私の大学時代の友人の中にやたらストーカーを引き寄せる美雪という子がいました。
見た目はサラサラストレートの黒髪で、清楚系の美人。どことなく頼りない雰囲気を漂わせ、妙な色気がありました。
とても良い子で大人しい性格。まぁモテモテです。
パッと見ただけでもストーカーホイホイであることが理解できてしまう、そんな女の子でした。
そして大学2年の時にストーカー化した男がとても厄介な男でした。
ストーカー男 池谷
「また校門の前で待ってる…。」
「またあのキモイやついるのー!?」
私と美雪を含む4人の友人で渋谷にパフェを食べに行こうとした時のこと。
授業終わりでウキウキした気分が急降下してしまいました。
「キモイやつ」とは美雪のストーカーで池谷という大学生。
美雪のバイト先の常連で、勝手に惚れ込み勝手にストーカー化したヤバい男です。
細身で小柄、色白眼鏡のTHE陰キャとしか言いようがありません。
美雪がおびえながら池谷に気づくと、ニヤニヤ笑う超絶気色悪いやつです。
ここ最近、池谷はほぼ毎日、美雪を校門前で待っていました。
と言っても、声をかけてくるわけでもなく、ただ後ろをついてくるだけ。
これと言って害はありませんが、とにかく気持ちが悪い。
いつも校門前にいるため学内の警備員から何度か注意を受けるほどです。
美雪は既に大学や家を特定されていて、常に付きまとわれている状況でした。
彼女はこれまでも似たような目に遭っていましたが、ここまでしつこい男は初めてです。
何か月も付きまとわれていたようで、美雪は徐々に疲弊し鬱状態になっていました。
我慢強い美雪がボロボロになっていく姿を見かねた友人ズは、私を含む3人の女子に彼女の警護を求めたのです。
殺傷能力高い系女子
私たちは女子大に通っていたため、学内に男がいません。
学外で頼れる男を探すこともできましたが、そうする必要はありませんでした。
それには理由があります。
私たち3人は強かったのです。
一見すると普通の女子大生ですが、実は全員が格闘技経験者でした。
筆者である私は空手3段。得意技は上段の高廻し蹴り。
京子は柔道4段。得意技は一本背負い。
琴美はクラヴ・マガ歴5年。得意技は関節技。
なおクラヴ・マガとはイスラエル発の格闘技です。
CIAやFBIなど各国の警察が導入しており、超実践的で最悪、人を殺すことも可能なヤバい技を会得しているのです。
つまり、私たち3人は学内でも有数の猛者でした。
可愛らしいワンピースを脱げば、上腕二頭筋ムキムキ、腹筋はバキバキのゴリラです。
しかしゴリラだって、一応は女子でもあります。
正直、力任せでは男に勝てないことも無いわけではありません。
とはいえ本気を出せば、目や股間くらいなら潰せるでしょう。
頭蹴っ飛ばすか、身体をぶん投げとけば、脳震とうくらいなら起こさせることができると踏んでいました。
ケンカ慣れしていない男と比べれば、余裕で強いし。
ましてや3人も集まれば、男一人なんてどうとでもなるでしょう。
それからはできるだけ美雪+3匹のゴリラで行動するようにしました。
美雪の家にお泊りしながら学校やバイトに通います。
ゴリラたちが対応できないときは、他の友人たちと協力し合いながら美雪を独りきりにさせることはありませんでした。
作戦変更
それでもストーカー男・池谷は諦めませんでした。
むしろ私たちの行動が、池谷の恋心を燃え上がらせてしまったようです。
池谷の出現頻度は日に日に増していきました。
流石にゴリラ3匹も長期戦ともなると対応できません。
これはもう強硬手段に出るしかありません。
私たちは作戦を変更し、真っ向勝負に出たのです。
その日、美雪は一人で帰路につきました。
案の定、池谷は浮足立って彼女を追いました。
ゴリラ3匹が気配を消して後ろに立っているとも知らずに。
池谷は美雪が家に入るのを見届けると、自分の自宅に戻っていきました。
なんと池谷は渋谷からほど近い、割といいマンションに住んでいたのです。
どうやら一人暮らしのようです。親に甘やかされて育った金持ちドラ息子であることが窺えます。
翌朝、ゴリラ3匹は渋谷のカフェにいました。
ちょうど池谷のマンションが見える場所です。
先に会計するタイプのカフェなので、池谷がマンションから出たらすぐ外に出られるので超便利な待機所でした。
池谷は大学の1限の授業に出るために8時ごろに家を出ました。
私たちは早速、池谷の後を追い、電車の車内では池谷から絶妙に見える位置に立ります。
池谷が私たちに気づいたようです。
唖然としています。私たちゴリラが何故ここにいるのか分からない様子です。
焦った池谷は大学の最寄り駅につくと、逃げるように大学構内に入っていきました。
でも所詮は陰キャ。毎日のように稽古に励む私たちにとって、人ごみを縫って後をつけることなど造作もないことでした。
池谷の大学はマンモス大学だったので、他大学の人間が授業に出ても全く気付かれません。私たちは池谷の席から2列後ろの席に陣取ることができました。
そして素知らぬふりをしながら適当に時間を過ごし、授業が終われば池谷の後を追うのです。
流石に怖くなったのか、池谷は走って大学構内を出ようとしたため、俊足のクラヴマガゴリラ(琴美)が池谷を捕まえました。
空手ゴリラ(ちんかぴ)と柔道ゴリラ(京子)も池谷を取り囲みます。
「おい、てめぇマジでふざけたことしてんじゃねぇぞ?」
「い、い、いやお前、なんなんだよマジで!なんで追っかけてくるんだよ!!」
「あんただって美雪に同じことずっとやってきたでしょ?」
「うるさいな!お前らが美雪ちゃんと俺の仲を邪魔してんだよ!」
「は?あんた美雪に好かれてるとでも思ってんの?」
「ストーカーしといて好きになってもらえるわけないじゃん。」
「うるさい!これから好きになってもらえるように遠くから見つめてるんだよ!」
「あんたの言い分はどうでもいいけど、あんたがストーカーやめないなら、うちらもあんたのことストーカーし続けるから。」
「女の脅迫なんて怖くねぇからな!」
池谷は脂汗をかきながら必死でまくしたてる。
仕方ないので私たちは自分たちの持つ段位証明のカードを見せながらこ言いました。
「私たち強いよ。全員黒帯だし。場合によっては私たちの師匠とか他大学の男の子にも協力してもらうからね。」
「お、俺に危害を加えてみろよ!!警察沙汰にしてやるからな!!」
「いいよ。そっちから手を出さない限りはウチらも何もしないから。」
「いいよ!やってみろよ!!」
そう言いながら池谷は必死で走って逃げていきました。
弱い男は本能的に自分よりも強い女を避ける傾向にあります。
私たち3匹のゴリラは「池谷は私たちには牙をむけられない」と直感しました。
長年格闘技をやっていると、こういう感が働くようになります。
格闘技経験者3人の意見が一致するということは、おそらく正しい直感です。
追い込みすぎなければ、刃物を持って逆上する等の危険はないと判断しました。
ストーカーのストーカー
それから私たち3人は、3日間池谷を追い回しました。
朝から晩までストーカー行為を繰り返します。
最初はいきがっていた池谷。
駅員に訴えたり、大学の警備員に訴えたりと小賢しいことまでし始めます。
しかし、ゴリラ3匹の見た目は普通の可愛らしい系女子なので、注意しに来た駅員や警備員に上目遣いしながら
「私たち、彼にひどいことされたんですぅ…。」
とウソ泣きをすることで事なきを得ました。
だって間違ったこと言ってないし。女の涙は武器だって聞いたし。
駅員や警備員も、まさか男側がストーカーされているなどと思っていないもいないので、私たちの味方です。
逆に池谷が説教される形になり、胸がスカッとしました。
そして4日目。我ながらよく粘ったものです。
このころには私たちの行動を面白がった友人が男女問わず集まってきていたので、池谷は10人ほどに追い回される形になっていました。
流石にただ事ではないと思ったのか、池谷の友人も
「お前、マジで何したんだよ…?」
などと池谷に根掘り葉掘り質問するようになります。
卑怯者の池谷は自分がストーカー化していたことを友人には伝えていなかったようで、きちんと説明が出来ず友人からも距離を置かれるようになっていきました。
そして5日目。
ついに池谷が根を上げました。
「もう二度とストーカーなんてしないので、勘弁してください…。」
まとめ
池谷は二度と私たちの大学に現れることはありませんでした。
ストーカーの怖さが身に染みたのかもしれません。
「目には目を歯には歯を」は正しかったのです。
ありがとうハンムラビ法典。
もっともこの言葉の本当の意味は「復讐はやりすぎるな」ということだそうなので、そういう意味ではオーバーキルだったような気もしますが…。
ま、人の嫌がることしたんだし、しゃーないよね。
美雪はというと、池谷の脅威が去ってからどんどん元気になり、無事に鬱状態から回復することができました。
私たち3人は美雪のご両親に感謝されまくり、超おいしいお寿司屋さんに連れて行ってもらえるという素敵体験もついてきたのでした。
その後、私以外の2人は警察官になりました。
ストーカーを撃退した経験から、人助けの意義を見出したんですって。
あ、私は自分の身を守るので精一杯なので、人助けは無理!
普通の会社員になりました!(笑)
ストーカー行為ってとても怖いです。
自分でも似たようなことをやってみたけれど、半端なく暇じゃないと出来ないし。
する側もされる側も全くいいことありません。
そんなわけでストーカー、ダメ絶対!!!
それでは本日はこれにて!
本日もお読みいただきありがとうございました!
【著者】ちんかぴ
アラサー既婚者。夫との結婚生活10年弱だが現在もラブラブ。
夫と息子と娘と4人暮らし。結婚までの男性遍歴は30人以上。
隠れ肉食女子として暗躍し、最大5股を経験。
様々な男性との接触で得た気づきとしょうもない話を徒然なるままに書いていきます。

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