今時ネット経由の出会いはマッチングアプリが多数派でしょうが、昔はいわゆる「出会い系」と呼ばれるサイトを介し、男女が出会うきっかけを作っていました。
隠れ肉食女子だった私は、表立って活動しすぎると仕事や友人関係に支障をきたすため、サクッとペロッとイケるよう出会い系を駆使していたものです。
しかし当時の出会い系サイトは、まだまだアンダーグランド感が残っているヤバいところでした。
今でいうマッチングアプリのように「さわやか」「安心」「気軽にできる★」という風潮はありません。
気を抜くと身の危険を感じることもある諸刃の剣のような、危険な遊びです。
身体だけが目的のクズ野郎がウヨウヨいて、不倫男も当然のごとく多数生息している、危険地域だったのです。
隠れ不倫男からの連絡
そして出会った「隠れ不倫男」とのファーストコンタクトも、やはり出会い系サイトです。
出会い系では、サイトを通じてメッセージをもらい、メッセージのやりとりをしながら、会うのか会わないのかを決めます。
当時の出会い系サイトは基本的に男性は有料で、女性とメッセージのやり取りをするのにもお金がかかっているようでした。
そんなこともあり、ほとんどの男性が短期でメッセージを終え、こちらの連絡先を聞きたがるのです。
私は臆病かつ慎重だったため、すぐにこちらの連絡先を聞いてくるような男はぶった切っていました。
お金がかかっても丁寧にやり取りしてくれる男の方が安全だと思っていたからです。
実際にこの選別の仕方で出会った男たちは、大抵紳士で優しかったように思います。
私も出会い系サイトを利用して3か月ほど経ったころには、段々とシステムに慣れて油断しているころでした。
そんな時に「隠れ不倫男」から連絡をもらったのです。
丁寧な男
隠れ不倫男は丁寧な男でした。
大抵の男どもは、私の反応が良くなってくると調子に乗って本性を見せ始めます。
自分の思い通りの展開にならないと焦りが出て急に会うことを催促してくることも多く、わりとうんざりしていました。
しかしこの隠れ不倫男はそんな様子も見せず、お金もかかるのに何度もやり取りをしてくれます。
たわいない話も楽しく、私の方から「隠れ不倫男に会いたい」と思わせる余裕がありました。
そしてとうとう私から隠れ不倫男に会うことを提案してしまうのです。
隠れ不倫男は隠せない
金曜日の17:50、池袋東口に私は立っていました。
安すぎず高すぎない、薄い水色のひざ丈ワンピースに白い小さなハンドバック、セミロングの薄茶の髪を耳にかけ、控えめな銀のピアスが風に揺れています。
常に出会い系サイトの画面を開いているなどとは誰も思わないような、清純派女子に見事に擬態していたはずです。
隠れ不倫男に私の服装は連絡済みなので、おそらく見つけるのにそう時間はかからないでしょう。
自分の擬態に満足していると、出会い系サイトのメッセージ画面にポップアップが出ました。
「隣にいるよ」
視線を上げると、そこには右手に携帯を。左手にビジネスバックを持ってこちらを見つめるサラリーマンが立っていました。
銀のフレームの眼鏡に少し長めの黒髪をワックスでオシャレにセットしています。
細身で175cmといったところでしょうか。紺のストライプスーツがよく似合っています。予想していたよりもいい男です。
ただ一点を覗いては…。
(こいつ…左手の薬指が指輪の形に凹んでる…。)
左手の薬指にはご用心
目の前にいる眼鏡リーマンの薬指をさりげなく観察します。
おそらくさっきまで指輪をはめていたのでしょう。左手の薬指に明らかな凹みが見えます。
しかも指輪の形がうっすらわかる程度に日焼けしているのです。
指輪をつけていた部分だけ不自然に白いところを見ると、指輪をつけ始めてそこそこ時間が経っているようです。
この時点で私は激萎えしていました。
もし万が一嫁に知られでもしようものなら、社会的に殺された経験を持つ女子大生になってしまいます。
隠れ肉食女子として暗躍しているつもりが、親にも友人にも出会い系サイトで男を漁るクソ女であることがバレる可能性大です。
「ハイ!本日はお開き!!!!」
と叫んで帰りたかったのですが、相手の男は私が既婚者であると気が付いたかどうかなどお構いなしに話しかけてきました。
「ちんかぴちゃん、初めまして。やり取りしてたユウキです。」
「ユウキさん、ちんかぴですぅ。初めまして♡」
やってしまいました。ついうっかりいつもの擬態姿で接してしまいました。もう今日は逃げられません。
既成事実を作らず、いかに自然に帰るかを考えたほうがいいようです。
「こんなに素敵な女の子だったと思わなくて、俺すごくテンション上がってるよ!」
「えー嬉しいなぁ。ありがとうございます^^」
「駅の近くにいい感じのカフェがあって、俺いつもそこに行くこと多くてさ。」
(嫁と??)
という言葉を飲み込んで頷きます。
「今日はそこでご飯でも食べない?」
「分かりました!楽しみだなぁ。」
一刻も早く帰らなくてはなりません。
嫁からの奇襲
池袋の駅から5分ほどのビルの6階、間接照明に照らされたオシャレな夜のカフェに行きつきました。一面ガラス張りの席に通されます。池袋駅周辺のネオンがキレイです。
隠れ不倫男が適当にお酒と料理を頼みます。
運ばれてくる料理もお酒も美味しいし、相手が既婚者でなければ最高のシチュエーションです。
帰り際に出会い系サイトの登録を解除するつもりだった私は、何とかこの場を当たり障りなくやり過ごすことに決めていたため、話を適当に合わせておきます。
相手もお酒が進み上機嫌のようです。
「俺マジでミキコちゃんに会えて嬉しいよ~♪」
いや、ミキコて。嫁か?
思いっきり名前間違ってるやんけ。
どうやら酔っぱらってボロが出始めたようです。
しかし当の本人は名前を間違っていることに気づいていない様子。
「ミキコちゃんて、大学生だっけ?」
「はい、そうです。今3年なんですよ~。(多分ミキコはもう大学卒業してるぞ?)」
「そうか~。ちんかぴちゃんはぴちぴちの女子大生だもんな~。」
ちょくちょく訂正される名前に吹き出しそうになりながら、適当に話を繋げること20分。
隠れ不倫男の携帯がブルブル震え始めました。メールのようです。
(こりゃ嫁からの連絡だな)
直感でそう感じました。
仕事の連絡かもしれないからと促し、携帯を見るよう言うと、隠れ不倫男が明らかに動揺しています。絶対に嫁からの連絡です。
「こんなに沢山連絡が来るなんて、重要なお仕事の連絡ですよね?大丈夫ですかぁ??」
「え?あ、あぁ。大丈夫、大丈夫…。そんな重要な連絡じゃなかったからさ…。」
「それならいいんですけどぉ。」
何とかかんとか言い訳して嫁からの連絡を無視していた隠れ不倫男でしたが、とうとう携帯が激しく震えるようになりました。おそらく電話が来ています。
とにかくずっと携帯が震えており、あまりにしつこいので電話に出るよう伝えると、隠れ不倫男はしぶしぶ席を外していきました。
電話から戻ってくると、隠れ不倫男は明らかに顔が青ざめています。
隠れ不倫男の嫁は、自分の旦那が女と会っていることを確信しているようです。
「ユウキさん、血の気引いてますけど、大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫だよ…。ちょっと部下が仕事でミスしたみたいでさ。」
断じて違うだろ!嫁のミキコからの連絡だっただろ??
「えー!そうなんですか?じゃあ早く会社に戻らないといけないんじゃないですかね?まだ7時前だし…。」
「いやいや大丈夫。心配かけてごめんね。ご飯食べよ。」
いやキミ粘るねーーー!!!
もうさっさと帰らんとひどい目みるよーーー!!??
なんなら私も巻き込まれてんだからさっさと帰れや??
隠れ不倫男は何としてでもこの場を去らないつもりのようでしたが、私の名前はミキコに固定され、右手で左手の薬指を触りまくり、ひっきりなしに携帯に目をやっています。
もういいからはよ帰れーーー!!と思ったその時、再び隠れ不倫男の携帯が震え始めました。
10秒ほど携帯を見つめながら固まったあと、隠れ不倫男はとうとう観念した様子でこう言いました。
「ごめん、ミキコちゃん。俺やっぱり会社戻るわ。」
うん、私ミキコじゃないけどね。
結局、隠れ不倫男は猛ダッシュで会計を済ませ、そそくさと帰っていったのでした。
結論
おそらく帰った後に修羅場になるであろう隠れ不倫男に手を合わせつつ、帰り道でさっさと出会い系サイトを解約した私は、無事に社会的に抹殺されずに済みました。
不倫に全く手を出すつもりはなかったにも関わらず、相手が隠していたことで運悪く不倫男と食事をしてしまったわけですが、今思うと非常に危うい経験だったなと思います。
基本的に男性の浮気はかなり高確率で女性にバレるそうですね。
おそらく私が出会った隠れ不倫男も、普段と様子が違うのを嫁に気取られ、怪しまれていたのかもしれません。
今回の私の体験談は出会い系サイト経由でしたが、マッチングアプリにも似たようなやつがゴロゴロいます。
男性は割とすぐに気づかれて大事に至らない場合もあるのでしょうが、女性はほぼ完ぺきに既婚者であることを隠して近づいてくるかもしれません。
あなたもマッチングアプリに手を出すときは、左手の薬指に注意しながら出会いを楽しんでくださいね。
それでは今日はこの辺で!
今回もお読みいただきありがとうございました!
【著者】ちんかぴ
アラサー既婚者。
夫との結婚生活10年弱だが現在もラブラブ。穏やかでやさしい息子と3人暮らし。
結婚までの男性遍歴は30人以上。隠れ肉食女子として暗躍し、最大5股を経験。
様々な男性との接触で得た「モテる男」と「モテない男」への気づきを徒然なるままに書いていきます。

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