福原愛の不倫疑惑がゴシップ界を賑わせている。
さまざまな意見はあれど、基本的には従来の彼女のイメージを裏切る不祥事として叩かれており、擁護の声は多くない。
ではなぜ、彼女は謝らなければならないのか。
というか、誰に向かって謝罪するのか。
いやそもそも、不倫とは許されざる大罪なのかーー。
これらの問いを投げかけているのは、有名週刊誌で元編集長を務めていた筆者だけではない。
大陸にあまたいる熱烈な福原愛ファンの中国人たちは、窮地に陥っている愛ちゃんに対し、惜しみのないエールを送る。
その熱意たるや、愛ちゃんがオリンピックの舞台でメダルをかけて戦っていたその瞬間、日本国民が彼女に送った声援に勝るとも劣らないのだ。
「中国人は誰もが愛ちゃんを信じるのに、日本のネット民は彼女を罵る」
これは某中国ゴシップサイトの見出しだが、ひと言で愛ちゃんに対する日中の温度差をよく表している。
現役時には国民的アイドルとしてさんざん持ち上げていたのに、ひとたび痴話話が出るや手のひらを返してフルボッコ。
そして数カ月もすればマスコミ、というか世間はきれいさっぱり興味を失う。
考えてみればいい。
果たして今、誰がピエール瀧のコカイン事件を話題にするだろうか。
ベッキーの不倫騒動について、今もなお熱っぽく語る者がいるだろうか。
かように芸能ゴシップとは果てしなく不毛な世界。
しかし、問題意識の持ちようによっては、その中からなにがしか学びがあるのではなかろうか。
そう信じて、筆者なりに愛ちゃん不倫騒動について語ってみたい。
日本とは全く異なる愛ちゃん騒動に対する中国人の反応
週刊誌記者とは、実に下賤な職業である。
別にけなしているのではなく、これは人によっては褒め言葉。
友人の某誌契約ライターは記事掲載後、取材先からハイエナ記者と罵られていることを知り、こう言った。
「いやー、お褒めに預かり光栄です」
ちなみにこんなことを書いている自分とて、未だに週刊誌やスポーツ新聞の仕事をたまに受けているのだから、むろん同類。
人様のプライベートを晒して美味い飯を食う。
ゲスな心なくして売れる記事が書けるわけがないだろう。
もっとも、週刊誌やそれに携わる人間だけが悪者とは限らない。
何しろ需要があるからこそ、彼ら、そして筆者の生計は(辛うじてだが)成り立っている。
誰も興味を持たなければすべての芸能枠から醜聞は消え、ヤフートップに「愛ちゃん謝罪」なんてニュースは載らないのだ。
つまり悪いのは、それらゴシップを喜ぶ読者でもある。
さて、この度の不倫騒動について、口火を切ったのは女性セブンと文春だが、ご多分に漏れず他誌も後追いし、その中で台湾や中国の反応も続々とネット上に流れた。
卓球といえば中国の国技であり、愛ちゃんはそこんじょそこらの中国人タレントをはるかにしのぐ人気を今なお誇る。
その人気たるや、日本人の想像を遥かに超えるもの。
外国人でありながら、国民的アイドルの地位を確固たるものとした、おそらく中国で最も有名な日本人のひとりである。
そんな彼女が伴侶として選んだのは、台湾で「卓球王子」と呼ばれる江宏傑。
大陸のファンとしては、よりによって台湾人に我らが愛ちゃん(日本人なのだが)を盗られたという思いがある。
それでも彼女を祝福し、今回の一件でも愛ちゃんを熱烈支持。
対する台湾では賛否両論、というのが大まかな状況であり、ここまでは他のメディアでも報じられている通りだ。
そのあたりの事情についてあまり突っ込みすぎると本題に入れないので、一点だけ。
日本国内メディアでは不倫騒動でイメージダウン確実、離婚なんてした日には多額の違約金が生じるため、現実的は難しいーーなんてことを書く媒体がある。
断言するが、これは中国を知らない人間が書いた原稿だ。
愛ちゃんがそもそも本気で金を稼ぐつもりなら、台湾で芸能活動なんてやる必要、まるでない。
中国本土と台湾では、タレント価値もギャランティーもケタ違い。
離婚で金欠に陥るのは、愛ちゃんと結婚して芸能人&セレブの仲間入りをした旦那の方だ。
事実、台湾の巨大掲示板、日本で言うところの5ちゃんねるというべき「PTT」というサイトでは、
「江宏傑が福原愛を失ったら一体何が残るのか?」
というスレが立ち、大盛りあがりした上で現地メディアにも取り上げられた。
さて、本題を不倫騒動に戻すと、事件が表沙汰になったばかりの頃、中国SNSでこんな書き込みが目についた。
それは日本語を勉強している学生さんの投稿で、語学学校の日本人教師が授業中、愛ちゃんの話題に触れて次のように言ったのだとか。
「中国のみなさんが愛ちゃんを応援してくれるのは日本人として嬉しいです。
でも、不倫も応援できますか? 愛ちゃんの旦那さんがみなさんの嫌いな台湾人だから愛ちゃんの肩を持っているんではないですか?」
これは一面真実で、中国と台湾の関係はおそらく台湾民主化後最悪の状態にある。
中国政府も公認するSNS上の世論は、旦那側を「ヒモ男」「吸血鬼一家」「銭の亡者」と罵る言葉のオンパレード。
しかし、事はそう単純ではない。
その投稿のコメント欄は、
「やはり日本は男尊女卑の国だ、何でも女が悪いってことになる。」
「悪いのは旦那側だと愛ちゃんが言っているのに、なぜ日本人は彼女を追い込むのか。」
「愛ちゃんを謝らせる日本人社会は異質。30年後には滅んでいるだろう。」
「不倫はよくないが、だからといって世間に謝る必要はない」
といった意見が多くの支持を集めている。
これは中国人がもともと本当に自分が悪くても謝ったら負け、みたいな考えの持ち主であることも関係している。
ちなみに、「悪いのは旦那側」と愛ちゃん本人が言っているわけではない。
だが、週刊誌仕事の経験がある人間なら、文春記事は愛ちゃんサイドのリークなくして書けない内容であることはひと目で分かる。
ゆえにこのコメントを書いた中国人は勘違いをしているようで、実は正しい。
さて、自分はSNSに書き込みをする習慣を持たないが、もし何か書けと言われれば、こう主張する。
「いやそれ以前に、不倫っていけないことなんですかね?」
日本人どころか中国人からも非難の声が上がりそうだが、偽らざる筆者の本心である。
「不倫は悪」というモラルを疑ってみる
不義の愛は人倫にもとる罪。
このような考え方は何も日本だけが突出して強いわけではなく、中国にも当然ある。
もっと言えば、一部イスラム圏などでは浮気をした嫁を名誉殺人とか言って殺めることすらあるほどだ。
と同時に、不倫ほどさまざまな芸術・文学作品の題材となったものはない。
当たり前だが、愛ちゃんだって人間だ。
昔、「アイドルはうんこをしない」なんて言葉もあったが、排便もすれば人によっては不倫もする(愛ちゃん本人は否定しているが)。
タレントはイメージを売りにしており、いわば公人なのだから、事実かどうかは別にしても世間を騒がせたことについて謝罪するのは当然だという意見もあるだろう。
では、そういう本人は、生涯罪を犯したことがないと言えるのか。
「私は一般人だから」という反応が返ってくるのを承知の上で言えば、愛ちゃんに言葉の石つぶてを投げる者は、筆者を含むゲスの極みたる存在の週刊誌記者と近類とは言わずとも、同じ側にいる人間だと感じる。
もし愛ちゃんに罪があるとしたら、それはバレる浮気をしたことだ。
言い方を変えれば、自分の行為によって誰かを悲しませたり、傷つかせることになった点。
スポンサー、ファン、そして何より家族。これはまだ分かる。
でもお茶の間の皆さん、別に傷ついても悲しんでもいないでしょっていう。
むしろネタとして全力消費、飽きたら違う話題に速攻乗り換える。
別に非難しているわけではなく、世間とはそういうものであり、自分のようなハイエナハナクソライターにとって大事なお客様である。
禁じられた愛であればこそ、生まれる特別な感情がある。
だからこそ人は時として、一線を踏み越えてしまう。
文学作品を史料とするなら、それこそ平安の世から存在する恋愛の一形態である。
筆者のように海外から日本のニュースをチェックしている者にとって、コロナのせいかどうかは知らないが、最近とみに国内のネットニュースやSNS界隈がギスギスしているように感じられる。
この一件も、大半の人が
「いやはや、あの泣き虫愛ちゃんが大人になったもんだ……」
などと目を細めつつ傍観するような、もう少し気楽な世の中にならないものか。
愛ちゃんだって不倫くらいするよね、だって人間だもの。
などとユルく考えられる社会になることを、性愛をテーマとして生きてきたひとりの人間として、願ってやまない次第である。
【著者】神坂縁
ライター、編集者、翻訳者。
週刊誌記者を経て某中堅出版社に入社。
雑誌の製作に携わっていたが、十数年勤めた会社で内紛が起こったことを機に退職&日本脱出を決意。
現在は国外の通信社に勤務し、アジアの政治・経済に関するライティングを本業としている。
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