「男はみんなマザコン」
令和の時代になっても、たびたび耳にすることのあるフレーズです。私も、実際そうなのかもなぁ、とぼんやりと思っています。
マザコンというと聞こえがよくないですが“自分の家族を大切に出来る”という風に捉えられれば、それはその人の長所になるはずです。
大変なのは、そのレベルを優に超えていた場合です。
幸いなことに私自身には、マザコン男と付き合った経験はありません。しかし、今までの人生で1度だけ強烈なマザコン男と出会った記憶はあります…。
今回は私の高校生の頃の思い出から、マザコン男が嫌われる理由についてお話させていただきます。
クラス公認のキュートなカップル
高校3年生の頃、仲のいい友達にAちゃんという女の子がいました。Aちゃんは真面目でしっかりもの。小柄でとても可愛らしく、いつでもその持ち前のふんわりとした雰囲気で周りを和ませてくれる存在です。
同性から見ても素敵に映るそんなAちゃんでしたが、夏を前にして同じクラスのB君という男の子と付き合い始めました。
高校生活最後の青春を満喫したいというムードが漂う中でしたので、キュートなカップルの誕生を、クラス全員が祝福します。
そんな私と言えば、B君と席が近くなることも多く、実は仲良しだったのです。
その分、彼のことはよく知っていたので、どちらかというとB君の方に、
「何でお前なんかが、あの完璧女子のAちゃんと付き合えてるんや」
という感情を抱いていました。
Aちゃんはその後、早々に推薦を勝ち取り受験を終えます。しかし、クラスの大半はまだ受験前。
Aちゃんはその空気を乱すことのないようにと気を遣い、自習の時間には大学で専門に学ぶことの予習をしていたようです。
また取得予定だという自動車免許や、各種資格の勉強をしたりして過ごしていました。
未来に向かって一生懸命頑張り続けるAちゃんの姿は眩しく、クラスの励みになっていたことはいうまでもありません。
しかし冬になると、そんなAちゃんがいそいそと編み物を始めたのです。
少々意外な行動に驚いて、私は理由を尋ねました。
「どうしたん?珍しい…」
「B君に作ってくれって言われてん。」
「このご時世に!?手編み??」
平成も後期。物が溢れているこの時代にまさか手編みを強要する男がいるとは夢にも思わず、私は素っ頓狂な声を出してしまいました。
わざわざ彼氏のために編み物をする女なんて、私は少女漫画の中でも随分出会っていません。
「手編みなんかすげぇ面倒やん。断ればよかったのに」
「受験終わってるし暇やろ?って言われたから・・・」
「アンタ暇ちゃうやん!」
私が知る限り、Aちゃんは今でも勉強漬けの日々。暇そうにしているところなんて見たことがありません。
(アイツ嫌な言い方する男やねんなぁ。ってか、そんな奴のために勉強の手を止めてまでよくやるなぁ。。)
私は正直そう思っていましたが、部外者がやいやい口出しするようなことではありません。
それほど好きな相手なのでしょう。
せめて得意だから引き受けたことを願って、聞いてみました。
「編み物好きなん?」
「ううん、全然…初めて」
「え!?手編みバージン捧げんの!?」
「そんなこと大きい声で言わんといてよ!」
「よーやるなあ。まあええけど。」
「実はさ…、“俺のお母さんも手編み得意でさ!俺、今年はマフラーが欲しいから!”って言われちゃったんよね・・・」
「・・・はぁ?なんやそれ」
私たち2人が共通して思っていたことは、
(ほなおかんに頼んだらええがな!)
に他なりません。
このとき、既にB君に対して若干のイラ立ちを覚えていた私は、
「私から言うたろか?」
とAちゃんに提案しましたが、拒否されました。
当然です。私は無関係な怒りを抑え込み、野暮なことはするまいと、大人しく彼女を見守ることを約束しました。
初めての編み物に大苦戦!
編み物は、趣味として素敵なものだと思います。適度に没頭でき、適度に目的ができ、適度に達成感のある、好きな人には楽しい作業です。
ただ、それは自分の快感があればこそのお話。別に、好きな人のためにやっていて楽しい作業ではありません。
少なくとも私にとっては、男に言われてやる編み物なんて苦行でしかありません。
今でこそたまに編み物をする私ですが、当時の私は手編みになんて手を出したこともありませんでした。それでも、Aちゃんの様子から苦戦していることはわかります。
「マフラーなんて真っすぐ編むだけでしょ?」
と多くの男性は思っていることでしょう。事実、真っすぐ編むだけです。
しかし、初めての頃はそれだけでも難しいのです。
編みの目を飛ばしたり落としたりしないように気をつけつつ、1つ1つの編みの目の緩い・キツイの感覚まで統一しなければなりません。
柄なんか入れようものなら何種類もの編み方を組み合わせる必要があるのです。
「手編みは重い」
などと言われることも多くなり、欲しがる男性も減っていることでしょう。
しかし、もしもまだ彼女の手編みに憧れを持っている男性がいるなら、それは是非捨てることをおすすめします。
確実に買った方がいいものが手に入りますし、手間なども考えると安いのです。
愛情なんていうものは選んでいる間に込められます。
特に、元々編み物が好きでもない女性に手編みを強要するなんていう行為は言語道断です。
よく覚えておくように。
それはともかくとして、Aちゃんは何度も何度も出来かけの布を糸に戻して編み直しをしているようでした。
苦戦する彼女を見かねて、何度か声を掛けたものです。
「編み物、楽しい?」
「私器用じゃないから全然楽しくない」
私の質問にはそう答えながらも、Aちゃんは懸命に頑張っていました。
それでも、マフラーが完成に近づいてくると次第にうきうきしてくるらしく、
「ここまで出来たよ!」
「あとちょっと!」
「クリスマスまでに渡しちゃおっかな」
などと報告してくるようになりました。
そんな彼女の様子はとても可愛らしく、私は友人と一緒に毎日その健気さに感動しながら、完成を応援していました。
そのマフラーを私によこせ!
そして、12月の頭のこと。教室に入ると、Aちゃんが机に突っ伏して泣いていました。
「どうしたん?」
声をかけると、彼女は静かに涙を流した顔を覆いながら、
「昨日B君にマフラー渡したんやんか・・・」
と話し始めました。
完成したんやよかったやん、と言える雰囲気では当然ありません。
詳しい話はこうでした。
B君はAちゃんの編んだマフラーを喜んで受け取ったそうです。
そして、家に帰ると母親に見せました。
B君の母親はそれをまじまじとチェックしたのでしょう。
そしてこう言ったそうです。
「このマフラー、編み目が飛んじゃってるじゃない!」
(それが事実だったとして、なんやねん・・・)
「何でそんなこと、Aちゃんが知ってるの?」
「B君がこことここって、教えてくれたの・・・」
「ちょっと、今の話、あの男がアンタに、直接伝えてきたわけ!?」
全く信じられません。
母親に言われたからといって、何故それをバカ正直に彼女に伝える必要があるのでしょうか。
それも粗を暴くような形で。
完璧なマフラーが欲しいのなら、編み物が得意だというその母親に最初から頼めばいいのです。
しかしAちゃんも、一連の仕打ちに怒るならまだしも泣くとは何事でしょうか。
あれだけ頑張った努力を涙に変えてしまうような男が、まだあのマフラーを巻いていると思うとはらわた煮えくりかえって仕方ありません。
「ほんでアンタも何泣いてんねん!私、暴れてきたろか?」
「…行ってくれるの?」
「任せろや!」
GOサインが出たため、私は何の苦労もわかっていないB君の席に行き、怒鳴ります。
「そのマフラー、私によこせや!アンタにはもったいない、返せ!」
「なんやねん!」
「こっちのセリフじゃ!お前そのマフラー、目が飛んでて小汚いって言うたらしいな!それ作るのに、あの子がどんだけ時間かけたと思ってるねん!」
「それは、お母さんが言ったことをそのまま伝えただけや!」
「お前頭おかしいんか??彼女泣いてても平気なんか!何考えてんねん!言ってみーやボケ!」
「それはほら、やっぱり女の子やったらお母さんみたいに、編み物出来る方がかわいいに決まってるやろ!」
未だかつて、あんなにもあからさまに顔が引きつったことはなかったように思います。
Aちゃん含め女子一同の、
(いや、ないないないないないない!!)
という心の声が聞こえるようでした。
どんなことであれ、高校生にもなって彼女に“母親みたい”を求めるなんて・・・。
この一件で目が覚めたAちゃんは卒業前にB君と別れ、
「もう一生編み物なんてすることないと思うし、マザコン男はこりごり」
とすっきりしたように笑っていました。
B君が今、彼女や奥さんにどんな母親らしさを求めているかを考えると、同じ女性として身の毛のよだつ思いがするものです。
結論:母親と彼女のくれる愛情は別物!
マザコン男が嫌われる理由を、最後にもう1度まとめておきます。
・母親が女性の基準になっている
・何でも母親に報告をしている
・何故か母親の言葉を彼女に伝えてしまう
度を越えたマザコンは、確実に女性から嫌われる要素になります。
今お話ししたエピソードのように、それは男性の言動のどんなことから露呈するかわかりません。
もしもマザコンの気があるという自覚をお持ちなら、この3つのNGだけはしっかり頭に置いておきましょう。
いくらお母さんのことが好きでも彼女の前では、
「家族思いで素敵!」
と思われるレベルに留めておくのが円満な交際の秘訣ですよ!
【著者】千文鶴子
20代、独身。好きな男性のタイプは「好きなタイプは?」と聞いてこない人。元カメラマン。

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