皆さんはこれまでに「先っぽだけでいいからお願いします」と言ったことはありますか?
または言われたことはありますか?
普通はあまり体験しないんじゃないでしょうか。
実は私、あります。25歳の時に。
「先っぽだけでいいからお願いします。」と童貞くんに懇願されまくって、結局受け入れました。
今日はそんな話をしようと思います。
「先っぽだけ男」との出会いは合コン
人数合わせでたまたま参加した合コンに「先っぽだけ男」はいました。
目立つわけでもないし、特に話せないわけでもない、見た目も含めこれと言って特徴のない男です。
人数合わせで行ったので、私は特にガツガツせず過ごしました。
得意の営業スマイルも4割くらいしか出さずにさっさと帰ろうとしたとき、「先っぽだけ男」に声をかけられたのです。
「あの・・・」
「はい?」
「えっと、あの、もし良かったら連絡先交換しませんか?」
「えっ(私!?こいつとは全然話してなかった気がするんだが??)」
「いや、えっと、すごく楽しそうに話してくれて嬉しかったんです・・・。」
「あ、ありがとうございます…(いやいや、そんなに楽しそうじゃなかったぞ??)」
「あの…ダメでしょうか?」
「………。」
先っぽだけ男は仔犬のような目でこちらを見ています。
めちゃくちゃ断りにくい!!!
結局、連絡先を交換することになったのです。
「先っぽだけ男」の相談
「先っぽだけ男」は割と頻繁に連絡してきました。
「今何してる?」
「元気?」
「今ご飯食べた」
こんな感じで、どうでもいい連絡ばかり。
そのうち私もだるくなってきて返信しない日が増えたある日、「先っぽだけ男」から割と深刻そうな連絡が来たのです。
「相談があるので、一度会ってください」
これまでと少し雰囲気が違うこともあり、めんどくさいながらも会うことに。
待ち合わせ場所は平日の14時。新宿のスタバ。
店前に直接集まることになっていたので、5分ほど前に待ち合わせ場所に到着すると、「先っぽだけ男」はソワソワしながら私を待っていました。
「オレ、童貞なんです。」
「先っぽだけ男」はアイスカフェラテ、私は抹茶フラペチーノを頼んで席に着きます。
平日なのでサラリーマンが仕事する姿が目立っていました。
隣の席で仕事の資料を作る、ややイケサラリーマンから「先っぽだけ男」に視線を移すと、緊張した面持ちでこちらを見ています。
あちらから何気なく世間話を振られるので適当に返答しますが、一向に本題に入ろうとしません。
にも関わらず、ずっと落ち着きなくソワソワしているので、とうとう焦れて私が促しました。
「それで相談て何?」
「あ、ごめんね。あの…ちょっと言いにくいことなんだけどさ…。」
「うん、なぁに?(あーこりゃネズミ講の相談だわー。マジで失敗した。)」
「オレ、童貞なんです。」
「!!??」
思わず口に含んだ抹茶フラペチーノが出そうになります。
そっちは予想してなかった!!
隣のややイケサラリーマンめっちゃこっち見てるぞ!!!
しかし「先っぽだけ男」は構わず続けます。
「そ、それでね。オレもう26にもなるのに童貞なのがすごくコンプレックスでさ…。」
「なるほど?」
「オレ、中高男子校で、大学も工学系だったから女の子と全然接してこなくて。」
「はいはい。」
「就職したら彼女できるかなって思ってたけど、女の子とどうやってコミュニケーションとったら良いか分からなくってさ」
「そっかぁ。(でしょうねー)」
「免疫つけるために合コンたくさん行ったけど、全然うまくいかなかったんだよね。」
「うんうん。(まぁこの間の感じじゃ難しいだろうね)」
「それでこの間の合コンもすごい気合入れて行ったんだけど、やっぱりうまくいかなくて。でもちんかぴちゃんは今までで一番楽しそうに話聞いてくれてたんだよ。」
「うんうん。(多分気のせいだと思うぞ?)」
「それに、オレちんかぴちゃんがすごくタイプです。」
「それはありがとう…。」
「それで…それで…お願いっていうのが…。」
「……(なんだ?何をお願いされるんだ…??)」
「さ、先っぽだけでいいから挿れさせてください!!!!」
声でけーーーー!!!!!
新宿の!14時の!スタバで!!!
なんてこと言ってんだ!!!!!
隣のややイケサラリーマンも、あっちにいるOLっぽい人もみんなこっち見てるぞ!!!!!
慌てた私は、とにかくこの勢いを沈めてもらわなければ!という一心で、「先っぽだけ男」をなだめます。
「分かった!伝えたいことは分かった!お願いだからもっと声のボリューム落として!」
「ご、ごめんなさい…。」
「えっと…つまり私で童貞を卒業したいってことなんだよね?」
「そうです…。」
「えーー。うーん…。」
「せっかく童貞卒業するなら、話しやすくて顔もタイプの子で卒業したいんです…。ちんかぴちゃんすごいオレのタイプだし、今も意味わかんない提案なのにきちんと聞いてくれるし。すごく優しいなと思ってて…。できれば、オレ初めてはちんかぴちゃんとしたいです。」
推定身長175センチの年上男性が、こぶしを握りながらうなだれている姿を見て、えぐみ強めな隠れ肉食女子の私も、さすがに心が揺れ動きます。
言ってることはめちゃくちゃですが、すごく誠実です。
その辺のナンパ野郎が、「お茶だけでいいから」と言いながら速攻でホテル街に連れ込もうとするのとはわけが違います。
私の顔が見られないのか、うなだれたままでいる「先っぽだけ男」に対して、少しでもいい思い出を作ってあげたい。
私はそんな風に思ったのです。
「うーーん。仕方ないなぁ。いいよ、私に貴方の童貞くださいよ。」
「え!!!!!いいの!!!??ほんとに!!!???」
だから声でけーーー!!!!
おそらくスタバ内にいる8割のお客様には、「先っぽだけ男」童貞卒業の決定的瞬間が伝わったと思うのですが、「先っぽだけ男」にとってそんな些細なことはもはや関係ないようです。
「え…マジか…いいの?ほんとに?マジでうれしい!本当にありがとう!!!」
「分かった、分かったから大きな声出さないでね…。」
「あ、ごめん。嬉しくてつい…。」
「いいよ、ここまで誠実に伝えてくれたし。私でよければ。」
「ぜひ!ぜひお願いします!!!」
初めては新宿のバリアンで…
結局、15時過ぎに私たちは新宿のバリアンというバリ風ラブホテルに来ていました。
「先っぽだけ男」曰く、どうせ童貞を卒業するならきれいで広いところがいいとのこと。
泊りでもないのに15000円もする、天蓋ベッドの豪華な部屋に入ることになりました。
料金は相手持ちとはいえ、かなり豪華な部屋です。
「先っぽだけ男」の気概が感じられます。
この気概に私も応えなければ。部屋に入った時に、私は覚悟を決めました。
(私の持てる力を出し尽くして、絶対に満足させる!!)
そうと決まれば善は急げ。さっさと身を清めてやることをやるしかありません。
お風呂も広く、きれいです。
湯船に浮かべる花ももらってきましたし、せっかくだから一緒に入ろうと誘います。
しかし「先っぽだけ男」はモジモジしながら、
「楽しみは後に取っておきたいです…。」
というので、お風呂は別々に入りました。
身を清めたらお互いバスローブ姿でベッドへ。
ガチガチになって正座している「先っぽだけ男」の緊張を風俗嬢並みの手練手管でほぐし、あの手この手を使います。
そして小一時間ほど経ったころ、「先っぽだけ男」は、先っぽだけでなく全てを挿れることができ、無事に童貞を卒業できたのでした。
すっかり打ち解けた「元先っぽだけ男」と私は時間までまったり過ごし、バリアンを後にしたのです。
「ちんかぴちゃん、本当にありがとう。オレ、すごく感動した。心も体も、本当に気持ちよかったよ。」
「それならよかったー!脱童貞、いい思い出にしてくれたら嬉しいな。」
「うん。すごい素敵な思い出になったよ。ありがとう。」
「私も楽しかったから、またこういうことしても全然いいよ!」
「マジで?嬉しいなぁ。でも、今日の思い出をずっと大切にとっておきたいから、もう会うのは辞める。いいかな?」
「おっ!なんかそれ特別な感じで嬉しいなー。うん、いいよ。そうしよっか!」
こうして、私は「元先っぽだけ男」に新宿駅の改札まで送ってもらい、なんだかほっこりした気持ちで帰路についたのでした。
まとめ
基本的にメンクイ傾向が強い私は、顔や体がタイプでなければよっぽどのことがない限り行為に応じることはありません。割とドライな方です。
でも今回の「先っぽだけ男」のように誠実であれば、全く好みでないタイプでも意外とほだされることもあるんだなと実感しています。
嘘はつかず、変なプライドは捨ててきちんと相手と向き合えば、意外と女性も受け入れてしまうのではないか、と個人的に思います。
ですので貴方も「この人と付き合いたい!」と思ったら、素直な気持ちをぶつけてみてはいかがでしょうか?
それで引いてしまうような人は性格悪めなのでやめといたらいいわけです。
女性を落としたいのなら、小手先のテクニックよりも誠実さが必要なのかもしれませんね。
それでは、皆さんに素敵な恋が訪れることを願って、今日はこの辺で!
本日もお読みいただきありがとうございました。
(追伸)
もう会わないと約束した「元先っぽだけ男」ですが、脱童貞から約2週間後に「会いたい」と連絡してきたのでバッチリ無視して終了しました(*’ω’*)
男ってホントかっこつけですね(*’ω’*)

画像引用:厚生労働省「若者雇用促進総合サイト」
【著者】ちんかぴ
アラサー既婚者。夫との結婚生活10年弱だが現在もラブラブ。穏やかでやさしい息子と3人暮らし。
結婚までの男性遍歴は30人以上。隠れ肉食女子として暗躍し、最大5股を経験。
様々な男性との接触で得た「モテる男」と「モテない男」への気づきを徒然なるままに書いていきます。
