

すぐにかけ直すと、私は今あったことを伝えました。

ユウ側は、こちらのオーナーからこういった話があった、という説明を受けただけのようでした。

 

「俺は別れたくはない。けど、舞がお店を大切に思っていることも知ってるから、無理強いはできない。よく考えて選んでくれ。」

 

それは、私にとってショックな言葉でした。

この言葉で、ユウとの幸せだった日々が終わってしまうことが決まったのです。

 

なぜなら、私の中では、もう答えは出ていました。

育ての親であるお店の皆様を裏切るようなことは出来ない。

このお店を失ってしまったら、私はどう生きて行っていいかわからない。

そう思ってしまっている自分が居たのです。

 

どんなことをしてでも別れたくないと言って、さらって欲しい。

お店は辞めて、俺と歩んでくれと言って欲しい。

悪者になってでも私を離さないで欲しい。

 

ユウのことが好きでしたので、そんな思いもありました。

ずるいですが、私は自分が悪者になることが出来なかったのです。

 

【モテ男の特徴その➄】

モテ男は、追わない。すがりつくようなことはしない。

 

こうして、私たちの短い恋は終わりました。

最後の電話で、

「舞の中では、俺の存在ってそんなものだったんだな。」

と失望したように言ったユウの声が今でも鮮明に蘇ります。

 

この後、自分の気持ちを整理しきれなかった私が、酔って彼のホストクラブに行って泣きわめくというイタイ続編があるのですがそちらは割愛します(笑)

 

当時は気持ちを整理するのにしばらく時間がかかりましたが、仕事に打ち込んで忘れようとがむしゃらに働いたので、翌月には指名の数は元に戻りました。

今であればもう少し上手になんとかできたのではないかと思うのですが、当時はまだまだ若かったのです。

 

実はその数年後、ひょんなことから彼と再会し、今もSNSでつながっていますが彼も結婚して幸せな家庭を築いているようです。

次また会って話せることがあれば、思い出話に花を咲かせつつ、当時の想いを色々聞いてみたいと思っています。

 


 

【著者】Mai Mizuki

20歳で水商売の世界へ。

何店舗かキャバクラやクラブに勤務し、22歳で歌舞伎町の店舗でナンバーワンに。

その後結婚し、主人の仕事に帯同し数年間アメリカで暮らす。

現在は母業の傍らフリーライターをし、日々勉強中。